三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート!」2009年7月26日放送

『きほく里山体験 笑学校』で、笑って体験して楽しんで!
楽しいから集まり、集まってくるからまた楽しいことがはじまる・・・自然に、そしていつの間にかゲンキに!

紀北町海山区・・・海だけではなく山も深いこの地区に、小さく存在する山里の集落『下河内』。
現在、4世帯5名が、助け合って暮らしています。

かつて下河内は、海と山を結ぶ街道の要所でした。
海産物や農産物を宮川の大杉谷に運び、その代わりに大杉谷の林産物(木炭など)を紀伊長島へ。
その林産物を名倉港から全国各地に送っていたのです。
しかし昭和30年代頃から、陸上輸送の発達に伴い過疎化の波が押し寄せていました。

一方、下河内には冷泉があり、湯治場としても栄えていたのですが、平成16年の大水害で埋没。
以来、冷泉も湯治客の声も途絶えたままに。

産業も観光も衰退した地域・・・。

しかし、そんな状況を逆に利用し、下河内に暮らす人たちが立ち上げたのが『下河内の里山を守る会』。

自然を体験する『きほく里山笑学校』を開校、過疎のため空き家や休耕田を使った体験プログラムで、下河内の自然と歴史、文化を学んでもらおうと活動を始めました。
現在では約60名が、この活動に参加。
海山や紀伊長島、津や久居からのメンバーもいるそうです。

先生は『笑学校』のみなさん。
マコモの収穫や押し花体験、餅つき体験など、地域の文化に触れる体験活動を行っています。

もちろん漬物体験などの調理体験に使う野菜は、地元下河内で採れた有機野菜!
簡単な浅漬けから、地域に伝わる『スタミナ漬け』まで。
秘伝の味付けを教えてもらえます。

活動の拠点は、かつて下河内が栄えた時代の名残を残す旅館、旧『旭屋』。
もう一度あの賑わいを取り戻したい・・・。
築120年の宿は、みんなの力で地域活性化のシンボルとして生まれ変わりました。

そして、ここ下河内は、なんと言っても『そば打ち』。
メンバーが集まると、自然にそば打ちがはじまります。
集まってそば打ちの練習をするうちに、お昼はみんなでそば打ち・・・というのが、いつの間にか定着。

ずるずると縁側でそばをすするのも、なかなか貴重な経験。
今では、このお昼のそばを楽しみに集まるメンバーもいるとか。
下河内の自然が織り込まれた、まさに地産地消の味です。

みんなが集まって楽しむことが、下河内の『きほく里山笑学校』の原動力。
そんな「楽しむ力」に惹かれた人たちが、方々から訪れてきます。
なんと名古屋から移住してきた方も!

肩の力を抜いた、ゆったりとした、いなか暮らし。
そんな体験をできるここは、実は貴重な場所なのでは?

ゆるゆるとした時間の流れを感じ。
有機野菜で身体が、自然体験で心が不思議とほぐれて。
気がつくと、心身ともにゲンキになっていますよ!