FM三重『ウィークエンドカフェ』2019年10月5日放送

今日のお客様は、熊野古道そばネットの代表、奥田茂子さんです。
そばを通じて地域が元気になり、みんなが健康になればとの思いで、そば打ち仲間とグループを立ち上げました。

ばは人と人をつなぐ

15年もやっていて、だんだん仲間が増えてきたので、熊野古道沿いの会員みんなで助け合って、ネットワークを広げていこうということで、『熊野古道そばネットワーク』とつけようとしたました。
が、『ワーク』は長すぎるということで『熊野古道そばネット』、通称『古道ネット』でやっていこうかと考えております。
そばは人と人をつなげていきます。
そしてだんだんと人の輪が広がっていきます。
仙人の食べ物やったり、お坊さんが修行されるとき五穀断ちのとき、そばだけは食べてもいいとか。
火は使わずに生食できる食べ物なので、忍者が隠れて食べるときに煙を出さずに済むとか・・・知れば知るほど不思議な食べ物なんです。
そばは荒れ地に育つ・・・非常に酸性の土地で育つことができるんですね。
雑草でもやっと育つくらいで、普通の作物はとても育たないような土でこそ、そばは生き生きと育ちます。
重ねて言いますが、知れば知るほど不思議な植物だな、と思います。

 

齢者の居場所作り、またそば打ちを始めたい人の応援をしたい

そばは健康にもとても良いので、健康食だということをPRして、そば打ちやそば食を通じて、体験する方の健康維持に役立ててほしいと思います。
あと、私も含めてこのあたりは高齢者も多いので、人と人をつなぐそば打ちをすることで、居場所づくりをして一緒に楽しみたいです。
この年になってますます、そば打ちと居場所づくりの必要性を感じております。
今回私は代表をさせていただいていますが、みなさんそれぞれの地でそば打ち教室などをされているので、応援はするけど、決してその人の足を引っ張るようなことはしません。
会則にもちゃんと書いてあって、みんなそれぞれの個性を・・・みんな若くないので最後の力を最大限に活かしたいです。
会員個人の活動を妨げずに協力すると、ちゃんと書いてあります。
そういうふうにしていけたらなと思います。

 

動をする中でさまざまな依頼が奥田さんの元へ

先日年配の女性からお電話いただいたのですが、そば打ちをしていたご主人が亡くなられたとのこと。
道具は全部あるので、ご主人の供養に自分もそばを打って供えてあげたいので、出張に来てほしいと。
そういうお電話をいただきました。
また、三瀬谷のおばあちゃんがそばを作っているが、どうにもできないので、そば切りにして食べられないかと。
そのおばあちゃんがおそらく寝ずに石臼で引いたそば粉で、次の日、おばあちゃんのご親戚の中で蕎麦打ちさせていただきました。
みんなで食べたのですが、それが大変美味しくて品種をおばあちゃんに尋ねたところ、「知ら〜ん」って言うんですね。
でも、それは衝撃的な美味しさでした。
私たちは『そば打ち』と言いますが、そばを食べるためにするだけのことです。
だから『おそば体験』のほうが面白いなと思います。
呼んでもらったら私たち5〜6人、鉢をすべて携えてヨイショヨイショとお邪魔します。

 

T社会が進む中でそば打ちの手作業のすばらしさを感じる

難しいことはわかりません。
ITって言うんですか、パソコンとかそういうのものを触っていますが、ますますそばのような、握る・捏ねる・掴む・伸ばすというような手作業が大切だと感じます。
日本の伝統文化ですから、次の世代に受け継いでもらいたいですね。
そば粉は素晴らしいものがありますが、小麦粉と違ってとても捏ねにくいんですね。
だから打ち手の腕によって、仕上がりが全く違うものになります。
そのへんもとっても面白くて、ITの世界にますますなっていく中で、アナログなことは人間の原始的な心の栄養になると、勝手に信じています。
すべて忘れて、そばに全部練り込む。
自分で体験することは、心の栄養になります。
ご自分で打ったそばは一番美味しく感じると思います。
自分の性格のそばができるので、ご自分の喉にす〜っと通っていくんですね。
なんにも摩擦がない。
これが一番打った人にとって美味しいそばなんです。

そばは若い人のも良いけれど、年配の人が打ったそばは人生が練り込まれていて、また一味違ってくるんですわ。
それがまた面白いんですね。