FM三重『ウィークエンドカフェ』2018年2月3日放送

今回のお客様は、四日市『海山道神社』の宮司、林一翁さん。
現在、神社の周りにはコンビナートがあり、県外からの参拝客の方には「こんな場所に神社があるんですね」と言われるそうです。

節分の日に狐の嫁入り道中が行われている神社として有名なこちらでは、今年も今日、2月3日に豆まき行事がおこなわれます。
まずは、保育園の子供たちから。
そして15時から狐の嫁入り道中の行事が行われます。

山道という地名の由来

『海』『山』『道』と書きますが、本来は『大和』という地名だったそうです。
そこに私のところの神社があったもので、地域の方が呼び捨ては失礼だろうと、『大和』の前に『御』という字をつけて『御大和(みやまと)』と発音していたそうです。
市政が三重郡から四日市市になり、行政が変わっていく中で、漢字をつけないといけないということでまず『海(み)』が入ってきました。
そして塩浜から四日市の中心にかけて浜になっていて、浜洲があり、そこを登っていったところに神社がポツンとあったそうなんです。
小高い場所だということで『山』。
今はもう道が変わってしまいましたが、神社の前にある駅のところが昔は街道になっていて、かつては鈴鹿まで歩いて行けたらしいです。
そこで『海・山・道』という字をはめて、『海山道』と書くようになったようです。

 

社はができたのは450年前で『狐の嫁入り道中』は300年ほど前から

毎年節分には『狐の嫁入り道中』という、ちょっとめずらしい行事を行っています。
それと同時に『厄除け豆まき』も。
『豆まき』行事は全国各地であると思いますが、『狐の嫁入り道中』はここならではのものだと思います。
非常にほのぼのとした行事で、この築の過去の伝説に基づいた『嫁入り道中』があり、神社と一体化したものが今の道中となっています。
私は林家の宮司として15代目なんですが、1代が30年していると考えると、神社はおよそ450年ほど前からあったのではないかと言われています。
『狐の嫁入り道中』は伝承だと300年ほど前で、今の形となったのは戦後だと言われています。
お嫁入りということで、おめでたい行事となり、お嫁役を受けていただく方は、この地域に暮らす厄年の女性、かぞえで19歳もしくは33歳。
男性は25歳か42歳となっています。
もちろん本当の結婚式ではなく仮装なので、ちょっと怖い狐のお面をかぶります。
非常に珍しく面白いとみなさん拝観されに来られますね。
鬼もちゃんと赤鬼さん、青鬼さんがいます。
『狐の嫁入り道中』ではとても良い鬼でして、先頭に立って悪いものを吹き飛ばしてくれる存在となっています。
こちらも地域の中から厄年や当たり年になった方の中から扮してもらっています。
ちゃんと金棒も持っているんですよ。

 

年とは

『厄年』というとみなさん、悪いものと認識していることが多いと思いますが、本当はそうではなく、本来は『役職につく』の『役』だったんですね。
その年齢が、男性女性ともに大役に付きやすいと。
一番大きな『大厄』は男性の42歳と女性の33歳。
その年齢なだと、男性女性ともに世間では一人前だと見られ、いろいろな役を科せられるわけです。
ところが肉体は老化に入っていっているということで、無理をしがちになり体調を崩しやすくなる時期に当てはまると。
古来先人の方々が、あまり無理をしちゃいけないよと、神仏のところに行き、悪くならないようにお願いしなさい・・・というのが厄除け厄落とし。
ですから、実際は悪い年ということではないんです。
気をつけなさいよ、ということ。
節分は一つのけじめというか節目というか・・・精神的にリセットするために、神様やお寺さんに行って、心の誓いをし、身を清めて新たなスタートをしようという行事ですね。
豆まきは厄年の方や、年男・年女の方が豆をまかれることが多いですが、そうでない年齢の方も見えます。
この行事で豆をまきたいという方は、厄年など関係なく受付けさせてもらっています。
当日でも申し込みできますので、ぜひどうぞ。
数えの60歳還暦、それから77歳、77歳、80歳などの節目がありますが、もう60歳以上は完全におめでたいことなので、これからも病気なく健康で、ますますがんばってもらってという・・・本当のお祝いの『やく』なんですね。
ちなみに私も去年還暦を迎え、同級生たちとともに厄除け祈祷しました。
60歳、70歳、77歳を、家族や仲間が集まってお祝いできることは幸せなことです。
これからもにこにこと笑顔過ごしていきたいですね。

 

い鳥居を中国人の観光客のみなさんが喜ぶ

海山道神社には、海に近い神社ならではの、大漁祈願のお札もあります。
江戸時代の頃は、塩浜から四日市の街までは浜辺だったそうで、四日市の町中に『浜田』という地区があります。
『浜』が付くだけあって、そこまでが海岸だったそうです。
その関係で、漁師さんが安全に大漁になるようにと願い、こちらの神社でも昔から大漁の御札が置いてあります。
昔からの方は大漁祈願はもちろんですが、航海安全もされます。
海が相手の仕事は非常に危険があるので、やはり命あってのものなので、まずは無事で、そして大漁になって欲しいとの漁師さんの願いがあるんですね。

そういえば、最近は中国の観光客の方が多くなってきたと感じます。
中国の方は赤の鳥居が好きなんですかね?
ところで、手前どもの海山道神社の本社は京都の伏見稲荷神社なんです。
伏見稲荷といえば赤い鳥居のトンネルがブームとなり、諸外国の方々が写真を撮るナンバーワンになっているようですね。
京都の伏見稲荷を三重バージョンにしたのが、私どもの海山道のお稲荷さんなんです。

 

山道神社参拝の方のために駅が作られた

近鉄海山道駅からすぐ近く、鳥居の横には古くからのうどん屋さん『いなりやさん』があります。
四日市にはうどん店がたくさんありますが、一番最初に麺を打つことを教えたのが、『いなりや』の2代か3代前のご主人だと聞いています。

神社が海山道駅からすぐ近いのもありがたいです。
沿線ということで近鉄さんにもかわいがっていただいて。
本当は隣の塩浜駅しか作る予定がなかったそうなんですが、『狐の嫁入り道中』の他に『春の大祭』があります。
昔は信心する人が多く、その人たちは塩浜駅で降りて歩いてきていたんですね。
それを近鉄さんが見ていて、こちらの神社のために『海山道』の駅を特別に作ってくれたそうなんです。
急行は停まらない鈍行の駅なんですが、祭礼などで人が多く来る際は、臨時停車をするなど、とても協力してもらっています。
なので駅から降りてすぐ、歩いて1分くらいです。
駅舎も数年前に建て替えされたときに、わざわざどんな駅舎が良いか聞いてくださって、神社だということで和風の駅舎を建ててもらいました。
本当に、とても協力いただいています。

 

筒に入っているのは豆と、もしかしたら福くじも・・・?

豆は封筒の半分くらいのサイズの袋の中に入っています。
1粒ずつ撒いているわけではないので、ある程度は取れると思います。
拾ったらお家に持って帰って家族皆さんで食べてくださいね。
全部ではありませんが、袋の中に福くじが入っているのもあります。
福くじが入っていれば、空くじはなしで何かが当たるようになっています。
お嫁入り道具なので豪華なものもあります。
例えば掛け時計や留め袖など・・・もれなくではありませんが、入っているものがあれば、何かもらえますよ。

狐の嫁入り道中は午後3時からです。
狐のお面や赤鬼さん、青鬼さんたちもしっかり見てください。