第28回「サルシカ隊長レポート」2012年3月

関宿で呑んで泊まる旅・・・。1回目はブルートレインだった。2回目は山登りだった・・・(笑)。
そして3回目にしてようやく関宿を歩くのだ。


また雪が落ちてきたのだ。
肌を裂くような冷たい風も吹いてきたのだ。
まるでワレワレが町歩きをするのを待っていたかのように、三重県亀山関宿の空は手厚く歓迎してくれるのだ(笑)。

さ、寒い!
あまりに寒い!

実は歩きはじめて5分もしないうちに、温かいものを求めてお店に入ったのだ(笑)。
その様子も写真に撮ったりレポートしたりしているのだが、そういうのもすべて掲載していると、数年にわたってもこの関宿レポートの連載は終わらないため、割愛するのだ(笑)。

お昼ごはんを食べ終えると、太陽が出ていた。
雪は降っているが、なんとか耐えられる寒さになっている。
どこかに隠れていた観光客も気温の変化を敏感に察知し、外に出てきている。

その昔、江戸と京の都を結んでいた東海道。
明治以降、交通の発達と共に街道や宿場町はその役割を終え、どんどん姿を変えていった。
が、そんな時代の変遷に従わず、当時の面影を残しているところもあるのだ。

この関宿もそのひとつ。
地域全体が、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、江戸時代の宿場町の雰囲気を大切に守っている。
東の入口から西の入口まで1800メートル。
銀行や郵便局、そして公共施設も、古き良き宿場町の雰囲気になじむようにつくられている。
町自体が博物館のようなところである。

2月の関宿は、町のあちこちにひな人形が飾られ、格子窓の中からすまし顔でワレワレを見ていた。
「関宿ひなまつり」というイベントで、これまでは地元自治会が開催してきたもの。
今年(2012年)から、亀山市と観光協会の主催となり、いなべ市、亀山市、伊賀市、津市、松阪市、明和町、伊勢市と、三重県内7地域が連携してのイベント「美し国三重・ひな街道」にも参加!
精力的に町を売り出しているのだ。

関宿にある旧家の一軒で、江戸時代のひな人形を展示しているというのでお邪魔することに。
橋爪家。
江戸時代初期から両替商を営み、江戸にも出店を持つ豪商であったという。
建物はもともとは江戸時代に建てられたものらしいが、2階は明治時代に増築されたものらしい。
観光客がひっきりなしに訪ねていた。

こちらの建物の特徴は、この「むくり屋根」。
なだらかに屋根がもりがっている。
これは、身分の高い人々の住宅に見られる形式なのだそうだ。

そんな話をしている観光ガイドさんの話に聞き耳をたて、ほほーうとうなずく(笑)。

ひな人形は玄関を入ってすぐのところにあった。
当主の橋爪さんにひな人形のご説明をいただく。

ひな人形は、江戸時代のもの、大正時代のもの、昭和、平成と4つが展示されたいた。
その中で一際目を引くのは、やはり江戸時代のものである。

まず大きい。
社殿がある。しかも2つも。
ちなみにこれらはすべて組み立て式で、大人ふたりで丸2日かかるという。

このひな人形は、橋爪家で代々飾られてきたもの。
博物館に眠るものではなく、本物の歴史と文化なのだ。

続いてやってきたのは、旧田中家。
こちらにも近所のみなさんの協力によっていくつものひな人形が展示されている。
観光協会による案内もある。

古い家に、赤い毛氈とひな飾りはよく似合う。
華やかだけれど賑やかではない。
幽玄な雰囲気がただよう。

続いては、旧田中家のお隣の、現田中家へ。
元自治会長さんのお宅で、瀟洒な赤レンガの塀の向こうに、ひな人形たちがたたずんでいる。

ご案内いただいた田中ご夫妻。
気さくでおしゃべり好きで親切な方で、
「どうぞどうぞ、家にあがってお茶でもどうぞ」
と誘われた。

さすが宿場町。
お客さんをお迎えし、おもてなしする精神がDNAの中に埋め込まれているのであろう。
本当に気持ちよく町を歩くことができた。

さあ、そろそろ今日の宿へと向かおう・・・。
関宿で呑んで泊まるのだ。

おひなさまめぐりin東海道・亀山市
 ・期間:2012年2月12(日)~3月11日(日)
 ・場所:亀山市東町~亀山市関町新所(東海道46・47番宿)
 ・交通:JR亀山駅下車徒歩10分街道沿い・JR関駅下車徒歩5分街道沿い
 ・お問い合わせ先:亀山市観光協会 電話 0595-97-8877
 ・参考リンク:http://genki3.net/?p=11608