三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年11月5日放送

全国的にも有名な民謡「尾鷲節」を守り伝えてゆく『尾鷲節保存会』!
尾鷲節を全国から出場するのど自慢たちが競う「全国尾鷲節コンクール」は11月12日に開催、今年で32回目を迎えます!

400年以上の歴史を持つと言われる「尾鷲節」。
尾鷲の駅前に歌碑が建つほど、尾鷲には馴染み深く、江戸の時代から踊り歌、座敷歌として親しまれてきました。
大正14年、大阪でレコーディングされたことを契機に、民謡として全国に広まり、いまでは、全国から集まった参加者が歌声を披露する「全国尾鷲節コンクール」が開催されるほどになっています。

 

しかしこの『尾鷲節』、もともとは違う名で呼ばれていたそうです。
『尾鷲節保存会』名誉会長の山西敏徳さんにお聞きしました。

「はじめは『なしょまま節』と呼ばれていました。
同志の心を『なぜ、ままならぬ。なぜ、ままならぬ、ままになる身を持たせたや』と、この歌に託したのが尾鷲節の起こりとされております」

大正14年にはじめてレコーディングされた『尾鷲節』はその後、尾鷲の地を訪れた作家の吉川英治や野口雨情が作詞した歌詞も追加されて、三重県を代表する民謡となりました。

その尾鷲節を後世に残し、尾鷲の発展に寄与しようと活動しているのが『尾鷲節保存会』。
尾鷲市内、市外のメンバー40人がいるそうです。

 

この日は『全国尾鷲節コンクール』に向けての練習中。

「尾鷲節は全国的にもよく知られていて、好きと言う人が多いです。
私は尾鷲に生まれて良かったと思います。
今日練習しているのは保存会の会員2名と、コンクールに出場する方たちです」

と、『尾鷲節保存会』の『美楓会』、渡辺二三子さん。

 

「尾鷲節は大好き。歌えば歌うほど好きになる歌です。
今回でコンクールの出場するのは5回目です。
出ると言うことが楽しいですね」

 

「生まれも育ちも尾鷲なので、尾鷲節は子どもの頃から身体に染みついています。
コンクールは30年前から見ていましたが若い時は『落ちたら恥ずかしい』という思いがありました。
やっとこの年になって出ることができました」

 

「小さな頃から尾鷲節は好きでした。
尾鷲に住んでいる以上、人前でと尾鷲節を上手に歌いたいという気持ちがあります。
やっぱり楽しいし、自分が尾鷲節を上手に歌う時には成長したかなと思いますね」

と、今回のコンクールの出場するみなさん。

 

そして夜、教育委員会のトレーニング室では、小学生、中学生、高校生の参加者が太鼓と笛の練習をしていました。
ご覧ください、この真剣な表情。
みんなの演奏も全国尾鷲節コンクールで披露するそうです。

 

「普段は週に1回1時間練習をしていますが、『尾鷲節コンクール』が近いため回数を増やしています。
僕は市役所勤務で、他は自営業を含めたくさんの業種の方が参加しています。
尾鷲市内は地区ごとに尾鷲節を習う環境が昔からあり、そこから集まってきたメンバーです」

と、『尾鷲節保存会』の世古誠さん(右)。

 

「僕は1年生からやっています。
楽しいけど難しいです」

「太鼓は楽しいです。
音もスピードも気をつけないといけないけど、すごく楽しいです」

と、練習中の子どもたち。
400年続く尾鷲節。
子どもたちが叩く太鼓、笛の音は、未来へと響きます。

 

『尾鷲節保存会』会長の山本哲史さんにもお話をうかがいました。

「『尾鷲節』発展のため、地域の青少年たちがそ参加し尾鷲の街の活性化のために営々と続けてきました。
この地域の発展のために一助になっていればありがたいなという思いですね」

 

尾鷲市の加藤千速市長も、なんと『尾鷲節コンクール』に参加するとのこと!

「もちろん参加費3000円を払って出場しますよ!
とても楽しみにしています。
尾鷲節は全国に広まっていて、いわばブランド化できていると思います。
しかし『尾鷲節』だけでなく、他の要素である『観光』も外に打ち出していきたいと思っています。
青い空と青い海、緑豊かな里山。空気が綺麗で魚も美味しい。
『尾鷲節』をひとつの大きなきっかけとして、ぜひ発展させていきたいですね。

11月12日日曜日、『第32回全国尾鷲節コンクール』、みなさんのお越しをお待ちしております!」

 

第32回全国尾鷲節コンクール 
平成29年11月12日(日)尾鷲市民文化会館(せぎやまホール)
尾鷲市水産商工食のまち課 0597-23-8223