三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年5月12日

亀山市能褒野のハウスメーカー『造家工房 亀井』が開いた、ものづくりの為のワーキングスペース『のぼの職人村』!
約600坪の敷地に、事務所、賃貸式の工房、コミュニティスパースなどを備え、
若手職人や、職人を目指す人たちなどが資材倉庫や工作機械などをシェア。
又、地域に開かれた工房をテーマに、土壁塗りや木工作品づくりなどのワークショップを開く他、建築職人のみならず様々な職人と共に育っていきたいと言う思いから、敷地内にはパン工房もあります!

亀山市の能褒野町(のぼのちょう)に、オシャレなスポットが出現しました。
『のぼの職人村』。
建築職人を始めとする様々な職人の集まる「職人たちのしごと場、ものづくりの村」として2018年3月にオープン。

 

約600坪の敷地に事務所・工房・休憩所等が並び、職人たちが倉庫や工作機械、作業用車両等をシェアする仕組みとなっています。
賃貸式工房は建築職人に限らず、現在は家具職人、パン職人らが入居し共に職人村を盛り上げています。
建築の職人さんが、ともに仕事をし、技術や知識を次世代に伝えようとつくられた、職人による職人たちのしごと場、ものづくりの村。
建築以外にも家具やパン等、様々なジャンルの職人にも間口をひろげ、今、能褒野で注目の場所となっています。

 

『のぼの職人村』代表、『造家工房 亀井』の亀井俊博さんに職人村を作った経緯をお聞きしました。

「若い大工たちが独立をしやすいように小さな小屋を持たせ、そこで機械や車などをみんなでシェア出来るようにし、なるべく負担がかからないように良い大工さんが活躍できるよう、技術を持った子らを集めて発信出来たらと思って作りました。
ここに来たら何でも作ってもらえる、何でも直してもらえる、何でも相談にのってもらえる・・・そんな地域の役にたてるような場所にしたかったというのもあります」

 

『のぼの職人村』は昨年3月のオープン以来、若い世代に職人の魅力を伝えようと、大工塾などの様々なワークショップを開いて来ました。
又、去年の4月には、職人の技を体験して楽しんでもらおうと第1回職人祭を開催。
予想を上回る賑わいで、今回、第2回の開催となりました。

 

こちらは大工小屋。
木を切ったり削ったりなど加工をする小屋です。
大工さんは現場に行っていることが多く、大きな機械は空いていることが多いそう。
それらをシェアして使うことで、初期設備投資にあまり負担がかからずに独立することができます。
また、仲間がいることの心強さも大きいとか。
『第2回職人祭』のこの日は、大工さんがカンナを使った箸づくりを教えています。

 

こちらの長い行列は『パン焼き小屋 土の香』。
『作る』ということにおいては、大工さんもパン屋さんも同じなので、『職人村』の中に。

 

こちらのパン屋さんは大人気で、食パンなどは予約しても買えないこともあるそうです。

 

飲食スペース『Kumu』ではこの日、イチゴ、パフェ、シフォンケーキ、鶏めし、コーヒーの販売を行っていました。

 

普段は天然酵母のパンを使ったサンドイッチ、サラダとスープのランチセットを提供しています。
『Kumu』を営業しているのは、亀井さんの奥さんと娘さん!
家族が一緒になって場所づくりをしているのは、素敵ですね。

 

この日の目玉は、現在建設中の大工小屋の土壁塗り!
昔ながらの工法は手が込んでいます。
土を塗る下地は竹組で、細い竹を格子状に編み込むように組んでいます。
その下地に塗り込んでいくのは稲わらを練り込んだ壁土・・・今では見る機会が少なくなった、日本の伝統工法。

 

夏は土壁が室内の湿気を吸い取ってくれるのでひんやりと涼しく、冬は暖房の熱が土壁に蓄えられる暖房を消してもじんわりと暖かいのが、特徴です。

「土が重くて大変だったけど、塗るのは楽しいです」

「楽しかったから、またやってみたいと思います」

と、体験した子どもたち。

 

そしてこの日、ボランティアで参加した建築を学ぶ工業高校生。

「意外と難しくて大変ですね。
でも僕は寺や神社を造る職人になりたいと思っているので、とても勉強になります」

「土壁は通気性が良くて換気がいらないとか知らないことを教えてもらいました。
こうしたイベントが定期的に開催されて、古いことが繋がっていくのは良いことだと思います」

 

参加したご家族など。

「職人系の仕事を子どもが好きなのと、僕もが興味があるので来てみました。
小さい頃にどんな職業があるかを僕らは全然知らなかったから普通に会社に入りましたが、こういう職人の仕事があるということを紹介できる場があるのはいいですね」

「職人さんが塗っているのを見てすごいカッコいいなって・・・普段接する機会がないので楽しかったです。
勉強にもなったし、食べるものも美味しいし、とても楽しいです」

 

「もともと期待はしていましたが、実際に建ってみて、能褒野という地域性を知ってもらうには非常に良い宣伝になっていると思います。
地元の人に大工をやってみようとか、パン屋をしようかとか、興味を持ってもらい、最終的には定着してもらえるよう願っています」

と、能褒野町自治会会長の野村幸生さん。

「ベテランの大工から、中堅、若手の大工も入ってきていますので、うまく継承ができている気がしますね。
後継者が少なくなってきている時代ですから、定期的にワークショップを開催して、地元の人たちにもいろいろな職人さんたちの活躍を体験して感じ取って欲しいです。
最終的には大工たちに落ち着いて仕事をしてもらえるような作業場にできたらと思っています」

と、亀井さん。

皆さんも職人の技と魅力に触れてみませんか?
『のぼの職人村』に、ぜひ足を運んでみてください!