FM三重「ウィークエンドカフェ」2012年1月28日放送

今日のお客様は、生まれも育ちも尾鷲。
尾鷲ひのきに魅せられた、『NPO法人海虹路(エコロ)』の代表、池田比早子さんです。
カフェでお会いするのは2回目。
『海虹路(エコロ)』のメンバーのみなさんはお元気ですか?

■介護をしながらのNPO活動

『海虹路』のメンバーは同世代が多いので、思いや悩みを共有できるのが心強いですね。
力を合わせて続けていこうという気持ちがみんなにあって。
おじいちゃんやおばあちゃんの介護をしているメンバーも、私以外にも何人もいますし。
「うちとこの爺ちゃん、こんな症状なんやけど…」
と相談すると、その段階を経験した人が、
「この時はこうやったで」
と教えてくれるんです。
お互いフォローし合いながら話せる…これはもう気持ちの問題なんですが、仲間がいると思うと安心できますね。
子育ては支援センターがあるけど、介護中の人が集まる機会がないでしょう。
ここに来て話すことで、ストレスの発散になるし、(介護を)皆が経験してくると「わかるわかる」と、共感してもらえるんです。
そういった意味でも、『NPO法人海虹路』は休止せずに、できることだけでもして活動を続けたいです。
お互い、助けあいながらできることを!


■コカリナコンサート!

今、『海虹路』で、『春よ来いコンサート』を行おうとしているんです。
ヒノキで作った灯りを置いて、灯りをともしながら。

去年の東日本大震災に遭われた方々は、まだまだ不自由な生活をしてらっしゃいますよね。
そんな方々を少しでも元気づけられるたらな、と。
そこで、尾鷲ヒノキを使った、木で出来たオカリナ『コカリナ』を作って演奏して、配信しようとしたんですが…。
あまりにも下手すぎて、聴かせられないんですよ!
音がヘン!
楽器を触ったこともない私たちには、無理すぎました(苦笑)

でも、やはり元気づけたいという気持ちが大きくて、今回、また新たにやろうと。
私たちはド素人の集まりなので、思い切って、尾鷲高校の吹奏楽部のみなさんに特別にお願いして、現在指導をしてもらっています(笑)
そして今、尾鷲高校吹奏楽部の全面協力のもと、コカリナコンサートを開こうとしています!
「協力」なんて言ってますけど、実際は99%が高校生のみなさんのおかげ。
図々しく「共同で」て言わせてもらっています(笑)
被災地の方々に元気になってもらえたらな…との思いを込めて、みんなで一緒に演奏したいです。


■尾鷲ヒノキを使った『へむへむ』は『海虹路』の宝物!

尾鷲ヒノキで編んだたわし『へむへむ』は、『海虹路』が産み出したヒット作です。
洗剤がなくても不思議と汚れが落ちる、まさにエコな商品なんですが、数が少ないので販路の拡大ができないんですよ。
でも、売ってくれる場所が何軒かありますし、一度使った人はまた買って下さいますね。
使っている人は増えていると思いますよ。
ウチももちろん、洗剤をほとんど使わないで、『へむへむ』だけ。
編み方で柔らかくなったり硬くなったりするので、ハード・ソフトと使い分けをしています。
汚れがこびりつく鍋はハード、漆器類はソフトという風に(笑)

やはり完全に手作りなので、どうしても数が限られてしまうんですよね。
材料は尾鷲ヒノキだけで、道具として『カンナ』は使いますが、それも手で削ってもらうし…本当に完全手作り。
1つ作るのに、『海虹路』体験コースでも、だいたい2時間かかりますからね。手間ヒマかかっています。
身体を洗うのにも使えるんです、尾鷲ヒノキしか使っていないので。
もちろん編む人も尾鷲の人です(笑)


■小中学校で『尾鷲ヒノキ』指導!

地元の小学校では、尾鷲ヒノキで『マイ箸作り』体験を行なっています。
それからね…特にこれからは卒業式があるので、小中学校の『コサージュ作り』体験の指導に回りますよ!
ええ、尾鷲ヒノキのシート(ヒノキのカンナ屑を集めてシート状にしたもの)を使ったコサージュ作りです。
地元の小中学校では、毎年、在校生がコサージュを作って、卒業生にプレゼントするんです。
コサージュ作り体験は随分前からしてるんですよ。

今回の『春よ来いコンサート』でお世話になっている尾鷲高校吹奏楽部の子も、ヒノキのコサージュで卒業した子。

何年か前は私が教えて、今度は反対にこっちが教えてもらって…丁度ええです(笑)
何て言うか、社会の仕組みと同じですね。
これまで人生送ってきて…いろんな事をして、いろんな事を教えてきた私たちが、今度は成長した若い人たちに教えてもらって…。
『NPO法人 海虹路』がテーマとしている『循環』が、いつの間にかできていたんです。
環境を守るという観点では、今のところ現状維持が精一杯かもしれませんが…『循環』という観点では嬉しいですね!