志摩といえば『的矢牡蠣』！
的矢牡蠣を存分に味わえる宿、『いかだ荘山上』にお邪魔しました！

『いかだ荘山上』は的矢で初めて牡蠣の看板を上げたお店だそうです。
代表取締役の井坂泰さんに、お話をうかがいました。

「『的矢かき』の産みの親・佐藤養殖場の故佐藤忠勇さんのすすめで、的矢で最初の『かき料理』を看板に掲げる宿として、私の祖父がはじめた宿となります。
的矢で牡蠣を食べるための宿と言っても過言ではなく、牡蠣のフルコースを目的に、たくさんのお客様に来てもらっています」

そんな『いかだ荘山上』の牡蠣のフルコースがこちら！

看板商品の生牡蠣は、すっきりした甘さと牡蠣特有の臭いがあまりないのが特徴です。

牡蠣のお寿司は、牡蠣を甘酢で洗いポン酢のジュレと合わせています。
酢飯がとても良く合うそうですよ！

牡蠣フライは衣が薄く、上品な仕上がり。
火の通った牡蠣の味をしっかりと閉じ込めています。

しかし、この美味しい的矢牡蠣を遥かに凌ぐ牡蠣が、ここ的矢にあるそうなんです。

それがこの『伊勢志摩プレミアムオイスター』！
あまり殻を大きくせず、小ぶりの殻にたっぷり身が詰まっているのが特徴。

カップも深くなっていて、厚みのある身がぎっしりと詰まった理想の牡蠣です。
この『伊勢志摩プレミアムオイスター』を開発したのは、なんと『いかだ荘山上』の井坂さんとスタッフのみなさん。
これは詳しく調べてみる必要がありますね。

こちらが的矢湾で『伊勢志摩プレミアムオイスター』を育てている場所。
意外にも深い場所ではなく、海岸線沿い。
なぜこんなに浅いところで牡蠣を育てているのでしょう。

『伊勢志摩プレミアムオイスター』を育てている『オイスターファームラフト』の濱地大規さんに、その理由をお聞きしました。

「『伊勢志摩プレミアムオイスター』は海岸沿いのボックスで育てることで、小ぶりで身の詰まった牡蠣となります。
ボックスの力を使いながら、牡蠣の殻を成長させるエネルギーを、牡蠣の身が太るエネルギーに変換させていくようにしています」

また、海外では女性が牡蠣を食べるときにそのフォルムが美しくあるべきとの考えがあり、高級なホテルでなどでは見た目も大事にされるそうです。

『伊勢志摩プレミアムオイスター』の美味しさの秘密。
そのひとつは、このオーストラリアで誕生したシングルシード方式という養殖法を導入したこと。
もうひとつは、産卵をしない三倍体と呼ばれる種苗を使っていること。
まだまだ日本では導入例が少ない種苗ですが、これによって通年の生産、販売が可能となりました。

「従来の的矢牡蠣は秋冬の食材だったため、春夏でも食べられる牡蠣は、とてもありがたいと思っています。
また、的矢牡蠣の養殖自体高齢化が進んでおり、生産量も減っているため、その状況に一石を投じるためにも牡蠣養殖に挑戦しました」

と、井坂さん。

「新しい牡蠣養殖へのチャレンジには、教科書もなく海の特性や牡蠣の特性を見極める必要があり、とても苦労しました。
『伊勢志摩プレミアムオイスター』を出荷できるようになるまで、3年かかりました」

と、濱地さん。

そんな井坂さん、濱地さんの苦労が実って、今年10月、『伊勢志摩プレミアムオイスター』は、志摩ブランドに認定。
いかだ荘での提供はもちろんのこと、東京などのオイスターバーや飲食店への販売をはじめています。
また各地で開催されるフードショーにも積極的に参加。
ゆくゆくは世界へ・・・。
販路拡大の可能性をさぐっています。

「『伊勢志摩プレミアムオイスター』が志摩ブランドに認定されたことは、本当に嬉しかったです。
新しいブランドとしてたくさんの人に食べてもらえる、良いチャンスをいただいたと思っています。
志摩市に貢献できるように良いクオリティの牡蠣をしっかりと作って行きくつもりで、もう既に東京のオイスターバーさんをはじめ飲食店さんにも使ってもらっていますが、これからは全国さらに世界に発信していきたいですね」

と、井坂さん。

志摩市の竹内千尋市長にもお話をうかがいました。

「１年を通して出荷ができるということで、たくさんのお客様に味わってほしいですし、できれば志摩に来て、新鮮な牡蠣を食べてほしいと思います。
志摩には伊勢海老や海女さんが採ったアワビ、あのりふぐや南張メロンなど、本当に美味しいものがたくさんあります。
志摩の風土や生産者のみなさんのストーリーを共に味わってほしいですね」

志摩の魅力、美味しさが凝縮された『伊勢志摩プレミアムオイスター』、そして的矢牡蠣。
みなさんも味わってみませんか。