ミエてくる2017年12月4日

津市が誇る精肉店『朝日屋』が創業当時から契約している肉牛飼育農家『大紀町七保肉牛共進会』の品評会に潜入!
七保牛を間近で見てきました!

 
基本情報はこちら

 

みなさん、『松阪牛』の定義ってご存知ですか?

意外と知っているようで知らないでしょ。

  • 松阪牛と呼ばれるには

・兵庫県産系などの優れた血統を持つ松阪牛個体識別管理システムに登録された、黒毛和種の雌の子牛を三重県内旧22市町村の松阪牛生産区域内で肥育

・肥育期間は生産区域で最長にして最終である事

・未経産牛(出産をしていない牛)である事

  • 松阪肉と呼ばれるためには

・松阪牛を精肉した上で肉と脂肪の状態、肉と脂肪の交差具合が上質である事

※【旧22市町村名】

津市、久居市、白山町、一志町、嬉野町、香良洲町、三雲町、 美杉村、松阪市、明和町、小俣町、飯高町、飯南町、多気町、勢和町、玉城町、御薗村、伊勢市、宮川村、大台町、大宮町、度会町

ちなみに肥育期間は約3年、生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に来ることが条件なんだそう。

いろいろ細かく定められているのですね。

で、なんでこんな豆知識を仕入れたかというと。

 

 

11月21日に大紀町七保地区(旧度会町内)で開催された、『第13回 大紀町七保肉牛共進会』へ行ってきたからです!

この会は『七保牛』の品質や肉質を競うものですが、場所が七保地区のJAの奥とでも言えば良いのかしら・・・とにかく奥まっていて、知らない人は絶対気づきません。

 

 

私は近くまで来たところで、このノボリを頼りに到着しました。

 

 

奥の牛舎には、牛!牛!牛!

私たちが到着した9時過ぎには、出品牛の審査がすでにスタート。

 

 

審査員は伊勢農林水産事務所や三重県中央農業改良普及センター、南勢家畜保険衛生所の方たち。

1頭1頭、入有念にチェックしています。

それにしても『良い牛』ってどんな牛を指すのかしら。

素人の私にはちっともわかりません。

そういう時は聞くべし!

肥育農家さんの1人をとっ捕まえて、聞いてみました!

こういうときだけ、無駄にポジティブですね、私。

 

 

で、教えていただいたこと。

ここで見るべきところは、体積と均称(きんしょう)。

程よく身が締まっていて、バランスが取れていること。

上からも下からも、右からも左からも、どこから見ても四角い身体が理想なんだそう。

後は背中がまっすぐなこと。

これは私も知っていました!

背中が痩せている牛は、体毛を水平にカットして、背中をまっすぐに見せるのだとか。

でも、ここにいる牛たちは、そんな小細工必要なしの、立派な体躯ばかり!

 

 

この日はちょうど、七保小学校の四年生の児童たちが校外学習で、品評会を見学に。

松阪牛肥育農家の辻原浩哉さんが、松阪牛についてわかりやすく説明してくれているのを、後ろでちゃっかり聞く(笑)。

・集められているのは主に兵庫県産の牛で、ここでは生体としての美しさを審査

・骨格と肉付きのバランス、特に胸・背・腰・お尻

・見た目も美しく体表がなめらかなこと

兵庫牛の特徴としては、毛並みがとてもきれいなこと。

カールしていると、より『兵庫らしい』とされるのだとか。

ちなみに説明をしてくれていた辻原さんが育てた牛も、過去に優等一席(最優秀)を獲得した経験あり。

すごい人なんですよ!

 

 

そして、すべての牛を審査した後、10頭が選出され、今度は会場の真ん中へ。

ここで最終審査が行われます。

 

 

もうですね、すべての牛が美しいです!

素人目には、どの牛が優等一席でも納得です。

 

 

牛をじっくりと見つめているのは、『名産松阪肉 朝日屋』の香田佳永社長。

肉のプロです。

しかしそんな香田さんでも、

「審査の基準は知っていますが、実際牛を見ても肉質まではわかりません」

とのこと。

肥育農家さんと、審査員を務める三重県畜産研究所などの研究員さんの見る目が頼りです。

 

 

そして審査発表!

今年優等一席を獲得したのは、出場ナンバー32の『みのり号』!

バランスと体積が整っていて背中がまっすぐ!

審査員さんの言葉を借りると、

「パン!パン!パン!の、ス〜」

だそう。

その他に優等五席までと、さらに一等賞が発表されます。

 

 

発表が終わると、すぐに『七保牛』と刺繍されたガウンのようなものが身体にかけられ、『優等賞一席』と書かれた首飾り、そして頭にはリボン。

『みのり号』、とまどいを隠せないのが伝わってきます。

栄えある優等賞一席を受賞した肥育農家さんは中村一昭さん。

数年前にも優等賞一席を受賞しています。

 

 

「さわってもいいよ」とおっしゃってくれたので、遠慮なく。

おおお、思ったよりも毛が柔らかい!

しなやかでふわふわです。

出身は洲本市ということで、しっかり『兵庫らしく』、カールしています!

この日出場した牛は56頭。

すべて朝日屋さんが買い上げることになっているため、セリは行われません。

朝日屋さんが精肉・販売する松阪肉は産地と飼育者(生産者)、飼育状況が明確なため、安心なんですね!

品評会で賞をとった牛たちは、12月の半ばから朝日屋店頭で開催される『名牛まつり』にて、通常価格で販売されます。

毎年、大行列ができる『名牛まつり』、もはや津ぅの風物詩となっていますね。

 

 

香田さん、七保肉牛共進会のみなさん、ありがとうございました!