「ふれあい」Vol.35 2012年5月号

大規模水害に遭っても、その灯火を消さずに復活。
助けてくれた地元の人々に報い、お役にもたちたいと、産直販売所「ふれあい元気市」を開催。
その元気と活力の源に触れてみました。

『きのこパーク海山』代表 松村光芳さん

■大規模水害にも負けず無農薬椎茸栽培を続ける

紀北町海山区で父の代から椎茸栽培を行っています。
現在は椎茸だけでなく、ヒラタケ、なめこ、キクラゲなど様々なきのこを栽培しています。
椎茸は、農薬や消毒剤を振りかけてしまうととたんにダメになる繊細な生き物です。
そのため、極力雑菌のつかない綺麗な場所で育てるよう気を遣っており、ここでは地下水をくみ上げて栽培に役立てています。

平成16年の秋、このあたりは大規模な水害に見舞われました。
私の自宅も仕事場も全て浸水し、機械も何もかもが台無しになってしまいました。
しかし、今から思うと不思議なものですが、「辞めよう」という選択肢はなく、ひたすら「元に戻さなくては」と必死になりましたよ。
また、建物から泥やごみを掻き出すのが大変でしたね。
電気が通って白い御飯を久しぶりに食べられた時の嬉しさは忘れられません。
地元を始め、様々な人の助けを得て、3年かかって何とか元通りになりました。
この経験から、本当の人の温かみを感じることが出来ましたね。

■地元の皆さんに喜ばれる、週に2日の産直朝市を開催

今年の1月からは、海山区相賀で産直販売所「ふれあい元気市」を毎週火曜と金曜に開催しています。
もともと兄が電気店を営んでいたのですが、昨年急逝し、空き店舗になっていました。
シャッターが閉まったままなのはいかにも寂しく、また、『みなぐち養鶏』さんと「利益は二の次で地域の皆さんに地元でとれた安心なものを食べていただき、地産地消の良さを知っていただくため、いつかは産直所をしたいね」と話していたこともあり、この店舗で行うことにしました。
お陰様で多くのお客さまに来ていただき、「週にもう1日開けて欲しい」というご意見もいただけるようになりました。
これからも、地元の皆さんに喜んでもらえる店舗づくりを続けていきたいですね。





「ふれあい元気市」共同運営者『みなぐち養鶏』代表 源口次廣さん

■地域の皆さんのお役に立ちみんなが集えるお店にしたい
うちの卵と「きのこパーク海山」さんのキノコをセット販売したりと、松村さんとはもともとご縁がありました。
遠くまで買い物に出かけられない皆さんのお役に立てるよう、少しでも地域の人のそばでお店をやりたいという思いが強かったので、この場所はとても良かったです。
地域の人々が集まり、ふれあえる場所にしていけるよう「ふれあい元気市」という名をつけました。

現在は、きのこパークさんのキノコ、うちの卵、紀北町内の方が作った野菜などを販売しています。
私たちの活動に賛同いただき、少量でもこだわって作っている人の商品を置いています。
また、美味しくて少し珍しい、スーパーと競合しない商品をお値打ちに販売しています。
買い物だけ済ませてすぐ帰るのではなく、地域の皆さんが集まって和気あいあいと会えるような場所にしていきたいですね。





「ふれあい元気市」スタッフ
左から、松村さん、大久さん、小池さん、城さん

■顔なじみのお客さんとのおしゃべりもお店の魅力(松村 穂美香さん)

この場所で電気店の前にブティックをしていたこともあって、今でも当時のお客さまが多く訪れてくれます。
そのため、会計をしながらも「最近、元気?」といった会話も多く、地域の皆さんとのふれあいの場となり、この店の存在が、町の活性化に繋がっていけると嬉しいですね。

■「美味しかった」の声と皆さんとの会話が楽しい(城 つゆ子さん)

オープン時より店番をやっています。一度訪れると、次回以降も来てくれる方が多く、「美味しかったよ」と買い物してもらえるのが嬉しいですね。

■レシピやお薦め商品など情報交換するのが楽しみ(大久保 則子さん)

毎回ではありませんが店番をしています。
美味しい食べ方やお薦め商品などを紹介しています。「ここへ来るのが楽しみになった」という話をしてもらったのが印象深いです。
知り合いも増え、私もここに来るのが楽しみです。


「お客さまの声」
中野さん(海山区在住)

新鮮で、安心な地元のものが安く手に入るので、地産地消を進めるためにも、買い物にはよく行きます。
ご近所の方ともよくここでお会いしますよ。


◉お問い合わせ先/松村 ☎0597-32-0505