三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2019年9月1日

津市白山町で今年3月に古民家を改装してオープンした『ゲストハウス・イロンゴ』!
フィリピンで環境保全活動を行ってきた倉田麻里さんと夫のハロルドさんが、海外から日本を訪れる人も受け入れる農林漁業体験民宿として運営を行っています。
日本文化の体験だけでなく、フィリピン文化も体験することができるゲストハウスイロンゴで、野菜の収穫体験やその野菜を使ったフィリピン料理の試食などを行い、白山町から国際交流がうまれる場所でもあり、地域の人々が交流する場として活動を行っていく倉田さん夫妻の姿を紹介します!

榊原温泉口駅から徒歩3分の場所に、今年3月、築130年の古民家を改装した農林漁業体験民宿『ゲストハウス・イロンゴ』がオープンしました。
白山町の自然を体験できるだけでなく、フィリピン文化など多文化も体験できます。

 

倉田麻里さんは京都大学で森林情報学を学び、卒業後、フィリピンで環境保全活動を行うNPOに就職。
マングローブの植林に取り組みました。
そして現地で活動を行いながらハロルドさんと結婚。
2017年、9年ぶりに日本へ戻り、麻里さんが生まれ育った白山で生活をはじめ『ゲストハウス・イロンゴ』をオープンさせました。
『イロンゴ』とは倉田さんと夫のハロルドさんが過ごしたフィリピンの一部地域で話される言語のこと。

 

麻里さんに、このゲストハウスをオープンした経緯をお聞きしました。

「フィリピンではゲストハウスのような研修センターを運営していて、日本人の研修生をフィリピンに受け入れるという事業をしていました。
なので日本に帰ったら逆に、海外のお客さんを受け入れたいと思い、祖父の自宅を改装してゲストハウスをはじめました。
今まで私が向こうで活動していたので、これからはその逆でハロルドがこちらで活躍してほしいと思っています」

 

ゲストハウスは玄関にて受け付け。
玄関の横には共用スペースがあり、ここでみんなで食事をしたり、体験やレクチャー、セミナーなどを行います。

 

台所には『おくどさん』が!
この地域ではここにしか残っていないそう。
もちろん実際にお湯を沸かすなど、使っています。

 

こちらはプライベートルーム。
三重県産の杉の板を使っています。
とても落ち着く空間となっていますね。

 

バーベキュースペースも完備。
体験型民宿のゲストハウス・イロンゴでは、鶏の丸焼きをはじめ、さまざまなプログラムが用意されています。
中でも人気なのがフィリピン料理の体験。
本場の味が楽しめるのは、イロンゴならでは。
もちろんお好み焼きや手巻き寿司など、日本文化を味わえる体験、そして、あっと驚く体験まで用意されています。

 

そんなプログラムの一つ、農業体験をしているのはドイツから来たお客さん。
この畑は麻里さんとハロルドさんが忙しい合間を縫ってつくっているもの。
麻里さんは英語で収穫方法を説明。
実際に収穫してもらいます。

その土地に育った新鮮な野菜を収穫する・・・。
それは海外からのお客さんだけでなく、都会に暮らす子どもたちにも貴重な体験です。

 

ハロルドさんが火を熾してくれたおくどさんを使い、収穫したばかりの野菜を使ってみんなで調理体験!

 

できあがったのはフィリピン料理の『ラスワ』。
夏野菜がたくさん入ったスープだそうです。
みんなでいただきます!

 

続いてはお座敷でワークショップ。
まさに日本の文化を知ってもらおうと、水引体験プログラム。
水引とは、祝儀袋などに用いられる飾りのこと。
それでイヤリングなどのアクセサリーをつくります。

 

「もともと着物が趣味なので、思い出づくりにお客さんに着せてあげたりしています。
今回はこちらも趣味の水引作りでワークショップさせてもらいました。
住んでいると逆に白山町の魅力に気づかなかったのですが、彼女の活動を見ていて、『あ、田舎の自然って良いんだ!』と、とても勉強になります」

と、水引体験プログラムを行っている町井菜月さん。

 

『イロンゴはインターネットで景色がきれいな場所を探していて見つけました』

『雰囲気がとても良く、お話しながら料理体験などができて、とても良かったです』

海外からのお客さんにも、楽しんでもらえたようですね。

「オープンして半年で約150人のお客さんに宿泊してもらいました。
屋内の地図を見ると世界の各国から来て下さっているのがわかります。
宿泊以外にも、体験イベントなどを月に1回程度開催してきて、少しずつ認知されてきたかなと言う感じです。
田舎で国際交流ができる場所としてたくさんの方に来てもらい、交流がうまれて、その中で発見が生まれ、各人々の気付きにつながって、そしてそれぞれの人々が持続可能な社会に向かって行動していってもらえたらいいなと思っています」

と、麻里さん。

日本。
フィリピン。
故郷を思う気持ちに国境はありません。
ただいま、と帰ってこられる場所。
麻里さんとハロルドさんはイロンゴをそんなゲストハウスに育てようとしています。