『ミエてくる』2019年4月20日

ご店主の体調不良のため閉店が危ぶまれていたお店が、奇跡の出会いを経て存続!
若き料理人夫妻が、今年1月新生『稲米舎』をオープンしました!

三重県北牟婁郡紀北町矢口浦。
地元の食材をたくさんの人に味わってほしい、自分の生まれ育った家を守りたいとの思いから生まれた『稲米舎』というお店がありました。
私も10年前に一度訪れたことがありますが、その食材の新鮮さと潔さに感動した覚えがあります。
しかしご店主である東徳(ひがし のり)さんが体調を崩すようになり、度々休業することに。
後継者を探していましたが見つからないまま、とうとう、去年の3月お店を閉めることを決意しました。

一方。
今年35歳になる上野誠広さんは尾鷲市生まれ。
料理人を目指して京都や松阪市で修行し、いつかは自分のお店を・・・と思っていました。
上野さんは調理法の中でも特に『炭火焼き』に惹かれ、実際炭作りを経験したこともあるほど。
炭へと造詣を深める上で行き着いたのは『紀州備長炭』。
その紀州備長炭を作っているところが、紀北町矢口浦にあると知り、さっそく訪れました。

そう、その日こそ、東さんが『稲米舎』を閉めると決めた日だったのです。
上野さんの話を聞いた炭屋さんが、その場で東さんに連絡を取り、なんとその日のうちに稲米舎へ。
運命を感じた東さんから、「お店を継いでほしい」と頼まれるのです。
会ったその日に!
閉店を決めたその日に!
これは絶対に運命でしょう。

 

「まだお店を出すのは早いかと思いましたが、やはり運命かな、と。
妻も田舎暮らしをするのが夢だったので、引き寄せられたのかもしれません」

と、上野さん。

その後は東さんの手伝いをしながらお店に慣れていき、昨年の12月でお店を一旦閉店。
そして今年の1月20日から新生『稲米舎』としての営業をスタートしました。

 

わくわく。
というわけで、紀北町矢口浦に来ました。
紀北町はあおさ養殖が盛んで、今や旬の盛りです。

 

『稲米舎』はこの矢口浦の海を背に、ちょっと登っていきます。

 

看板を見逃さないでくださいね!

 

草木に埋もれるように、お店の玄関があります。
こちらのお店は昼夜ともに2組限定の完全予約制。
この日の昼のお客さんは私たちだけだったようで、貸切状態でした。

 

通されたのはこちらのお部屋。
以前お邪魔したときと、たまたま同じお部屋でした。
なんだか嬉しい。

 

お料理はおまかせなので、アルコールメニュを。
めちゃビールが凝っています。
ご夫婦ともに相当なビール好きで、旅先では必ずその土地の地ビールを飲むそうです。
ここに載っているビールも、季節で変わっていくそう。
ビールの一期一会って感じでいいですね。
次回はぜひ夜に来て、ビールを呑みたいものです。

 

日本酒、焼酎は常に置いているものを表示。
ここに載っていない焼酎もあるそうなので、直接聞いてみてくださいね。

 

そしてようやくお料理!
今回は4000円の予算でお願いしました。
先付は『鯵の酢の物』。
鯵の新鮮さは言わずもがな、かなりきつめで甘めの酢で締めてあります。
この甘酸っぱさは食欲を沸き立たせますよ!

というわけで、お腹をすかせたまま後編へ続きます。


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