三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年2月10日

保育士として9年保育園で勤務したのち、2009年より地元三重県を拠点に全国各地の保育園・幼稚園に出向き、あそびの実演や保育士などの研修会を開催!
オレンジハウスのあそび歌、パネルシアター、紙皿シアターなどたくさんのレパートリーを持っています!

浦中こういちさん。
大台町に生まれ育ち、そして今もふるさとを拠点に活動を続ける、絵本作家、そしてあそび作家です。

 

浦中さんは、2014年、クレヨンハウスから『バナナをもって』を出版。
絵本作家デビューをしました。

「これは男の子がバナナを持って、お猿さんのところへ届けに行くという話なんです。
繰り返しのコトバをこの絵本ではどんどん使って、リズムよく遊べるようにしています」

 

ちょっと子どもたちと合わせるように、読んでもらいました。

「『ここかな ここかな さるくんのおうち』で、ここでみんなでノックしてもらうんです。
『とん とん とん』
じゃ、僕が『さるくん』って言うから大きな声で『あそぼ!』って言ってと。
『さるくん!』『あ・そ・ぼ』
ぐわぉ〜」

最初はここまでできなかったそうですが、子どもの様子を見て一緒にやっていくと面白くなったとのこと。

浦中さんの活動は絵本だけにとどまりません。
絵本の楽しい世界がそのまま外に飛び出したようなワークショップ、イベントを開催。
全国で年間70ステージ以上をこなしています。

 

最近完成したというアトリエがこちら。
机の上には、来年度宮城県にオープンする保育園のクラス看板と、ロゴマークが。

 

一番のこだわりは、玄関が低いため、中に入ると広がっていくように高さを作ったこと。
明るくてあたたかいイメージになりますね。

 

手描きが基本ですが、出版社によってはデータで送ってほしいという所もあるため、パソコンも使用。
線画は全部手書きで描いて、スキャナーで取り込んで色付けをします。

「絵本は子どもと一緒にいる空間で生まれてくるタイプです。
あそび作家の活動として保育園に行って子どもの様子を見たときに、『あ、こういう遊びで絵本になればいいな』というのが形になってくる感じです」

浦中さんはもともと保育士。
9年前に独立してフリーになりました。
保育士としての経験、そしてご自身のお子さんたちとのふれあいの中から、作品のヒントを得ていると言います。

 

絵本作家となったきっかけは、浦中さんの手にある『紙皿シアター』。

「誰の帽子かな? 一体誰のだろう? 見てみよう、こんにちは(絵が変わる)、私の帽子だよ」

編集に紙皿シアターの別バージョンを見せたところ、絵本にしたいという話になり、最初は丸い形のまま絵本にしようしましたが、それは難しいとのことで、別の形で一作目を出版することになったそうです。

「中学3年の頃から絵本作家になりたいと思っていたので、話が来た時は信じられませんでした。
実際に出来上がった時は、涙が出ましたね」

と、浦中さん。

 

この日は、絵本の世界から飛び出して、子供たちと遊んで笑顔を届ける、遊び作家としての活動。
やってきたのは、伊勢市にある子育て支援センター『きらら館』です。
スピーカーやアンプなどの音楽機材、ギター、プロジェクターなどなど。
すべて浦中さんが運び込んでのセッティング。
機材の操作は、施設のスタッフに依頼します。

 

行うのは、『パパ・ママいっしょに!こういち兄さんとあそぼ』という親子ふれあいイベント。
開場時間を前に、お父さんお母さん、そしてたくさんのお子さんがやってきました。
あっという間に予約が埋まる人気イベントだそうです。

 


まずは、はじめての参加で緊張しているお父さんお母さんたちのために、ふれあいリラックスタイム〜。
子どもたちは最初から絶好調です!

 

続いては、浦中さんの出発点となった紙皿シアター。
子どもたちは、浦中ワールドにすっかり入り込んでいます。

 

もちろん絵本の読み聞かせも。
子どもたちを飽きさせないように、短い時間で次々に展開。
あっという間の1時間です。

 

「初めてで楽しかったです。子どもと一緒に身体を動かしながら楽しくすごすことができました」

と、お父さん。

「身体を動かすのがとても好きで音楽に乗って家でもよく遊んでいるので、楽しそうに身体を動かしたり声出したりしていたので、良かったと思います」

と、お母さん。

「参加するのはちょっと恥ずかしかったですね・・・。
自分の子どもの前でもなかなかできないので、(浦中さんが)楽しくやっていてすごいなと思いました」

とお父さん。

 

「男性がやってくれることでお父さんも来やすくなるかなのきっかけで始まり、『パパママ一緒に講座』という形でつながっています。
初めての方はどうしても緊張しますが、浦中さんが子どもたちや親御さんを巻き込んでとても良い空気を作ってくれます。
家に帰ってからも教えてもらった歌で子どもたちと遊んだわ、という声を後で聞かせてもらうことも多いので、毎年お願いしています」

と、子育て支援センター『きらら館』の田端真美館長。

 

家に戻れば、浦中さんも二児のパパ。
でも普通のお父さんと違うのは、読み聞かせるのが自分の絵本で、同じ目線で遊んでくれるというところです。

「もっともっと絵本を作って、子どもたちはもちろん、大人たちにも見てほしいです。
僕は絵本だけではバランスが取れないので、『あそび作家』という活動を通しての人と人とのつながりから生まれてくるものがあると思うので、それを形にしていきたいです」

と、浦中さん。
絵本作家・あそび作家浦村こういちさんの活動をもっと知りたいという方は、ぜひウェブサイトへ!