FM三重『ウィークエンドカフェ』2019年7月13日放送

今日のお客様は志摩市の立神真珠養殖漁業協同組合女子部のパールアドバイザー森下里織さんです。
女子部には12人のメンバーが登録、現在は7人で活動しています。
森下さん自身も真珠養殖の仕事をしています。
女子部では、真珠のアクセサリーのデザイン・販売もしています。
みんなでアイディアを出し合って素敵な作品が生まれています。
同じ女子部で活動する森口弘美さん、北村智美さんにもお話しに入っていただきましょう。

                  北村さん・森下さん、森口さん

珠養殖をしている奥さんたちと組合の女性で結成

森下 立神真珠組合の販売をされている方が、最初は一人で制作して販売の準備をしていました。
一人で東京に販売に行かれたのですが、思いのほか作業などが大変で、くやしくて涙を流しながら帰ってきたということがありました。
それをきっかけに真珠養殖をしている奥さんたちが声をかけて手伝うようになり、ある時、津市でのイベントに参加した時にとても反響があったので、有志が集まって真珠のPRを始めようと思ったのが『立神真珠養殖漁業協同組合女子部』結成のきっかけです。
私は2年ほど前から真珠養殖をはじた初心者で、真珠養殖は30年以上のキャリアがある方たちばかりなので、私は足元にも及びません。
少しずつ近づくように頑張っています。

 

子部では真珠養殖とはどういうものかを発信している

森下 女子部の活動は、県内のみならず全国各地でPRをしています。
多くの人に真珠のことをもっと知ってもらいたいという気持ちで、まずは真珠養殖とはどういうものかの説明をしています。
それから真珠製品の販売。
最近では海岸清掃などのボランティアも行っています。
綺麗な海がないと綺麗な真珠はできないので、英虞湾を中心に清掃活動をどんどん進めていきたいなと思っています。
今は夏くらいまで核入れ作業の真っ最中。
その後は、真珠を入れた貝を掃除したり、涼しいところへ運んで養生して、でもそのままでは行けないので、定期的に掃除に行ったりしています。
傷を癒やさないといけないし、付着物もつくので、綺麗に掃除しに行くことがあります。
生き物なので海水の温度や天候に左右されます。
そのため、毎年とても綺麗な真珠ができるわけではなく、終わってみないとわからないという世界です。
みなさんそれを何十年もされているので、頭が下がる思いです。

 

子部ならではの作品がたくさんある

森下 女子部では、真珠のアクセサリーのデザイン・販売もしています。
みんなでアイディアを出し合って素敵な作品が生まれています。
自分がほしいと思うもの可愛いと思うもの、それからお客様からの要望をいろいろ聞いた上でみんなでデザインを考えたり、こういう商品が良いのでは・・など話し合いながら製作をしています。
真珠は高級なものしか表に出てこないというイメージがあってなかなか手が届かないと思われていて、みなさん敬遠しがちです。
しかしそういったものを覆そうと、普段遣いができる商品を作ろうじゃないかという思いがあり、そういう変形を上手に綺麗に可愛く見せるようにするのをいろいろ考えて、それが製品になると。
それが一番のきっかけです。

森口 高級というイメージを変えることを訴えたい。

北村 私でも買うことができるというのがメインにあって、いろいろなデザインを手頃な価格で提供できるように、バロック真珠とか使って、しかも自分が使いやすいようなデザインを決めていった感じです。

森下 まずはたくさん真珠を見ることですね。
たくさん並べて比較をしながら、一番自分が綺麗と思ったものが綺麗なんだなと思います。
巻とか照りとかも含めるといろいろな要素がありますが、まずは比べてみるというのが良いと思います。
そうすると良さが見えてくるので、自分が一番綺麗と思うのが良いですね。

北村 販売した時にお客さんから姿見が欲しいと言われました。
バランスとか長さとかも見たいと言われ、商品単体だけじゃダメで、全身で見るものなんだなと、真珠だけでなくアクセサリ全体の選び方の勉強になりました。

 

変なことも先輩たちと話すことで解決できることがある

森下 だいたいみなさん、夫婦で真珠養殖をされているので、2人で同じようなことをしていて男性女性関係ない作業をしていますね。
私は今まで会社勤めしかしていなかったのですが、こちらへ来てから女子部に入って、みなさんと交流したのがきっかけで真珠養殖をしようと思いました。
最初はぜんぜんやるつもりはなくて、ただただ真珠養殖をしている家に嫁いだだけだったんですけど、女子部で真珠養殖をしている奥さんたちの話を聞いて、そして今は夫と夫の父と一緒にやっています。
跡継ぎがなかなかいないので、やっぱり自分がやるのが一番いいのかなと思い、はじめるのは遅かったですが、やると決めました。
真珠の核入れ作業は一人前になるのに、最低でも5年はかかると言われています。
そういう大変な仕事なので、女子部がなかったらしていなかったと思います。