三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2020年1月19日放送

鳥羽市の旅館「海女乃島」が運営する「ファーム海女乃島」は、葉物野菜やエディプルフラワーと言われる食用花を水耕栽培で生産、母体である旅館の料理の食材として使用するほか、葉物野菜は「おかげ野菜」という名で 地元の産直市場を始め各所で販売!
また、就労支援A型事業所として障がい者雇用にも取り組み、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられるJGAPにも認証されています!

近鉄鳥羽駅前にある、鳥羽や志摩周辺の海産物や野菜・果物の産直市『鳥羽マルシェ』で、鮮度抜群の野菜『おかげ野菜』が販売されています。
この『おかげ野菜』は『ファーム海女乃島』によるもので、食の安全、そして環境保全に取り組む農場に与えられる『JGAP(ジェイギャップ)』の認証を得ているんです!

 

こちらが『ファーム海女乃島』の『安楽島ファーム』です。
大きなビニールハウスですね!

 

社長の西川信子さんに『おかげ野菜』についてお聞きしました。

「こちらではリーフレタスや小松菜、水菜、他にも普段あまり見ないような珍しい野菜を結構作っています。
認証を受けている『JGAP』とは、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証で、農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理手法の一つです」

 

ビニールハウスの中は『JGAP』の認証を得ているため、ハウスに入るに帽子を被り、入り口も虫が入らないよう二重になっています。

 

こちらはいわゆる『水耕栽培野菜』。
作っている野菜は40種類ほどで、このときは20種類ほどの野菜が育っていました。
高さは作業しやすいよう、腰の高さとなっています。

 

水耕栽培は種付けをしてから発芽まで、約3日間別棟の暗室へ。
その後、育苗・定植・収穫の作業をハウスで行います。
下には肥料を含んだ水が流れています。

「メリットは、私のような年寄りでも、障がいのある人たちでも、高さがあるので簡単にできるし、そんなに重い物は持たなくて良いことですね。
穫れた野菜は無農薬ですので、そのまま軽く洗って食べられるという利点もあります」

と、西川さん。

 

そうなんです。
『ファーム海女乃島』は葉物野菜やエディブルフラワー(食用花)を水耕栽培で生産・販売。
就労継続支援A型事業所として、現在7名の障がい者を雇用しています。
ファームで作られた野菜は『おかげ野菜』という名前で先ほどの鳥羽マルシェをはじめ、大手スーパーでも販売。
さらにネット販売も行っています。

第二伊勢道路の白木ICのそばにも、もうひとつ事業所があり、こちらはエディブルフラワー、食べられる花の栽培を中心に行っています。

 

作業場では収穫してきた野菜の根切りや袋詰めの作業が行われています。
みなさんが、とても丁寧に野菜を扱っているのがわかります。

 

「ここで仕事を始めてから5年になります。
袋詰したあとに確認する作業が大変です。
自分が育てた野菜をお客さんが食べてくれるのが嬉しいです」

「茶色っぽいところや枯れている部分を分ける作業をしています。
だんだんと慣れてきて、出荷場所も増えてきたのがとても嬉しいです」

と、働くみなさん。

 

『ファーム海女乃島』農場長の曽根原洋さんに、やりがいを感じる部分や今後の目標などをお聞きしました。

「素人から始まったことですから、初めはもう無我夢中でした。
どうしたらうまく育つかを考えること、そして子どもたちが成長してくれることがやりがいです。
今は、評判の良い『ハンサムグリーンレタス』のブランド化を目指しています」

 

一方、西川さんにはもう一つの顔がありました。
美しい鳥羽湾を一望できる宿『安楽島温泉 湯元 海女乃島』は、安楽島温泉の源泉を持つ宿として知られるお宿です。
実は西川さんはこの宿の女将。
ただでさえ忙しい女将の仕事の時間を調整しつつ、ファームの運営をしているのです。

「息子が水耕栽培の学校に行っており、お友だちも障がいのある子だったため、息子やその仲間たちが働ける場所として、当時鳥羽市になかった就労継続支援A型事業所としてファームを立ち上げました。
お客様を見送ってチェックアウトが終わってからハウスへ行き、みんなが終わった時点でまた、旅館の方に戻ってきます。
たくさんのお野菜、たくさんのお花があり、障がいのある子どもたちと一緒に働くことで、みんなが元気になるというのがやりがいです」

と、西川さん。

 

宿で提供されるお料理にも、もちろんファームの野菜が使われています!

 


伊勢海老とナマコと山芋の和え物には、ビオラが。
伊勢海老のプリプリ感、山芋の食感にエディブルフラワーの香りがす〜っと鼻に抜けます。

 

松阪牛A5のしゃぶしゃぶに添えられているのは、『ハンサムグリーン』と『カレンジュラ』というエディブルフラワー。
軽く鍋にくぐらせて、ゴマダレでいただくのがお勧めの食べ方。
シャキシャキ感がしっかり残っているのに柔らかく、味が濃くておいしいです!

「今後の取り組みとしては、季節によってお野菜やお花が売れなかったりすることがあります。
また夏冬それぞれに育ちにくい野菜や花があるので、また違ったお野菜とかを植えていかないといけないかなと思っています」

と、西川さん。

 

さらに咲き切ってしまった花などを活用するため、現在ビオラを使った琥珀糖を試作中。
農林水産省が推し進めている6次産業に申請し、許可が下り次第の商品化を目指すそうです。

ファームがもっと大きくなり、障がいのある人たちをさらに雇うことができるようになること、それとともに、旅館ももっと繁栄させるのが西川さんの願いです。

ファーム海女乃島の野菜を食べてみませんか?
関心のある方はHPをご覧ください!