三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年8月4日

獣害の多い津市美里町にジビエカフェがオープン! 地域の農業を守るために猟師となった日置季道さんが、自ら鹿や猪を獲り、料理にして提供しています!

獣害被害に悩む津市美里町に、この4月、ちょっと変わったカフェがオープンしました。 それがこちら『古民家カフェ 山乃屋』。

 

店主の日置季道さん、美咲さんご夫妻。 実はご主人の日置さん、これまでは全然違う仕事をしていました。 「当店では鹿や猪などのジビエを提供しています。 父が新聞販売店を営んでいるため、一軒一軒お客様のお宅に訪問して集金に行きます。 その時に『獣害がひどいから農業をやめる』というお客さんがいました。 農業をやめられたら私たちた食べるお米もなくなってしまうので、僕がなんとかしようと狩猟免許を取りました」。 大半は捨てられてしまう有蓋くじゅされた鹿や猪を利活用し、廉価で提供しようというのがこのお店の目的です。 また、生まれつき難聴の妻が生き生きのびのび仕事ができるようにという願いを込めてこのカフェを作りました」 このジビエカフェにはそんな思いが込められていたんですね!

 

こちらが『山乃屋』の日替わりBランチ。 この日のメインは鹿肉のハンバーグ。 サラダと小鉢、スープが付いてなんと1000円というリーズナブルさ!

 

ハンバーグは肉厚でしっかり200g トマトソースももちろん手作りですよ! 鹿肉は脂がほとんど泣く淡白なので、猪のだしを入れているそう。 「とてもヘルシーで高タンパク・低カロリー、そしてクレアチンが豊富というすごい身体にいい食材になっております」 と、日置さん。

 

続いては『鹿のロースト丼』800円。 すごい! お肉しか見えません! 「基本的に鹿のローストは一番柔らかい部分でして、価格も一番高いのですがやはりそこを食べていいただきたいので思い切って厚く切ってあります。 低温調理をしているため、中にまで火は入っているけど、パサパサ感が出ないよう、しっとりさせています」

 

猟師となった日置さんがこの日、行うのは壊れた獣害対策用のフェンスを治すこと。 飛び越す時に引っかかってしまったようです。 実はこの場所、とても山の中のようですが、『山乃屋』からは目と鼻の先。 こんなところまで鹿が来ているんですね。

 

今度は罠を仕掛けます。 「鹿や猪が確実に増えているなか、ハンターは減少しています。 獣が増えて、ハンターが減るというなんともならない状況になっております」 日置さんはこの『罠猟』の狩猟免許を取得。 罠師と呼ばれています。

 

お店に戻ると、地元の先輩猟師の山川さんが店を訪ねてきました。 「まだ新米だけど、腕はよろしいね。 そうですね、罠にかけてはなかなかええ腕してますので、将来楽しみですね」 太鼓判をいただきました! 地域との交流。 それは狩猟の世界だけではありません。

 

こちらは地元で育てられた烏骨鶏の卵を使ったブラジルプリン。 1個300円の烏骨鶏の卵をふんだんに使用。 地元の食材も積極的に取り入れ、次々にメニューを開発。

 

それがまた地域のみなさんの呼び水にもなっています。

 

そして次なる夢の空間はこちら! カフェの横には現在、体験型民泊の開業を目指して準備が進んでいます。 「東京オリンピックまでに民泊をしたいなという夢が出来ましたので、それまでに叶えたいと思っています」

 

部屋の横にはドッグラン。 犬を連れての宿泊も可能にする予定です。 「飲食店の経験がゼロだっっため、本当に大変な仕事だとつくづく感じます。 しかしあるていど流行るお店になってくれたらパン屋さんをオープンして、津市内の身体障害者の就業支援をしていきたいと思っています。 それが私のとても大きい夢でございます」 と、日置さん。 素敵な夢ですね! 叶いますように。 『古民家カフェ山乃屋』は、営業時間朝8時から夜8時まで。 場所がわかりにくいので、お店のウェブサイトご覧ください。