『ミエてくる!』2017年11月29日
三重県最南端の熊野市は日本の渚100選にもなっている七里御浜に面しており、視界いっぱいに広がる大海原“太平洋”を全身で感じることができる場所です。
これほどのビッグスケールな海のある熊野市も、車で延々と内陸方面に40分も走ると、そこには大海原とは対照的な山あいの別世界があります。
今回は、その別世界ゾーンの一つ、熊野市育生町を舞台としたプチ歩き旅を紹介いたします。
和歌山県北山村に隣接する熊野市育生町は、人口およそ100人、標高およそ350mの場所に位置し、夏場でも夜は冷房要らずの地域です。畑、田んぼ、伝統的なお祭り・・・四季折々の日本原風景がここにはあります。
ゆっくり、ぶら~りと集落を歩き、お昼時間には道中にある古民家カレー屋「ちゃや」でスペシャルなランチ&コーヒータイムを堪能しましょう!
それでは、集落東側にある大森神社より、「くまのプチ歩き旅 育生へ行こう」の旅のはじまりはじまり~!
今回の歩き旅スタートポイントは、大森神社
毎年11月23日には、大森神社例大祭(どぶろく祭)が盛大に開催されます!
大森神社を出た後は、石垣の見られる田んぼを横目に、農道を西へと進んで行きます。
前方はるかには、紀伊半島の背骨にあたる大峰山系、和歌山県北山村の最高峰、西ノ峰(標高1123m)の山並みが見えています。
育生のかわいい“ダウンタウン”
ここに、酒屋、喫茶、そして商店がありますよ!
このT字路を右折すると、尾川川に架かる高千穂橋に出ます。
この高千穂橋からは川上方面に表丹倉の尖峰が見られます!
県道52号線尾川川にかかる高千穂橋から表丹倉を眺める・・・
あー、雄大だ~!!!
高千穂橋を渡った後、道の突き当りに熊野市役所育生支所が見えた後はその突き当りを左折し、県道52号線沿いを歩いて行きます。
また、この突き当りを右に行くと、育生集落を一望できる高台にある萬重寺にも行けます。
萬重寺のさらに上方にある熊野市有形民俗文化財に登録されている『宝きょ印塔』
育生集落を一望!
県道52号線をしばらく歩くと、左側に小さなロッジ風の一軒家『ギャラリー童心』、そして右側には綺麗に積み上げられた薪垣がひときわ目を引く陶房『童心窯』が。
ギャラリー童心
童心窯
この薪が目印だよ~
大森神社どぶろく祭りの容器も、ここで焼かれています!
オーナーの橋詰洋司さんは、周辺地域の人々が気軽に集まり、陶芸を通じて交流を深める場所となればという思いのもと、この陶房を切り盛りされています。
どなた様でも陶芸の体験が可能です!
県道52号線を挟んで向かい側にある『ギャラリー童心』では、オシャレな音楽が流れる空間の中、童心釜で焼かれた陶芸作品の他、趣のある芸術作品を楽しむことができます。
【童心釜】
住 所 三重県熊野市育生町長井377
TEL 090-2683-1914 橋詰洋司さん
※童心釜での作陶体験をご希望の場合は、前もって橋詰さんの携帯番号へご連絡をお願いします。
火入れは、毎年2回(ゴールデンウィーク前にあたる4月下旬、10月末)行っています。それ以外の時期の作陶体験をされた場合は、火入れをするまでお預かり可能です。火入れ後は郵送も可能です。詳細は橋詰さんと要相談。
【ギャラリー童心】
住 所 童心釜と県道52号線を挟んで向かい側
時 間:10:00~17:00 ご自由にご観覧ください。
休館日:毎週月、火曜日
間もなく、県道52号線と県道40号線が合流します。
車に気を付けながら右折し、県道40号をしばらく進むと、待ちに待った本日のランチどころ、『ちゃや』に着きます!
『ちゃや』は、国内外各地の山岳地帯を駆け巡っていた大阪の伊集院夫妻が2005年に熊野市に移住し、開店したお店です。
和とアジアがフュージョンした不思議な香り、そしてこくと程よい刺激のある味わい・・・そして、付け合せには敷地内で自家栽培している季節折々の野菜とお漬物。
何度でも食べたくなる味です。
実際、リピーターも多く、現在ではツイッターやインスタグラムなどを通じて、口コミでも広がっています。
ライターの私自身ほぼ1ヶ月に1度の割合で訪れています~!
カレーのほか、パスタ、オムライスなどのメニューもあり、デザートは自家製のブルーベリーをふんだんに使用したアイスクリーム(夏季)、ブルーベリーぜんざい(冬季)もイチオシです。
『ちゃや』内観
大森神社へと戻る県道52号線道中から常に見える表丹倉(右)と粉所集落(左側の山の中腹)
お腹と心を満たした後は、県道40号線の来た道を戻ります。
県道52号線との合流点を見送り、ガソリンスタンドと郵便局を過ぎた後、ふたたび尾川川を渡り、100mほど過ぎたあたりで左折します。
尾川川南岸をなぞる集落道をしばらく歩くと、先ほどの育生町“ダウンタウン”一角に出ます。
そのまま斜め左向かいの今中商店の道から入って直進すると、行きに来た道と同じ道で大森神社へと戻れますが、Uターンするような形で県道52号線経由で行くのも良いでしょう。
この道からは、左手に見える山間に、熊野の天空集落、粉所(こどころ)ちくを眺めることもできます!
表丹倉の尖峰を前に見ながら道なりに直進し、集落が尽きるあたりで赤倉方面に向かう県道52号線を見送り、左折すると、間もなく大森神社へ戻ります。
粉所集落ズーム
次号では、この育生集落のいたる場所から見える表丹倉とその裏にある大丹倉のプチトレッキングルートをご紹介いたします。