FM三重『ウィークエンドカフェ』2018年4月7日放送

今回は、『古布(こふ)』と言われる100年以上も前の布をリメイクして、洋服や小物をつくる中森美映子さんがお客様です。
古布だけでなく古い道具や家具も好き。
いつつくられたのか、どのような工程なのか・・・。
どれもが中森さんの宝物です。

いものにはいい風合いがある

古いもの・・・ここにある長火鉢の、年月を経た木の艶を見た時に、古いものはやはり良い風合いがあるなあと感じ、それから骨董屋さんに通うようになりました。
そこで古い布を見るようになって、いろいろな市に行き、古い布を集めるようになりました。
だんだん目が肥えてくるでしょ。
最初は本当に安いものでも素敵と思ったけど、やはり年数が経って地方独特の工程が見えるものは希少価値があるし素晴らしいので、ついついね。
自分の洋服は買えないけど布はどんどん買ってしまいますね。
細かい工程を経て、貴重なものとされる古布は素晴らしいです。
新しい布でも素晴らしいものはたくさんありますが、再生できない魅力ですかね。
材料も道具もあまりない時代に、これだけ素晴らしいものを作って残っている・・・日本の技術の素晴らしさだと思うんです。

 

からは価値がないと思われるような布に愛着を感じる

道具にしろ布にしろ家具にしろ、古いものはルーツを感じられられるのでとても好きなんです。
だから古いものをもらってきたり拾ってきたりして、集めました。
先人たちが大切に守ってきた技術や物を次の世代へ繋いでいきたいとの思いで、あらゆる古い布、着物帯、道具などを現代の暮らしに蘇らせています。
かつては、自宅を開放して『ほっこり温故知新の日』というイベントを月に1回開催していました。

メインとしの活動は古い布を使ったリメイク。
着物のリメイクをしている方がいますが、それはまだ着物として着られるものを、着ないから洋服に変えようというもの。
でも私の場合は、布としての役目を果たしたようなものを蘇らせるというところに醍醐味があるんですね。
人が見たらゴミと思うような布に魅力を感じます。
着物だけでなく、蚊帳や風呂敷、大漁旗・・・古い布という布に愛着というか愛おしさを感じます。
大漁旗を柿渋で染めて、アンティークカラーになったバッグ。
何十枚もの麻布を重ねて作ったコート。
色あせたべに花染めの布をつなげ仕立てたブラウス。
いろいろなものを作りました。
今まで扱った布の中で一番古かったのは、150年ほど前の庄屋の大風呂敷。
麻でできていて、とてもよい風合いでした。

(古い布を出して)

ほら、もう繊維に戻ってきている。
昔は木綿がなかったので、小豆を包む布も捨てたらいかんというくらい、布を大切にしていた時代でした。
100年以上経っていると思いますが、こんなになってもまだ使っていたんですね。
もう再生できないですよ、これは。
本当に素晴らしいと思います。

 

を見た瞬間に構想が湧いてくる

もうね、布を見た瞬間に、ピピッと来るんですね。
この布はこうしてほしい、助けてほしいと言っている!って。
だから古い布はいっぱい集まってきますが、すぐに構想が湧いてくるんですよ。
例えばこれ、藍の襤褸というのはたくさんありますが、この白の襤褸はとても珍しいんですよ。
繕いをして、また製品化しようとしているんですけど。
この、ほつれたところも味があります。
一つずつ手で縫って・・・もう五重(五枚)になっていますからね。
弱いところを継いで継いで。
日に透かすと、とっても綺麗なんですよ。
やっぱりこの古い味わいは触ってみないとわからないし、新しいものにはない魅力ですよね。
でもやはり好き嫌いがあって、古いものは嫌いという人もたくさんいました。
でも実際に着てもらって着心地を知ってもらうと、古いものの良さを感じてくれて、毎回来てくれるようになった人もいます。
古布の初心者だったけど、だいぶこなせるようになった人もいますよ。
最近では日本の古布だけでなくフランスのアンティークリネンなど、西洋の布も扱っています。
西洋のアンティークと日本のアンティークがコラボしたものを作っていきたいと思っています。

針を持っていると、何かあっても無心になって落ち着けます。
救いになっているのだと思いますね。