FM三重『ウィークエンドカフェ』2020年2月22日放送

田園風景が広がるなか、白いビニールハウスが見えてきました。
桑名市にある『多度グリーンファーム』です。
今回のゲストは代表の横井真人さん。
より多くの皆さんにいちごをおいしく食べていただきたい。
いちご狩りの予約システムにも工夫をこらしています。
お客様に喜んでいただくことをいつも考えています。

れからが一番の旬。17の品種を育てている

もう2月ですね。
3月4月に向けて、どんどんいちごができてきます。
最高の時期ですね。
毎年12月中旬からスタートなんですが、今年は秋の天候不順や12月の曇天続きでちょっと芳しくなかったものの、それから巻き返して、今はいい状態になっています。
ハウス栽培になってからは12月でも取れるようになりました。
6月までしっかり取れる品種もありますので、以前は5月で終わっていたいちご狩りも、6月半ばまでできるようになっています。
いちごの品種は多く、200種類くらいあるのではないでしょうか。
いちご戦国時代に突入している感じですね。
各都道府県がこぞって、自分の県のブランド品種を作っているので、正直僕も、どれだけあるのか把握できません。
多度グリーンファームとしては、そのうち17品種のいちごを栽培しています。
品種によって早く出てくるものや終盤まで続くものなど、いろいろあります。
時期時期によって最高の品種を提供できればなと思っています。
ちなみに今は、17品種全部の品種が出ています。
いちご狩りに来ていただければ、最低2〜3種類は食べていただけるようになっていますし、運が良ければ5〜6種類の品種のハウスに当たることもあります。
当日のお楽しみですね。

 

みの味を食べ比べて見つけて欲しい

食べ比べてもらうと、いちごの味の違いにお客さんが驚き、見ているこちらも楽しくなります。
個人的には『おいCベリー』とか『レッドパール』とか『よつぼし』という、ちょっと酸味が効いた品種が好きですね。
ちびっこには『章姫』とか『べにほっぺ』が大人気ですね。
いつもお客さんから人気の品種などを聞かれますが、やっぱり説明できないので「食べ比べて感じてください」と言っています。
大きさばかりじゃなくて、小粒のほうが美味しい品種もあります。
ある程度こちらで摘花して、全部の花を実にすることはないので、そのため大粒になるとなっている部分もありますね。
いちごの味はサイズではないので、ケーキ屋さんたちからはこんなに大きい必要ないので小粒なのを分けてほしいとの要望もあります。
しかしいちご狩りでちびっこは、大きいサイズから食べますので、それぞれですね。
下にぶら下がっているため、糖度が下に溜まるということもありますが、いちごのビタミンCはヘタの下に集っていますので、お客さんにはヘタを取って最初にビタミンCの部分を食べ、最後に先っぽの糖度が強いところを食べることをオススメしています。

 

棟のハウスからスタートした17年前、今は27棟

いちご狩りは今年で17年目。
毎年ハウスの数を増やし、最初は2棟でしたが現在は27棟になりました。状況が続きました。
大資本ではないので一気にというわけにはいきませんが、毎年1ハウス増やして2ハウス増やして・・・で、ここまで来ました。
それでもいつも予約が一杯で、すべてのお客様に入ってもらえないというのが残念ですね。
いちご狩りとしてお客さんに楽しんでもらえるのは6月までですが、シーズンが終わったらすぐに次のシーズンに向けての作業が始まっていて、夏の暑い時期にハウス内の清掃や菌を殺す作業をすると同時に、2021年シーズンのいちごの苗作りが始まっているんです。
お客さんと会える期間は半年ですが、いちごの作業は一年通してありますので、裏の時期もあるんです。
今は2020年シーズンを進めながら、同時に2021年シーズンの準備がスタートしている状態です。
一息つく時間がないというか、終わりがなく延々に続く仕事ですね。
お土産もそうですし、隣のカフェでは採れたてのいちごを使ったパフェやパンケーキ、今はやりのフルーツサンドなども提供しています。
『いちご狩り』というイベントは1年に1回か2回かもしれませんが、いちごを好きな方は頻繁にいちごを食べたいということで、いちごのスイーツやカフェを目指して月に何度も通ってくれる人もいます。
みなさんいちごが大好きなんだな、と感じます。

 

るしかないと思い、お父さんが始めた事業を一緒に頑張っている

この道に入るつもりはまったくなく、若い頃はサッカーをしていてブラジルに住んでいました。
引退して帰国してきたタイミングで、父がこの土地を借りて事業を始めることになり、最初の1年目2年目は片手まで手伝っていた横目で見ていました。
しかし、この規模で、この先どうするんだということになってきて、運命というか、長男ですし、これはやらなきゃならないなということで、一旦サッカーを封印して、この道に携わったという感じですね。
もちろん最初は、いちごの知識はゼロ。
農業という分野は本当にやりたかったことではなかったので、その中でどうやって好きになっていくか、今までにないような農業ができないかなと思い、お客さんに楽しんでいただく『観光農園』をしていこうと。
いちご狩りも、よそがやっていないシステムをどんどん導入して、みんなに多度グリーンファームのファンになってもらおうと思いました。
今、いちご狩りもありますし、いちごを使った農園カフェ、直売所、そして秋には芋掘り、みかん狩り・・・今ブームとなっているバーベキュー場も展開しています。
多度グリーンファームに来たら、一日遊べて楽しめる施設になりつつあるので、多くの方に来てほしいですね。
いちごはちびっこからお年寄りまでみなさん大好きですね。
家族連れで来て、ママさんがバーベキューをしている間にちびっこたちはいちご狩りというパターンもありますね。
まだまだ小さな施設ですが、桑名の観光スポットになれればいいなと思います。
地元の方はもちろん、県外からも多くの人が桑名に来るきっかけになってほしいです。

最初はイヤイヤはじめた仕事ですが、今はもうこの道でしっかりやっていくつもりです。
妄想するの大好きなので(笑)、来年再来年、5年後10年後こうなっていきたいというビジョンはたくさんありますし、それを一つずつクリアして、今よりもっともっと魅力ある観光農園にしていきたいと思います。