『ミエてくる!』2018年12月20日

お魚の目利きが、完全予約制の『お魚食堂』をオープン!
なんでもあまり市場に出回らないお魚も食べさせてくれるとか。
さっそく美味しくいただきに・・・いや、取材に行ってきました!

なんとなく目にする、ってありますよね。
FacebookやYouTubeなどで、なんとなく私の視界に上ってくる情報があり。
おそらく、私が張っているアンテナみたいなものに、引っかかってくるのでしょうね。
私が張っているアンテナといえば『食』!
いい感じに引っかかってきた情報を確かめるため、いざ出発!

 

というわけで訪れたのは、南伊勢町は贄浦漁港。
めっちゃいい町。
12月だというのに暖かく、そして海はキレイ。
この画像ではわかりませんが、本当に澄んでいるんですよ、海が!
底まで透き通って見えるレベル。

 

そんな贄浦漁港近くに建っている3階建ての不思議な建物が、今回の目的地。

 

『海辺のかわべ屋』。
海辺なのにかわべ・・・覚えやすいですね。
こちらは干物店だった建物を食堂に改装。
3階部分がお店となっています。

 

ご店主の河部友彦さんは名古屋から、ここ南伊勢町に移住してきて、完全予約制の食堂『海辺のかわべ屋』を今年4月にオープン。
もともとは三重大学で魚類の資源管理などを学んでいて、そのまま三重県内の釣具屋さんに就職。
その後は三重外湾漁協に勤めるなど、いわばお魚のエキスパートなのです。
さすがの包丁さばき。

 

毎朝、贄浦漁港の市場に出向いて食材を調達。
水温が下がりようやく揚がってきたという『ヤリイカ』。
うう、楽しみ。

 

店内、けっこう広いです。
予約制の食堂のほか、貸切パーティーやランチ付き海釣り体験イベント、魚の捌き方教室なども開催。
また、ケータリングや仕出し配達なども行っています。

 

すべて1人での作業のため、ご飯はセルフ。
好きなだけ・・・いやいや、節度を持ってご飯をよそいましょう。
でもこの理性がのちに悲劇を生むのです。

 

き、来ました!
『お魚満載まんぷく定食(仮名)』1000円!
す、すごいボリュームです!

 

この日のお刺身は、左下のカンパチ、ソマガツオ、クロサギ、ギンガメアジ、ソマ炙り、カマス炙り。
なんと6種類。
でね、朝揚がったの新鮮なものと熟成されているものがちゃんと組み合わさっているのです。
カンパチはしっかり熟成された旨味が出ていて、そのほかの魚はフレッシュ。
でももちろん、旨味が強い!
個人的にはソマガツオとソマ炙りの味の対比が好みでした。

 

で、この干物がやたらと大きく身が厚く、そして美味しい!
『カイワリアジ』というお魚を自分で干物にしたものだとか。
箸を入れた瞬間に、肉汁がピュピュっと飛び散りました!
身が、めちゃめちゃ美味しいです!
お刺身と違い、口に入れた瞬間から旨味がぶわっと襲ってくる感じ。
『アジ』と言いつつも、もっとマイルドな感じで、旨味も強いです。
聞くと、河部さん自己流の干し方で、塩とお酒を使って干しているそう。
お酒のおかげで旨味が増して、照りも出ているのかな?
身は柔らかく、でも皮は相当分厚くて食べるのを断念。
そしてですね、ここで悲劇が。

ご飯が足りない・・・!!!

もうね、お刺身も干物も『ご飯泥棒』なんですよ!
お魚をひとくち食べたら、ご飯も食べたい。
それを繰り返していくと、お刺身が多すぎて干物が大きすぎて、いくら食べてもおかずが減らない!
ご飯だけがどんどん減っていく感じなのです。

 

しかもマトウダイ入りのお味噌汁も美味しすぎる!
かなり大きなお椀にたっぷり入っているのですが、魚のアラの旨味が味噌汁に出まくっているし、旨味が出たはずのマトウダイがまだ脂たっぷりでトロトロで美味しいし!
ちょいと濃い目の味噌で、これはこれでご飯が進んでしまいます。

 

さらに、先程のヤリイカが姿造りで登場!

「姿造りを作ったの初めてなんですよ」

と仰っていましたが、初めてでこんな美しくできるものなの?
しかも新鮮すぎて、身が透明。
箸で持ち上げようとすると、まだ生きているのか、よじれ動いてしまい、なかなかつかめないほど。
身?
そりゃもう、コリッコリですよ。
イカと言えばねっとりとした食感というイメージがありますが、それを覆されました。

 

しかもこのロケーション!
窓の向こうでは、漁の網が干されているし、水はキレイだし、天気は良いし・・・。
一瞬、私も南伊勢町に移住したくなりました。

 

それにしても、こんなにボリューミーでしかも美味しいこの定食、1000円で大丈夫なんでしょうか。

「市場に出回る魚は高いですけど、クロサギやギンガメアジなど、このあたりでしか獲れない魚はとても安いんです。
干物のカイワリアジなんて、『こんな魚買ってどうするんだ』って言われるくらいなんですよ」

あんなに美味しい干物に返信するカイワリアジが、そんな扱いなんて・・・。
悲しい。
けど、だからこそこの価格でこんなに美味しく食べられるのだと思うとうれしい。
食いしん坊の心理は複雑です。
市場に出回らず、鮮度の落ちやすい魚を美味しく食べさせてくれるのが、こちらの強みですね。

ちなみになぜ、『お魚満載まんぷく定食(仮名)』なのかというと、これから始める新定食に付き、まだ名前が付いていないのです。

「何か名前を付けてください」

と言われたので、美味しそうな感じで付けてみました。
良かったらこの名前、使ってください。

さらに、来年からは店舗の1階を使い、鮮魚の販売や飲食店への卸しなども始めるそう。
もしかしたらカイワリアジの干物も買えちゃったりするのかしら。

そして南伊勢町はちょっと遠いな・・・と思うみなさんに朗報。
ケータリングは1人前1000円以上で5人以上で注文を受けてくれるそう。
場所は松阪から津のあたりまで!
そしてこちらも来年から、曜日を決めての移動販売も開始する予定!
もしかしたら、あなたの町にも来てくれるかもしれませんよ!

 

『海辺のかわべ屋』の河部さん、今度は秘密基地で『お魚イベント』を開催しませんか?
ご馳走さまでした!