三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年3月17日

津市の三重県身体障害者総合福祉センターを拠点に活動する車いすバスケットボールチーム『三重チャリオッツ』!
練習は週に3回、夜に行われていて、メンバーは県内各地から仕事を終えた後集まり、練習に汗を流しています!
20代から50代と選手の年齢の幅も大きく、経験の差もあり、現在全国大会からは遠ざかっているが2021年の三重とこわか大会を大きな目標に掲げ、まずはレベルの底上げを目指し日々練習に励んでいます!

車いすで体育館へ向かうのは『三重チャリオッツ』の選手、奥田智也さん。
18歳の時に交通事故に遭い、普段は義足で生活をしています。
手で押しているのは、競技用の車いすのようですが、一体何の競技なんでしょうか。

 

それは、選手たちが激しくぶつかりあう『車いすバスケットボール』!
1940年代にアメリカで誕生し、1960年のローマパラリンピックで公式競技になった、障がい者スポーツ!
この三重にも、熱く燃えるチームがあったんですね!

 

『三重チャリオッツ』コーチの前田浩司さんに、このチームについてお聞きしました。

「私もかつて選手だったのですが、三重県内にあった2つのチームが合併して1999年に誕生した車いすバスケットボールチームが『三重チャリオッツ』です。
今は『三重県身体障害者総合福祉センター』を拠点に活動しています」

 

練習は、火、木、金の週3日。
選手の皆さんは会社員、公務員、自営業など、全員仕事を持っている為、夜、仕事が終わった後に集まり、短い時間で集中的に練習しています。
過去には、車いすバスケットボールの全国大会で、ベスト4の成績に輝いた経験もありますが、ここ数年は選手の数が減ったこともあり、苦戦しています。

 

「義足で歩行のほうが日常的に多いので、車いすの操作から入るのが大変でした」

一番長いバスケ歴32年の奥田さん。

「僕は27年、16歳の頃からやっています。
魅力は激しいプレーで、得意なのはミドルシュートです」

山口幸伸さん。

「僕が最年少だと思います。
バスケは高校からやっているので13年ほど。
仕事は大変ですが、バスケのために昼間仕事をしてるので、練習に行くために頑張っています」

佐波卓也さん。

 

「先輩に誘われて、一回見に来て、そしてあっという間にはまってしまいました。
他に趣味がないので、この為に生きているようなものですね」

楠後武文さん。

「車いすバスケの魅力は激しいところですね。
僕はもともとラグビーをしていたので」

須藤真也さん。

 

「怪我をしたのが社会人になってからなので、それからバスケをはじめました。
ポジションがセンターなので、ゴールしたのプレイが得意です」

と、稲葉潤一郎さん

「年齢の幅はあってもみなさんとても良くしてくれるので、下も楽しんでプレイできる環境を作ってくれています」

と、伊藤真大さん。

「僕が一番、この中で経験年数が短いですが、チームの皆さん良くしてくれるので、全然、経験関係なしにやれています」

と、堀田彰宏さん。

「なかなか難しいスポーツなので、すぐにできることは多くありません。
が、日々とにかく繰り返し繰り返しやっていることによって、できなかったことができるようになります。
理解して身体が動くようになるスピードは遅くとも、達成するのを見ているのはすごく楽しいです」

と、コーチの前田さん。

 

ここで車いすバスケ用の車いすを紹介。
第一に車輪がハの字になっていることが特徴。
このため安定感が増し、旋回性能も高くなります。
多少傾斜がついていることによって、転倒が少なくなるという大きな利点があります。

 

また、10年ほど前より車いす後部に、転倒防止キャスターの装着が認められていて、転倒が減ったため、より激しいプレイができるようになりました。

車いすバスケのルールについては、使用するコート、リングの高さ、ボールなど、ハード面に関しては一般のバスケットボールと同じです。
ただしルールには違いがあり、健常のルールでは一回ボールをついて次にボールを持ちドリブルすると『ダブルドリブル』となりますが、車いすバスケットの場合は一回ボールを持ってまたすぐにつくことができます。
また、健常者のバスケットの場合、三歩歩くとトラベリングになりますが、車いすバスケはボールを保持して車いすを3回連続プッシュするとトラべリングとなります。
ジャンプが出来ない分を、車いすの片輪を上げて高さを出す『ティルティング』という技術で補うこともあります。

 

全ての選手は、障がいの程度に応じ、1点~4.5点の持ち点がつけられ、コート上の5名の合計点を14点以内で編成しなければならない
障がいが軽いほど持ち点が高く、思いほど低く、障がいによって車いすの座面の高さや角度、厚みなども変わります。

『三重チャリオッツ』では佐波選手が1点選手。
奥田選手は4点です。
片足がハンディがあるため、奥田選手のほうが状態が重たいと思われるでしょうが、実は佐波選手の方が付随の場所が多く、状態が一番悪いとのこと。
状態が悪い選手が大きな車いす乗ってしまうと体幹がないため維持できません。
車いすの大きさはそのあたりに影響するのだそう。

 

車いすに座って、操作の練習・・・。

 

そしてレポーターも交えての、4×4のミニゲーム開始!
ドリブルの時は基本片手で車いすを漕ぎ、ブレーキがない為、止めたり、ターンするのも自分の素手で操作。
手のひらの皮がめくれることも珍しくないようです。
思った以上に激しいスポーツでした!

 

「やっぱりチームとして日本一になることが目標です」

「目標が日本一なので、それに向けてちょっとでも助けることができたら・・・」

「障がい者スポーツといえば車いすバスケみたいな・・・もっと広まってもらえればいいかなと思ってます」

選手たちの目標もさまざま。

「2021年には三重県で初めて全国障害者スポーツ大会『三重とこわか大会』が開催されます。
そこでもう一度、全国で戦えるチームになることが今の目的です。
身体にハンディを持って何もしていない若い子たちに、こういう楽しみもあるよと伝えていくことも私ら現役の者の使命だと思います。
地元で楽しく激しくプレイしているチームがあるということを知ってもらえるとありがたいです。
私たちチームはいつでもウェルカムです!」

と、前田さん。

車いすバスケットボールチー『三重チャリオッツ』!
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