FM三重「ウィークエンドカフェ」2012年4月7日放送

銚子川の流域、紀北町海山区便ノ山。
この地域では昔から、銚子川の水を直接田んぼに引いて、米作りを行ってきました。
きれいな水で育てられたお米は、もっちりしていて忘れられない味。
このお米、『銚子川米』を広く知ってもらうためのプロジェクトが去年始まりました。

そこで今回、PR隊長である『ふるさと企画舎』の福山ふみ代さんと、そのお米の生産者である上村剛央さんにお越しいただきました。

■福山さんが銚子川米に目を向けたきっかけと、その思いは?

私が所属する『ふるさと企画舎』は、『キャンプinn海山』の指定管理者となっています。
キャンプ場の運営をしていて思うことは、来るお客さんたちの目的はほとんど皆さん、銚子川。
丸1日銚子川で遊んで、帰っていかれます。
でも、その人たちが紀北町のお土産として買っていくのは、魚やみかんなんですね。
それも良いのですが、銚子川を目当てに来られるお客さんに、もっと銚子川らしいおみやげを作りたいという気持ちがあって。
そこで出会ったのが上村さんのお米です。
キャンプ場でも以前から米の販売はしていましたが、こんなにおいしいお米が地元にあるなんて…とビックリしました。

そこで、このお米を商品化し、銚子川ブランドとして去年から販売を始めたんです。

お米は1袋1キロ入り。
去年は100袋限定でキャンプ場のみで販売しました。
たくさんの人に少しずつこの銚子川米を食べてもらいたいんです。
そして、川のこと、米のこと、この地域のことを米を通じてわかってもらえる機会にしたいんです。
キャンプ場のみで販売するのも、この川を見て、この水でおいしい米を作ったんだな、と分かってもらいたいから。

夏、お客さんがキャンプ場に来たときに、たんぼを見てもらって、秋にはお米ができるんだなとワクワクしながら帰ってもらう。
そして新米の季節に「出来たよ!」のご案内をします。
何度も足を運んでもらう。
これが銚子川戦略!です(笑)


■上村さん、銚子川米作りについて教えて下さい!

田おこしも終ってこれからが米づくりの本番。
もうすぐ田植えが始まります。
そして8月末には稲刈り、9月には新米が出来ますよ!
今年は去年よりちょっとだけ多く米を作ったので、お客さんが増えても大丈夫かな(笑)

銚子川米は直接、銚子川からの水を田んぼに引いています。
そして、おいしいお米になるようにと、肥料も有機肥料を使っています。
不要になったエリンギのかすを発酵させたものや、粉末になった牡蠣がらなど。
エリンギは肥料として使ってみたら生育が良かったんですよ。

しかし、安心安全の米作りは本当に大変です。
水の管理、鳥獣被害に合わないための柵作り…消毒を使っていないから、田んぼの草ひきもしょっちゅうしないといけませんし。
でも、手をかけて作っている分、おいしさに差が出るんです。


■農業を絶やさないようにして海山の景観を守りたい!

上村「今、農業をやっている人が高齢になり、続けていくのがちょっと辛くなったと思ったとき、このお米がある からもう少しだけ頑張ろうと思ってもらえると嬉しいですね。
 実は、最初は自分のお客様への米で手いっぱいだからと断ったんですが、福山さんをはじめ関係者のみなさんの 強い押しに負けてしまいました(笑)
 でも、米を買ってくれた人からのアンケートを見たら、嬉しかったな。
 自分の米作りは間違っていなかったなと再確認できました」

福山「『ふるさと企画舎』がこのように、米作りや『くき漬け』作りに取り組んでいるのは、有休農地を減らしたい という思いから。
 耕作された土地が増え、緑豊かな景色になれば町の人たちも活力が溢れてくるのではないでしょうか。
 そして、この町を訪れる人も、ここの美しい景観からエネルギーをもらってくれるようになるのでは…という気 持ちが込められています。
 何もかもプラスになると嬉しいですね。
 それにはまず、おいしい米作りから!
 今年から私もお手伝いしますから、よろしくお願いしますよ!上村さん!」