三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2020年2月9日放送

東海道五十三次の47番目の宿場町として、現在もその風情を残している関宿。昨年12月築150年の古民家を改装した『関見世 吉右衛門』が関宿のお土産を扱うだけでなく、三重県内の様々な産品を扱う土産物店としてオープン!
『関見世 吉右衛門』を運営するのは、銘菓『関の戸』で知られる深川屋のみなさん。
「ただ歩くだけだったところ」から「三重県の西の玄関口」となるように三重県内の物産などを置くようにしています!

東海道五十三次47番目の宿場町として当時の雰囲気が残されている関宿。
この古い町並みに昨年12月、県内の物産品を集めたお店『関見世 吉右衛門』がオープンしました。
築150年の古民家を改装して作られたそうですよ。

 

こちらでは三重県各地の産品を販売。
人気はあおさラーメンや伊勢海老を使ったお菓子。
亀山市のものだけではなく、三重県全体の商品を扱っているのが特徴で、お土産物としてだけではなく、地元の人も購入されるようです。

 

『関見世 吉右衛門』をオープンしたのは関宿中町で、およそ380年続く老舗和菓子店『深川屋(ふかわや)』。
忍者の末裔ともいわれる、初代・服部伊予保重(はっとり・いよやすしげ)によって考案されたのが、和菓子『関の戸』。
その伝統の味を、14代店主がいまも守り続けます。

 

こちらが銘菓『関の戸』。
求肥と餡がたっぷり入っていますが、和三盆を使っているので口どけがとても良く、しつこくありません。
なんと『関の戸』の材料と製法は天明時代の1780年から変わっていないのだそう。

 

東海道関宿まちなみ保存会の事務局長でもある深川屋のご主人・服部亜樹さんに、関宿のちょっと変わった楽しみ方を教えていただきました。

 

「この『庵看板』と言われる看板、表と裏で表記が違うんですよ。
片方は『関の戸』とひらがなが入っていて、もう片面は『関野戸』と漢字表記になっているでしょう」

実は昔の旅人は文字を読めない人も多かったため、ひらがなが見えていれば京都に向かって歩いているとわかり、 漢字だと江戸に向かって歩いていると理解したと伝えられているんです。
現在、東海道五十三次の宿場町でこの看板が残っているのは、ここ『関の戸』だけだそうです。

 

服部さんが『関見世 吉右衛門』をオープンしたのには理由があります。

「関宿は昔から『歩くだけの街』と言われているんですよ。
お土産物屋もリクリエーションも少なくて、ただ歩いてブラブラするだけの街。
だからこそお土産物屋を作ろうと思ったのですが、この近辺のものばかり販売しても面白くないだろうと、三重県東西南北全部の地域から特産品を集めようと思って始めたのがこの店です」

 

「『伊勢志摩サミット』『お伊勢さん菓子博』などの大きなイベントで、異業種の方たちと繋がりができたことが、このお店のオープンに繋がったと言っても良いです」

と、服部さん。
ちなみに『関見世 吉右衛門』は、深川屋店主が代々襲名する『吉右衛門』から名付けられました。

 

そんな人のつながりから物産品店の開業を決意した服部さんは、関地蔵院近くにあった築150年の古民家を購入。
昨年7月から本格的な改修工事に入りました。
しかし40年以上空き家だった建物は想像以上に痛みがひどく、工事は難航。
昨年11月の『街道まつり』に合わせてのオープンを計画していましたが間に合わず、12月にオープン。
西の玄関口を代表する物産品店に生まれ変わりました。

 

実は『関見世 吉右衛門』の店長さんは深川屋さんのお嬢さんである有紀さん、そして運営会社の社長さんは奥様である理佳さんでした。

 

「店内には関宿のお土産だけでなく、三重県内の様々な産品およそ500点を取り揃えています。
さらに全国のお菓子を取り寄せているコーナーもございます」

 

例えば今販売しているのは、三重県初でこちらでしか購入できない福岡県『千鳥饅頭本舗』の『チロリアン』、そして岐阜県の『田中屋せんべい総本家』の『せんべいびー』。
月ごと、イベントごとに全国のお菓子を紹介していくそうですよ。

 

一角には関宿の案内コーナーも。

「オープンして数ヶ月たち、思ったよりもお客様が多く、商品も楽しんでいただけて、感激しています。
この店を通じて三重県を全体的に盛り上げていくとともに、亀山市関宿を深くみなさんに知っていただきたいと思っています。
また街を散策していただいて、関宿の良いところを一人でも多くの方に知ってもらうため、観光拠点として、みなさんにご案内をする役目もさせてもらうつもりです。
関宿で買うだけではなく、街をとにかく歩いていただきたいですね」

と、理佳さん。

関宿を散策して、『関見世 吉右衛門』をのぞいてみませんか。