『ミエてくる!』2018年2月13日

黒潮洗うダイナミックな熊野灘に臨む三重県熊野市、一歩山の中に入ればそこは全くの別世界、切り立った山々と深緑奏でるフィールドへと変わります。今回は、そんな深山の中にある“パワースポット”をご紹介いたします。

その場所は、熊野市南西端に位置する育生町の丹倉エリア。丹倉林道の終点を拠点とする大丹倉、表丹倉の半日のトレッキングコースです。

【大丹倉】
大丹倉は、尾川川から約300mの標高にそびえるド迫力の巨岩です。
尾川川沿いにある県道52号線から見上げる姿は圧巻ですが、この頂上部からの吸い込まれるような深い谷、そして見渡す限りの熊野の山々は、そこにただいるだけで心が現れる、そんな場所です。
大丹倉の頂上部は、近くまで丹倉林道が通っており、林道終点の駐車スペースからは遊歩道を歩いて約5分で到着します!

 

下から見上げる大丹倉
県道52号線沿いにビュースポットがあります!

 

そしてこちらは、丹倉林道終点 
ここから歩いて約5分で、大丹倉頂上部に着きます!

 

林道終点から頂上部まではこんな感じのトレイルを行きます
歩きやすーい!!

 

頂上部には、「神武天皇遥拝所」と彫られた碑があります。碑の背後は、奈良県橿原市にある神武天皇陵の方向に当たります。
この碑の向かい側にある岩塊を登ると、そこが大丹倉頂上部。眼下は300m直下の断崖絶壁!!!!!大迫力の一言に尽きますが、くれぐれも転落注意・・・・・

この場所、気候が良い時期でしたら不思議と何時間でも居られてしまいます。私自身、午前中に来て、お昼寝をしてお弁当を食べて友人と語り合って、気が付けばもう夕方なんてことも過去にありました(笑)
ここを訪れる人の中には、ヨガ、瞑想を目的とする方も少なくありません。まさに「癒しの熊野」そのものの地と言えるでしょう。帰りは、来た道をそのまま戻ります。

 

これが大丹倉頂上部!!
熊野の深い山々に癒される~

 

ゆっくりお弁当を頂こう!
(写真のお弁当は、熊野市駅ちかくの「かね久」さん)

 

【表丹倉】
体力と時間にゆとりのある方は、ここから反対側にある表丹倉へも行ってみましょう!!!
ゆっくり歩いて片道40分ほどです。

表丹倉への入口は、「表丹倉」と書かれた手作りの道標に従い、道に入ります。舗装された急な坂を上ると、左手に童話の世界のような山小屋「天狗山荘」が見えてきます。熊野市内の山好き有志が「熊野市内に山を語り合える拠点を」という思いを込め、すべて手作りで建てたものです。(関係者以外は立ち入り禁止となっております。)
一戸の家のみの集落を抜けるとやがて山林へと入っていきます。道はしっかり整備されて
おり、道標も施されているので迷う心配はありませんし、一部短区間の急な登りがある以外は全体的に平坦です。ただし、表丹倉手前の道は片方が非常に切り立っています。ロープが備えられていますが、足元には十分注意をしてください。この辺りは春になるとツツジやシャクナゲが咲き乱れ、トレイルを彩ります。

表丹倉山頂部にたどり着きます。ここからの眺めは、三重県内の奥熊野エリア随一と言っても過言ではありません!眼下には前号でご紹介した育生町の集落全体が、まるで俯瞰図のように眺められます。そのすぐ向こう側には北山川が見え隠れし、背後には玉置山から弥山、八経峰に至る大峰山脈の名峰がずらりと並んでいます。このまま空をとんでしまいたい、と思えてしまう場所ですが、表丹倉も大丹倉同様、かなりの高さに切り立っていますので、絶景に見とれて転落・・・なんてことにならぬよう用心お願い致します(笑)

帰りは、来た道をそのまま戻り、丹倉林道終点に至ります。所要時間は行きとほぼ同じ、約40分です。

 

表丹倉までのトレイル

 

表丹倉から見下ろす育生集落

 

同じ集落でも、季節ごとにこんなに色が違います!

 

大峰山系の核心部、八経、弥山(一番奥の山稜)
真冬には真っ白に冠雪しています

 

【赤倉】
このエリア、熊野界隈でしたら日帰りも十分可能ですが、ゆっくりと回りたい、大丹倉や表丹倉に早朝に訪れたい、という方には、赤倉地区にあるとっておきの宿、「山里民泊あかくら」を勧めいたします。
赤倉とは、熊野市育生町に位置する集落の一つですが、現在の日本では大変貴重な「携帯の電波が届かない場所」なんです!
山間部にぽつんと開けた箱庭のような集落の中に、この宿はあります。オーナーの中平孝之さんが自身の生家を改築したもので、宿泊は一日一組限定。
あまご養殖施設「有限会社 赤倉水産」を本業として営んでいるので、夕食にはあまごをふんだんに使った料理、そして漁師としても活躍されている中平さんが獲ってきたイノシシ鍋、赤倉で育った野菜が出てきます。
朝食には、奥熊野の郷土料理茶がゆが出てきます。
テレビもラジオもありませんが、そこにある環境が心地よく、現代文明の存在そのものを忘れることすらできます。

赤倉から、プチ歩き旅の起点となる丹倉林道終点までは車で約15分。
条件が整えば、大丹倉、表丹倉では早朝に雲海に出会うことができるかもしれません!!

 

山間部の古民家 山里民泊あかくら

 

夕食には自家養殖のあまごの塩焼きが!

 

あまごのお刺身、あまごの南蛮漬け、あまご燻製・・・
あまご養殖場直営ならではのご馳走がズラリ

 

【このルートのスポット情報】
【有限会社 赤倉水産】
山里民泊あかくらを経営しているあまご養殖場です。オーナーは中平孝之さん。
民泊は、1日1組限定となっております。他のグループを気にせず、気心知れた仲間や家族と心置きなく熊野の大自然の中でお過ごしいただけます。
また、要相談で、あまご養殖場見学や周辺エリアのトレッキングツアーも承っております。