私たちは行政や地域住民の支援を受けながら、様々な作業や地域への貢献活動を行なっています。
 誰もが住みよい町を目指して活動する、皆さんの思いをお伺いしました。


左:施設長 湊勇二さん
右:理事長 島田正文さん

■ 旧南島町初の
 作業所を設立し
 誰もが安心して暮らせる町に

 全国各地で設立されている障がいのある子どもをもつ保護者の会「手をつなぐ親の会」を町内でも立ち上げようと、活動を始めたことが作業所設立のきっかけです。

 当時、町内には障がい者が働ける施設がなく、「町内に作業所を作る」ことを行政などに提案しました。皆さんの協力を得て、2004年に伊勢市の作業所「しいの木園」さんの分所として町内に作業所を設立。
 その後、障害者自立支援法の施行もあり、独自で運営を行う必要性を感じ、2007年に「NPO法人かもめ」を開所しました。

 「障がい者も社会を構成する一人であることを地域の皆さんにご理解いただき、誰もが安心して暮らせる町を一緒に作りたい。」それが活動を続ける理由の根幹です。

 自分の仕事との両立は時に大変ですが、ここへくると元気をもらえるので頑張れます。
 今後も様々な人々のご支援をいただきながら、誰もが安心して暮らせる町づくりに力を尽くしていきたいです。 


■福祉とは地域づくりから
 そして地域で必要とされる
 事務所づくりを目指す

 現在、ドア部品の磨き作業やゴミ袋の仕分けなどの内職作業、アルミ缶の回収とリサイクル作業などを中心に行っています。ただ、いずれの作業も事業所内での活動となってしまいがちでした。

 そこで、利用者さんの社会参加と地域の皆さんへの恩返しとして、今年度4月から地域清掃を実施しています。定期的には実施できていませんが、事業所周辺を中心に、利用者さんの自宅の地域など、かなりの広範囲での活動となってきました。

 活動を通じて、地域の皆さんにも「かもめ」を知っていただく機会にもなり、最近では事業所までアルミ缶を持ってきていただくことも多くなりました。

 また、毎年11月頃には「かもめ祭」を開催。年々、参加していただける方も多くなってきております。本当にうれしい限りです。当事業所として、障がい福祉の分野だけで考えるだけでなく、支えてくれる保護者や地域の皆さん、誰もが住みよい環境で暮らしていけるよう取り組んでいきたいです。


事務長・職業指導員 西 昭次さん

■地域社会での理解者を増やし
 末永く支援を続けていきたい

 今後は新規に無農薬野菜の生産などアグリ事業にも取り組んでいきたいです。
 地域には農業をする高齢者の皆さんがたくさんいらっしゃるので、知恵や技術を教えていただき、私たちもまた高齢者の皆さんのお手伝いをしていきたい。

 そのためにも、「かもめ祭」などで地域の皆さんに作業所を知っていただき、理解者を増やすことが大切だと思っています。地域と融合し、利用者さんが気持ちよく暮らしていけるよう、支援を続けていきたいですね。


生活支援員 守田 洋美さん

■利用者さんが
 笑顔で働けるよう
 共に学びながら支援を続ける

 子どもが利用させていただいていることもあり、4年前より生活支援員として働いています。
 最初はボランティアとしてお手伝いしていましたが、もっと深く関わりたいと思い、生活支援員になりました。

 利用者さんが自分自身で仕事ができるよう、作業の手助けを行っています。
 支援を通じて利用者さんの笑顔が見られることが一番嬉しい。
 それって楽しく働けている証拠なので。一緒に勉強しながら精一杯頑張っていきたいです。

■利用者さんインタビュー


山下 真奈さん

大好きな音楽活動と仕事を
ずっと続けていきたい

 3年前からここで働いています。歌うことが大好きで、「かもめ祭」や県内各地のライブハウスなどでバンド活動を行っています。
 これからも仕事と音楽活動をずっと楽しく続けていきたいです。



中村 真幸さん

生活の目的や喜びを見つけ
充実した人生を作りたい

 作業所に来るようになって7年になります。ここで友達に会い、ご飯を食べるのが楽しいですね。
 今後は、自分のしたいことや出来ることを見つけ、生活していく目的や楽しさを追及していきたいです。
 そして、収入を得る喜びももっと得ていきたいと思います。