三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年2月3日

誰もがスポーツ・文化に親しみながら地域の交流を図る「白山文化・スポーツクラブ」の中でたくさんの参加者を集め、人気を誇っているのが「白山陸上クラブ」。
元実業団陸上選手の松本恵美子監督のもと、小学生以下の子どもから、70代のおじいちゃん、おばあちゃんまでみな一緒になって練習を行っています。
それぞれの目的、レベルに合わせて参加できること、親も一緒に練習することが特徴で、運動が得意な子どもたちばかりではなく、運動が苦手な子や、身体や心の悩みを持つ子どもも参加して汗を流しています。
厳しくも暖かく、地域コミュニティの役割を果たすクラブ活動を紹介します!

こちらは津市白山町にある白山運動場です。
集まっているのは親子で一緒に練習していて、県内の大会で入賞する選手や駅伝ランナーが誕生するなど、この地域で大人気の『白山陸上クラブ』のみなさん。

2017年4月、津市白山町に総合型地域スポーツクラブである『白山文化・スポーツクラブ』が誕生。
地域が主体となり、子どもから大人までそれぞれの目的、レベルに合わせて参加することができるクラブ活動です。
数ある教室の中で、たくさんの参加者を集め、人気を誇っているのが、白山陸上クラブ。
現在のメンバーは、小学生以下の子どもから70代のおじいちゃんおばあちゃんまで、およそ100人!!
地域の交流や、子どもたちの大きな成長の場になっています!

 

元・白山中学校校長で、現在は『白山文化・スポーツクラブ』事務局長の庄山昭子さんに、文化・スポーツクラブの成り立ちについてお聞きしました。

「少子化で中学校生の子どもたちが非常に少なくなりました。
生徒が少なくなるといことは、クラブ部活が従来のようには運営できないということ。
なんとかしなければとの思いからこの文化スポーツクラブを立ち上げました」

 

理由はもうひとつありました。
それは松本恵美子監督との出会い。
松本さんは元実業団ランナー。
美杉陸上クラブなどで指導経験があり、『美杉陸上クラブ』を設立し監督として指導。
2013年『美し国三重市町対抗駅伝』で津市の監督を務め、市の部優勝に導きました。
今回、白山のみなさんの声に松本さんが応え、『白山陸上クラブ』が実現したのです。

 

白山陸上クラブの練習は、毎週水曜日と金曜日の2日。
時間は夕方からのわずか1時間、短時間に集中して行われます。
生徒たちが集まってきていますね。
松本監督に、みなさんに指導する時に気をつけていることをお聞きしました。

「いろいろな経験をしてきた私の陸上人生で言えるのは、必ずしも1位がいいというわけではないということ。
もちろん目標として目指すところではありますが、その途中の自分がどうあるべきか、どうしてこれをしないといけないか、これをしたらどうなるのかっていうようなことを、彼らに伝えていきたいなと思っています」

 

練習が始まりました。
柔軟体操から、輪になってのゲーム。
楽しく遊んでいるようですが、これもチームワークをつくるための練習。
短い時間だからこそ、集中力が大切なのです。

 

「2本行きます! お願いします!」

走る準備。
一番声が出ているのは松本さん。

 

このクラブに参加しているのは、陸上が得意な子どもたちばかりではありません。
運動が苦手な子や、身体や心の悩みをもつ子も松本監督を慕って参加しています。
誰でも楽しく参加し、成長できるのが、この『白山陸上クラブ』なのです。

 


「松本先生の熱意に、気持ちが強くなったことが自分の変わったことです」

「自分よりも自分のことを信じてくれます」

「走るのが速くなったこともありますが、心が強くなりいろいろなことに粘り強くなり努力するようになりました」

松本さんとの出会いと熱意が子どもたちを変えていきます。

 

ミニハードルの練習でも松本さんの声が飛びます。

「走り方が大事でしょ! 飛んだらいいってもんじゃないよ!」

そう、子供だけが参加するのではなく、親もいっしょに練習し、走ること。
それが、このクラブの大きな特徴です。

 

「実際に一緒に参加してみると、子どもの気持ちがわかるようになり、簡単に『速く走りなさい』と言えなくなりました」

「参加することで、子どもが何事にも進んでチャレンジするようになったと思います」

「親というのは自分の子はここまでかなと線を引いてしまいがちですが、松本さんは先の先を見据えて、可能性を信じさせてくれます」

参加している親たちも、手応えを感じているようです。

子どもたちの可能性を最後まで信じる松本監督。
だからこそ、怒るときも本気なんですね。

 

短い時間の中でとことん集中し、声を出し、走る。
みんなで力を合わせて練習する中で、親にもグランドにも感謝する気持ちを忘れない。
『白山陸上クラブ』のみなさんの努力は、すでに実を結びつつあります。
『美し国三重市町対抗駅伝』の代表選手に、2人のメンバーが選抜されたのです。

 

『美し国三重市町対抗駅伝』津市小学生男子代表選手、庄山輝くん(倭小学校5年)。

「調整期間に入ってからも、毎日練習でがんばって3位以内に入れたと思います。
やる気で自分の心に勝ったところがいいと思いました」

 

『美し国三重市町対抗駅伝』伊賀市20歳以上女子代表選手、山本陽子さん。

「去年このクラブに入るまでは子育てでずっと家にこもっていて、走ること自体ももともと全くしていませんでした。
子どもが走るのが好きで一緒に入ったところ、みんなで走っているうちになんていうかもう、子どもたちよりも自分自身がすごく楽しくって楽しくって・・・走り続けているうちに、いつの間にか走ることが大好きになっていました」

 

「これからも健康で、明るくて、そして将来的には世の中のいろいろな場所や分野で活躍できる子どもを育てていきたいですね。
子どもたちには明るく元気に生きていってほしいと思います」

と、庄山さん。

「子どもは未知なる可能性を必ず持っています。
それがいつ花咲くかわかりませんけど、その時までお父さん、お母さん待っていてと、いつも言ってます。
私が一万分の一でも彼らの成長のお手伝いをさせてもらうんだったら、こんなうれしいことはないですね」

と、松本さん。

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