FM三重『ウィークエンドカフェ』2019年7月27日放送

今回のお客様は、鳥羽市国崎町『くざき鰒おべん企業組合』の代表、奥田佐吉さん。
国崎町は、アワビのまち。
神宮に奉納される「熨斗あわび」は2000年の歴史があります。
この町を大切に思うみなさんが『くざき鰒おべん企業組合』を立ち上げました。
『くざき鰒おべん企業組合』では毎月第一・第三日曜日に朝市を行っています。
組合の商品、アワビめしの素を始め、国崎で獲れた新鮮な海の幸や海女さんたちが作っている野菜が並べられます。
奥田さん自慢の国崎の味です。

おこし・地域活性化をしたいと思い組合を作った

高齢化が進み、海女さんが減り子どもがいなくなる・・・これではいけないということで、9人のいろいろな業種の人たちが集まって、もう一回町おこしをして少しでも地域を活性化しようというのが事の発端です。
他の地域に行きイベントにも参加させてもらい、いろいろなことを発信してきました。
3年くらい発信して、新しいアワビご飯やらアワビの佃煮など、いろいろ開発してきた中で、個人ではどうにもならないと思い、一つの組織にしようと、県の地方会の方に協力していただき、5年ほど前に『くざき鰒おべん企業組合』を立ち上げました。
アワビご飯や、『海の七草』という海藻を細かくしたものの中にアワビの粉末を入れたものを販売しています。

 

の季節のアワビは最高においしい

十数年前までは国崎だけで80人ほどの海女さんがいましたが、今は40人そこそこですし、高齢化しているので80代の方が4割くらい。
その人たちが海女漁に行かなくなったら、若い海女さんがいないので大変です。
今はまだ寒いので少ないですが、夏になったら高齢の海女さんも出てきて50人ほどに増えます。
それでもすごい落ち込みですね。
一応、4月の連休前くらいから9月14日まで海女さんはアワビです。
アワビ、トコブシ、ウニ、テングサなど。
漁をしたいのですが、最近寒いところはアワビが高くなっているので大変です。
僕は何年も熨斗鮑を作っていますが、たまに失敗すると自分で食べます。
本当に7月のアワビの美味しさは口には言い表せられません。

 

崎のアワビの名前が広く知られるようになった

10月くらいから冬にかけてはサザエ。
サザエは一年中、毎月20t近く平均して獲れます。
それからナマコは12月27日くらいまで獲りに行きます、冬磯にね。
アワビはここ数年高額になっています。
名古屋の大きなスーパーや関東あたりでも、国崎のアワビやアラメは評判が良いらしいと聞いています。
お伊勢さんに奉納しているからということもあるけど、僕らが『国崎のアワビ』を発信している微々たる力もあるのではないかなと思っています。
海藻は豊富だし、もちろん美味しいです。
鳥羽市長さんが海藻革命を行うと言っていますけど、海藻は海にたくさんある資源ですし、健康にも良いので、いっときのブームではなく食べてほしいと思いますね。
僕らも去年からアカモクをミンチにしてHACCAP対応の工場を建てようとしているところです。
国の認定はもういただいているのですが、なかなか大変です。

 

女は運・勘・根が必要

今までずっと海女漁を続けてこられたということは、信じられないくらい大変なことだったことなので、誇りに思います。
海女さんには、人様や行政や組合からとかではなく、海を自分たちで管理しないと、と言っています。
自分たちの職場だし人は守ってくれないので、自分たちで管理して。
盗難も多いけど、みんなで漁場の管理をしていったら、まだまだ海女さんは可能性があると思います。
世界遺産にも認定された、夢のある職業だと。
大変ですが、ロマンと活力をくれますよね。
僕は常々言っていますすが、海女さんが元気でいたら病院にもかからないでいい、お金もかからない。
やっぱりみんなが漁場を守って自然を守って、循環する海女さんになってほしいと思っています。
妻にも言っていますが、海女さんは運と勘と根が必要だと。
海女さんだけではなく、なんでもそうだと思います。

なんらかの足跡を残して伝えていきたいなと思っています。
僕の思いが少しでもみんなに伝わっていたらいいですね。