三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2018年6月17日

過疎化・高齢化が進む鼎地区を賑やかに、元気にしたいと「かかし」づくりを始めた『夢ひろばボランティア』のメンバー。
素材は古着などを再利用し、地元の人にそっくりなかかしも・・・
市のイベントなどにも応援団として出張する鼎地区のかかしづくりを紹介します!

こちらはいなべ市の北端、藤原町の鼎地区です。
今年の5月、国際自転車ロードレースが開かれた場所でもあります。
ここである物を作っている人たちがいると聞いたのですが・・・。

 

こんにちは!
あれ?
『かかし』ですか!

 

そうなんです。
今回紹介するのは、これらのかかしを作って空き地などに展示をしている、『夢ひろばボランティア』のみなさん。
鼎在住のお母さんたちが、わいわいがやがや楽しくやっています!

 

『夢ひろばボランティア』の代表、長屋素子さんに、かかしを作りはじめた理由をお聞きしました。

「この鼎地区は寂しいところなので、何か町おこしになるものを探しに、かかし作りで知られる、滋賀県東近江市に足を運んで現地を見学しに行きました
とてもリアルで可愛らしいので、これなら目につくかなと。
田舎だけど、ここに鼎地区があるということを知ってもらえたらと思って」

夢ひろばボランティアの皆さんは、認知症予防のための高齢者サロン『ふれあいサロン』のボランティアスタッフ6名が集まって、2011年に活動をスタート。

 

7年前から活動をはじめ、3年前から地域の活性化を目的にかかし作りを開始。
かかし作りは3年前から始まり、月に一度、みんなで集まって、かかしの制作、補修に励んでいます。
現在地区内の3ヶ所に展示されていて、いなべ市で毎年開催される自転車レースでも、沿道に並ぶ応援かかしが大活躍しています!

 

かかしを製作しているのは、鼎地区の農業振興を目的とした施設『夢かなえ荘』。
リアルなおばあちゃんを作っている最中です。

 

袖にリアリティがないと補修をしたり、指の一本一本に詰め物をして本物らしく見せたり・・・元々は、滋賀県東近江市でユニークなかかし作りを続ける達人から教わったのが始まりですが、その後、自分たちで工夫を重ねて、今ではオリジナルのスタイルが出来上があっています。

 

材料や衣装等は、最初はメンバーが持ち寄りをしていましたが、かかしを作っていることが知られると、地域の人たちが使わなくなった服や物などが多く持ち込まれるようになり、今はすべて寄付で成り立っているそうです。

こうして1つ1つ手作りしてきたかかしは、3年でおよそ50体!
本来は害獣を追い払うためのかかしですが、こちらでは人を呼び集め、笑顔と笑いを生み出しているんです。

 

さて、こちらのお母さんたちのかかしは完成間近。
小道具も持たせて、よりリアルに仕上げます。
ポイントはおばあちゃんらしい『お尻』とのこと。

 

「道を聞こうとしたら、かかしやった・・・そんなんも聞いています」

「自転車の練習をしてる人が、かかしの横に自分の自転車を置いて写真を撮っているのを見たときは、いいなぁと思いました!」

「最初は一回ぐらいのつもりだったんですが、なんかとても受けてしまったもので・・・反応があって良かったです」

「いらんこと言うたり、ワイワイ騒いだり、お話するのが私たちのボケ防止のひとつですわ」

楽しくて、地域の反響も上々。
いい事ずくめですね!

 

作業が一段落したところで、みなさんでお昼ごはん。
こうして持ち寄ってみんなでワイワイ食べる時間が又、楽しみなんだそうです。

「今まではお布団などは捨てていましたが、外側は捨てても中の綿は持ってきて活用しています」

「老体にムチ打ってやってますわ!」

「無口な私が、よく喋るようになりました(笑)」

食べながらも楽しいおしゃべりは尽きません。

 

楽しい食事が終わった午後。
夢ひろばボランティアの皆さんは、完成したばかりのかかしを持って、
展示スポットへ。
こうして見ると、どれがかかしで、どれがお母さんたちかわかりませんね。
かかしは雨風ですぐ傷んでしまうため、こうして絶えず補修や入れ替えをしているんだそうです。

「今は子どもとお年寄りのかかしが多いですが、若い人というか、動きのあるものにできる限り挑戦していきたいと思っています。
この6人の体力が続く限り、かかし作りを続けたいですね」

と、長屋さん。

みなさんも、地域をゲンキにする『かかし』を見に来てはみませんか?