みなさんは樹氷をご存知であろうか。 濃霧が凍結して樹木に付着し、白い花を一面に咲かせる氷点下の芸術である。 菰野町の御在所岳では毎年この季節になるとよく見られるということで、妻M子と共に出撃したのであった。
午前11時。 御在所ロープウエイの湯ノ山温泉口に到着。 御在所ロープウエイ株式会社、企画広報部の佐藤さんにお出迎えいただく。 まずは彼女に樹氷の話をうかがった。 「冬の御在所といえば、はやり樹氷ですよね。 樹氷は自然が作り出す芸術なので、湿気、風、そして気温と、3つの条件が整わないとできないんです」 えっと今日はどうなんでしょうか? 「今日は湿度も風もいい感じなんですが、ちょっと気温が高いので見られるかどうか・・・。 とりあえず山頂に行ってみましょう!!!」
佐藤さんといっしょにロープウエイに乗って、いざ山頂駅へ! ロープウエイにのって1分もしないうちに、佐藤さんが 「あああ、いた! いましたぁ!」 と、大声をあげる。 彼女の指の先・・・山肌にいたのは、天然記念物のカモシカであった。
横になって眠っていたようで、一瞬死んでいるのかと焦った。 首を降るように動かしたので安心した(笑)。 野生のカモシカを目撃するのは人生ではじめてである。 こんな下の方で、いきなり見つけてしまうなんて、なんてラッキーなのであろう。 が、これはカモシカにとっては幸せな話ではないらしい。 本来カモシカはもっと標高の高いところに生息している。しかし山頂の方にニホンジカがたくさんやってくるようになり、カモシカたちは追われるように下界へと下りてきているのだという。 実は帰りにも同じあたりでカモシカを見つけた。 ラッキーだラッキーだと騒いだが、カモシカさんごめんなさい。
ロープウエイの鉄塔の中で、「日本一」の高さを誇る白鉄塔を越えて、一番深い谷を越えていく。 白鉄塔の正式名は「6号支柱」。 御在所岳の標高およそ943m地点に建ち、その高さは61mを誇る。
今回載せていただいたのは、昨年7月にリニューアルした際に導入された新ゴンドラ。 全面のガラスが大きくなり、そしてなんと床下に覗き窓が!!! 高所恐怖症のわたくしにはたまらない乗り物なのだ(笑)。
15分の空中遊泳を終えて、御在所岳の山頂に到着! 佐藤さんとM子。 白いダウンを着ているM子は完全に雪の中に同化している(笑)。 気温マイナス3度。 恐ろしく寒いが、この気温では樹氷はできないのだ。 われわれが到着すると同時に、雪がどんどん降り積もり、風も強くなってきた。 すると、あたりの樹木がどんどん白くなっていく。 「ああ、樹氷ができつつありますね、明日は結構きれいに見られるかもしれませんよ〜」 あ、明日ですか(笑)。 さすがにすぐさま出直すってことは出来ないので、御在所ロープウエイさんに借りた写真で場をごまかそう(笑)。
御覧ください。 これが樹氷です。 淡くはかないものなんです。 手で触るとホロリと落ちてしまうんだとか。
それにしても美しい! まさに氷点下の芸術。 こんな氷の森の中を、スノーシューを履いて歩いてみたいなあ。 ※そんな体験もあるそうですよ!! リンク:http://genki3.net/?p=119568
青空とのコントラスト! 再アタックしなくてはなるまい!!
しかも! 樹氷ライトアップ ナイター営業もやっています!! 上りの最終20時まで! 神秘的で幻想的な世界をお楽しみください。 リンク:http://genki3.net/?p=121325
「樹氷が見られなくてもがっかりしないでください。 こちらがあります!」 と、雪の中を案内していただいたのは、氷爆(ひょうばく)。 これは人工的につくったもので、足場を組み、その上から霧のように水を撒くことによって氷の滝をつくりだしているのです。
樹氷がないときにお客さんに少しでも楽しんでもらいたいという思いでスタッフのみなさんがつくっているそう。 氷の奥から、スタッフのみなさんの熱い思いが伝わって・・・は来ないな。 寒いっす(笑)。
てなわけで、冷えた体を温めるために展望レストラン「ナチュール」へ。 上も借りたお写真。 当日は残念ながら、窓の外は真っ白の世界だったのだ(笑)。
こちら、M子がいただいた「御在所カレーうどん」
こちら、わたくしがいただいた「御在所マウンテン唐揚げ定食」。 唐揚げが御在所岳のようにそびえてます!!! 食事のレポートは別途M子がするので、わたしはこの感想のみで。 わたくしは正直な処、観光地の山の上のレストランだと思っていたのだ。 が、あなどるなかれ。 ナチュールの料理は本気! ここの料理を味わうためにロープウエイに乗っても惜しくない!
わずか2時間程度の雪山ツアーは終わった。 樹氷は見えなかったけれど、カモシカ、氷爆、そしてカレーうどんと存分に楽しめたのだ。 うん、来年もくるぞ! 今度こそ樹氷の森を歩くのだ!!!