三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年3月10日

来年開催の東京オリンピックの正式種目であり、今注目を浴びている、スポーツ『クライミング』。
ボルタリング、リード、スピードの3つの種目で複合的に競われます。
津市にあるクライミングジム『KO-WALL三重』は三重県内最大級の規模で、将来有望なアスリートを多く輩出!
ボルタリングの面白さやその魅力を紹介します!

2020年東京オリンピックの正式種目となり、いま注目を浴びているのが、スポーツクライミング。
ボルタリング、リード、スピード。
3つの種目で複合的に競われます。
そんなクライミングのジムが三重県津市に2012年にオープンした『KO-WALL三重』。
県内最大級の規模で、将来有望なアスリートを多く排出。
三重県はなぜクライミング人口が多いのか。
なぜ強い選手がいるのか。
その謎に迫ります!

 

『KO-WALL三重』店長の樫木祐太さんにジムの特徴などをお聞きしました。

「県内最大級のボルタリング専用のクライミングジムで、初心者から愛好者へのサポート、そして育成を行っています。
他のジムに比べて、トレーニングを重視してコース作りをしているので、楽しんで、しっかりとトレーニングしてもらうというカタチになっています」

 

樫木さん自身もアスリートとして活躍中。
アメリカやスペインでロッククライミングを行っています。

「大会には出場していませんが、国内外の岩場を登っています。
やはり自然の中で登るのはジムとは違う魅力がありますね。
こちらではスクールも開講しています。
まずは楽しんで続けてもらい、目指すべき場所を見つけてもらいたいです」

 

『KO-WALL三重』内ではクライミングに関するさまざまな商品を販売。
ジムには控室のほか、ロッカールームやシャワー室も完備しています。

 

それではボルダリングにチャレンジ!
シューズのレンタルもあるので、はじめての人でも大丈夫!
動きやすい格好さえしていれば、手ぶらで体験できます。

挑戦するのは初心者コース。
『♨』マークが付いている所のみを掴み、最後に『G』と書かれたゴールを両手で掴んで終了です。

 

ゴール!
登りきったときの達成感は、何物にも代えがたいほど。

 

優しい笑顔で中西さんを指導してくれた義村萌さんは、なんと世界大会に出場するほどの現役女子大生アスリート。
現在は愛知県の大学に通いながら、このジムでスタッフとして働いています。
2018年フランスで行われた『IFSCクライミング・ワールドカップ ブリアンソン大会』にも参加しました。

 

「きっかけは松阪市の『こどもの城』にある小さな壁で遊びはじめたことです。
普段登るっていうことをしないので、非日常な感覚が楽しくてどんどんはまっていきました
いといとな動きができるところと、登り切った時の達成感がもう格別なので、そこが楽しいですね」

 

さらに、義村さんに続くアスリートたちが通うトレーニングも行っています。
時間になってやってきたのは、小学生、中学生の子どもたち。
実は彼らこそ、大会に出場し、好成績を残している若きアスリートたちなのです。

 

トレーニングがはじまる前から、みんな自主的にどんどんのぼります。
こんな難易度の高い壁もなんのその!
すいすいとのぼっていきます。

 

「私は12歳、小学校6年生です。
3〜4年前にボルダリングをはじめ、日本代表選手になることが夢です」

「僕は3年生。
登れたときに達成感があって、何回落ちても諦めずにできるのが好きです」

「私は全国大会でボルダーが3位、リードで2位になりました。
夢は、世界中のいろいろな岩場を登ることです!」

本格的にボルダリングを学ぶため、名張から通ってきている子もいるそうです!

 

より難易度をあげるため、手や足をかけるホールドを直前に指示。
子どもたちは頭でイメージして覚えるため、100ぐらいのホールドの位置を瞬時に覚えるといいます。
どこに手をかけ足をかけるかは、経験と、瞬間の判断力。
ボルタリングは筋肉と頭脳のスポーツなのです。

 

続いては義村さんが見本を見せます。
しかし、どうのぼるのかは、体の大きさや筋力によって変わるため、正解はありません。
自分で考え、自分の限界に挑戦する。
ボルタリングは自分との戦いだといいます。

「子どもたちがオリンピックを目指す世代になってきて、しっかりトレーニングすれば狙えてくると思うので、いい目標になっています。
しかし室内のジムからフィールドに出て、実際のロッククライミングもしてほしいですね。
まずは競技人口を増やすことなので、ジムからすそ野が広がればいいなと思います」

と、樫木さん。

自分を限界まで追い込む。
そして限界をのりこえていく。
世界の頂点にのぼり詰めるアスリートが、この三重から誕生する日はそう遠いことではないかも知れません。