FM三重『ウィークエンドカフェ』2019年4月13日

四日市に紡績工場の面影を残したレンガ造りのお店『55カフェ』があります。
ここが今回のお客様の活動の拠点。
『NPO法人三重はぐくみサポート』の理事長、山田知美さんが運営するカフェです。
様々なことにチャレンジしている山田さん。
活動の1つに『子ども食堂』の運営があります。

日市で最初の子ども食堂を立ち上げ!

『子ども食堂』は現在日本に2000ヶ所以上ありますが、四日市で立ち上げたのは私が最初です。
子ども食堂を始めたきっかけは、私自身がひとり親で、当時8歳の息子と二人で暮らしていたこと。
自営業という仕事柄、私の時間に子どもを合わせることがほとんどで、一人で留守番をしたり食事を摂ったりすることがとても多かったんですね。
息子に申し訳ないという気持ちでいっぱいだったときに『子ども食堂』の存在を知り、うちの子のように一人で寂しくご飯を食べている子どもたちが、みんなで集まって食べたらきっと楽しいだろうとの思いで、子ども食堂を作りました。

 

フェの経営をしながら女性起業家のサポートもスタート

『『NPO法人三重はぐくみサポート』の活動スタートは、カフェの経営でした。
2010年、イオンモール四日市北にある『55(ごーごー)カフェ』がスタートの場所でした。
2007年に出産をして憧れの専業主婦になったのですが、2年ほど後にリーマンショックが訪れました。
当時の夫の収入だけではちょっとキツイということで働こうと思ったのですが、2才児を保育園にあずけるのは保育料がとても高かったんですね。
保育園にあずけずに夜中のタクシーのオペレータのアルバイトをしました。
年間103万円までの扶養の枠内で働いているとき、
「年間103万円で、このまま60歳までパートで生きていくんだろうか」
と考えてしまったんですね。
103万円×60歳までの自分の生涯年収がわかってしまう人生って、なんてつまらないんだろうと思っていたときに、ご縁があり、お店を買わないかというお話があったので、迷うことなく即決しました。
私自身女性の起業家ということで、今から起業したい女性の支援もしているのですが、やはり女性の多くは、スタートしてから考える人が多いですね。
男性は始めに緻密に計画を練って、しっかり考えてから動く人が多いですが、女性は『とりあえずやってみよう』という人が多いように思います・・・私も含めて。

 

んとかなるって思ってやってきたが、失敗も多かった

なんとかなると思えば大体のことがなんとかなってきているし、なんともならなかったことも、過ぎ去ってみるとなんとかなっていたことが多いですね。
それでも、とてもたくさんの失敗をしてきて、たくさんの勉強代を払ってきました。
知識が足りなくて損をしてきた部分がたくさんあったので、失敗だったりなんともならない部分はそういうところだったのかなと思います。
とはいえ、なんともならずに・・・ということはそんなになかったですね。
女性は何かにつけ「もったいない」と言う人がとても多く、「自分でしたらええやん」と考えがち。
私も典型的なそういう人でした。
例えば経理を税理士さんにお願いしたら、月々の謝金と確定申告で大きなお金を払わないといけないですよね。
それがもったいないから、自分でちょっと頑張れば帳簿くらい付けられるわと思い、最初の2年間くらいは自分でしました。
そこで大切なのが、それに費やす時間を時給計算に換算した場合、果たして自分でやったほうが、本当に得なのか損なのかというところなんです。
プロの方にお願いしなかったことによって実際、損をしたことがあったんですね。
持ち越すことができる赤字がそうできていなかったりとか。
最初からプロに頼めばよかったということが、3年目でようやくわかったんです。
でも最初の2年がなければ、餅は餅屋に頼もうという考えに至らなかったと思うので、必要な時間だったのかなと思います。
これから起業しようという女性に、そういう遠回りをせずに近道をできるアドバイスをしています。

 

ども食堂では毎回80食ほどを準備

3年魔に開催した1回目は、新聞に掲載されたため、その記事を見てきたという参加者もいましたが、とても少人数で、どちらかというと関係者のほうが多いくらいな感じでした。
でも徐々に口コミなどで参加者さんが少しずつ増えていきました。
子ども食堂には「これが子ども食堂です」という定義はないんですね。
子どもからお年寄りまで誰でも来られるようなコミュニティを『子ども食堂』としているところもありますし、完全に生活保護世帯のみしか受け入れていないところもあります。
子ども食堂を運営している団体さんの思いによって、いろいろな形があると思います。
「あそこに来ているのは可哀想な子どもなんだよ」とか、「貧乏な子どもなんだよ」というような目で見られないためにも、誰でも来られるという受け入れをしているところがほとんどです。
こちらの子ども食堂は毎月第2・第4水曜日に開催していて、第2水曜日は非公開で開催して、要予約でひとり親世帯を中心に受け入れをしています。
第4水曜日は親子なら誰でも参加でき、用意した80〜100食がなくなり次第終了という形で、誰でも来られるようになっています。
常連さんも多く、ここに来ることを毎月楽しみにしてくれる子どもさんや、ご飯の準備をする手間がない分ゆっくりできるお母さん、この時間に子どもとコミュニケーションを取ることができる時間にできる親子・・・とても楽しく過ごしてもらっていると思います。

一番良くないことは無関心。
まずは関心を持つことが最初のステップです。
そして自分がどういうふうに関わっていけるのかを一人ひとり考えて、たくさんの人が関わっていってほしいと思います。