FM三重『ウィークエンドカフェ』2020年4月18日放送

今回のお客様は『こども四日市プロジェクト』プロジェクトリーダーの小林渚さんです。
こどもがつくるこどものまちをコンセプトに「こども四日市」は毎年秋、諏訪公園でイベントが行われています。
特別編やおとまりこども四日市もあり、年間様々なことが企画されています。

どものアイディアで作られているイベント

『こども四日市』は2004年から開催しています。
最初は子どもの絵本専門店『メリーゴーランド』の増田さんが中心となったメンバーで活動していました。
僕はそこの社員だったんですが、2010年に「次はお前がリーダーだ」と託されたので、それ以来僕がリーダーとして、今に至っています。
実際僕が担当するようになって、とても多岐にわたっている活動だとわかりました。
『こどもがつくるこどものまち』というイベントで、『ヨー』という専用通貨を稼ぎ、稼いだヨーで買い物をしたり、遊ぶというものです。
『ヨー』は四日市の名前からとりました。
どうやってヨーを稼ぐのかというと2つパターンがあります。
1つは、毎年40種類くらいあるお仕事の中から選んで仕事をすること。
銀行や学校、飲食関係とかいろいろあって、そこで働くと時給がもらえます。
もう1つは自分でお店を拓いて商売をしてヨーを稼ぐ。
そこには子どものアイディアが入っていて、「こういう仕事を作りたい」というのも子どもが考えるし、商売をやる子はどうやったら儲かるかと工夫します。
看板一つとっても値段の付け方にしても、子どものアイディアが全部入って作られるイベントです。

 

ールド市民会議は子どもたちの会議

最初は大人の有志のメンバーが子どもの意見を吸い上げながら準備していました。
僕もそれを見ていたから、僕も盛り上げなければといろいろ仕掛けを考えたり…つまり僕が仕掛けるほうを一生懸命やっちゃっていたんですね。
でも、あるときに気づいたんです。
『こどもがつくるこどものまち』だということを忘れかけていたことに。
2年目くらいでしたね。
そこで考えたのが『ゴールド市民会議』。
子どもが運営に関わるシステムを作ったんですね。
月に1度、子どもたちが日曜日の夕方に集まって、こども四日市どうしよう、新しいお仕事は何を作ろうと考えたり、実験したり、システム上のことを考えたりします。
名札をどうするとか。
2019年に盛り上がったのは、税金をどうしようということでした。
あと、市長選を作ったりとか。
そういうのを考える会議を作りました。
最初は僕が一生懸命、旗を振らないとと思っていましたが、途中で『ゴールド市民会議』を作ったことで、子どもが中心に回していくようなシステムを作ることができました。
小学生が対象のイベントなので、中学生になってもかかわりたいと思ってくれる子が『ゴールド市民』になってくれて、その子らが面白いアイディアをどんどん形にしていくので、そりゃもう、キッザニアにはない魅力ですよね。
大人にやらされているのではなく、自分たちの『やりたい』でできているイベントですね。

 

どもが思いついた職業がイベントに登場する

大人が思いつかないようなアイディアが出てくるので面白いですね。
お仕事のアイディアで面白かったのが、『時報屋』をしたいという子が現れました。
何かというと、会場の諏訪公園に時計台があるのですが、角度によっては見にくい場所があるんですね。
お仕事は時給単位なので、時刻が見えないと困るということに気づいたんでしょうね。
その時報をアナウンスする仕事をしたいと。
『ゴールド市民会議』で提案をして、みんなから拍手をもらって、承認されました。
他にも巨大迷路やスイーツ餃子とか、数えたらきりがないくらい、いろいろな仕事があります。
それぞれ子どもが思いついて、実験して工夫をして、そして形にしています。
大人に言われてやらされていると出てこないアイディアが出てきますね。
それに、大人が思うより子どもは案外たくましくて、自分の考えを実現する力があると思います。
自分で考えたものが形になって、楽しかった…という経験は、いわゆる成功体験です。
大人になってから生きてくることだと思うので、子どもたちが大人になったときに街を盛り上げる力になるのではないでしょうか。

 

鉄百貨店とのコラボを実施、いずれは四日市だけでなく三重全体へ

『親方』と呼ばれる大人のサポートする人たちはできるだけ、手と口は出しません。
ゴールド市民の子どもたちは、リーダーとしての力も試されます。
1つ1つの経験が大きくさせてくれます。
経験が積み重なったから可能になったことがたくさんあります。
みんなの実力が高まってきたから、いろいろな選択肢が増えたのだと思います。
その流れの中で今回は、近鉄百貨店さんから声をかけてもらって。
近鉄百貨店の中で『こども四日市』を去年の6月に開催しました。
なかなかの挑戦でしたが、とてもおもしろかったですね。
限られたスペースで、安全面もあるし、どうやってやるんだろうと。
ゴールド市民の子たちと一生懸命、下見をして、重要な方たちと名刺交換もして、会議して、一個一個作っていきました。
近鉄のお仕事体験も入れました。
楽しかったですね。
ゴールド市民の子のお母さんが、近鉄百貨店でイベント関係の仕事をしている方で、こども四日市を見に来たことがあり、何かできないかと考えた…というつながりがありました。
これから社会とつながっていくイベントになってきたので、これからが楽しみです。
今後10年くらいで、どういうことをやっていきたいかを、みんなと話しています。
夢物語ですが、四日市ドームを借りきって一週間やりたいとか。
一週間泊まるとか。
あと、四日市だけでいいのかなという意見もあって。
こども四日市には、桑名や鈴鹿、亀山など近隣の町から、愛知県からも参加してくれています。
これを広げていこうよという意見があり、僕の次の代になっていくのかもしれませんが、いずれは『こども三重』などに広がっていくと面白いですね。

歴代の子どもたちがつないで盛り上げてきたイベントです。
今の合言葉は『100年もやっている、こども四日市』。
みんなで言っています。
つないでいきたいですね。