世界遺産登録15周年記念企画展「熊野の花火~伝統を守る花火師たち 」

■開催期間

2019年4月27日(土)~2019年6月23日(日) 
【時間】午前9時~午後5時
※会期中無休 

■開催場所

企画展示室

■内容

日本の夏の風物詩として夜空を彩る打ち上げ花火。熊野古道伊勢路・浜街道として世界遺産登録されている七里御浜では、毎年8月17日に熊野大花火大会が開催され、約1万発の花火が打ち上げられます。この花火の起源は、江戸時代に熊野市木本町の極楽寺の境内で上げられたお盆の初精霊供養花火と言われています。300年以上の歴史を持ち、供養花火としては世界一と称されるこの花火大会には、毎年全国各地から十数万人が訪れ、当地域最大の伝統行事となっています。
 熊野には、大正から昭和初期まで7、8軒の花火製造会社がありましたが、戦後は花火師の数も減り、現在は大正3年(1914)創業の『和田煙火店』一軒のみとなり製造を続けています。熊野大花火大会のクライマックス、鬼ヶ城の岩壁に爆音が轟く鬼ヶ城大仕掛けを手掛けるのがこの和田煙火店です。3代目社長の和田憲明氏を含む従業員7名で、年間二十数件分の花火の製造を行ない、夏には打ち上げ専門の花火師も集結して、南伊勢から串本までの各地で打ち上げを行ないます。
 花火を製造する人、それを打ち上げる人のことを花火師と呼びます。一見華やかな世界に見える花火師の仕事ですが、火薬を使用するため常に危険が伴い、作業には慎重さや確実さが求められ、裏では地道な努力に支えられていることがわかります。本展では、この裏方ともいえる花火師の仕事にスポットを当て、私たちが目にする美しい花火が夜空に打ち上がるまでの工程をご紹介します。伝統を守る花火師たちの仕事を知り、今夏、熊野の各地で開催される花火大会を、これまでとは少し違う視点でお楽しみいただければ幸いです。

入場料】無料
【協 力】有限会社和田煙火店