第13回「スペシャルレポート」2012年6月

答志島はかけがえのない海とともに生きる島。
答志島・奈佐の浜に、伊勢湾に豊かな海を取り戻そう!

伊勢湾の年間漂着ゴミは約1万トン、そのうちの半分が鳥羽市に漂着します。なかでも、伊勢湾の入り口に位置するのり漁で有名な美しい答志島の奈佐の浜に「数千トンのゴミ」が漂着ゴミが押し寄せ、漁業​に大きな被害をもたらしています。
平成24年6月9日(土)東海地域の環境団体により、伊勢湾の漂着ゴミや流域の保全を考えるために、奈佐の浜海岸清掃・漂着ゴミ勉強会が開催されました。

鳥羽市佐田浜定期船乗り場です。
今日の集まりには愛知、岐阜、三重からNPOや個人参加の方、大学生や行政の方が大集合!!
昨日の雨や強風にもかかわらず、熱気にあふれています。

鳥羽港から定期船で答志島桃取港まで向かいます。10数分の船旅!
・・・実は、この日は前日からの雨で波が高く、船が大揺れ。でも、不思議と答志島に近付くと穏やかになりました。
歓迎されているのかも。

この答志島の清掃活動を提案した「四日市ウミガメ保存会」森一知さん。
「山も川も海も一緒にきれいにしなければ、漂着ゴミはなくならない。本気で伊勢湾のゴミをなくしたい」
答志島奈佐の浜の漂着ごみを100年後にゼロにしようと、22世紀 奈佐の浜プロジェクト委員会を結成。。各県50団体、3県で150団体の加入を目標に、3県一市の行政組織との合同会議開催を呼びかけています。
   

答志島の漁船と看板。渋いです。

答志島桃取港から山道を歩いて40分。奈佐の浜に到着。
山と海に囲まれた自然あふれる美しい環境です。

さっそく海岸清掃。ゴミ袋や手袋、パワーショベル。流木入れる1トンバック、それをあげるクレーンも用意してもらいました。
ゴミの処理まで鳥羽市が完全バックアップ!! 市民、NPO、行政とすばらしい協力体制です。

海岸に打ち寄せられた流木や漂着ごみなどを拾いました。

つもりつもったゴミが膝ぐらいの高さになっています!!
その中でも発泡スチロールゴミがとても多い!!巨大な塊から、ビーズぐらい小さいのもまでありました。
・・・化学物質は自然には帰らないのです。

プラスチックやペットボトル約一千三百六十キロが集まりました。
これでも、この時期はまだ漂着ゴミは少ないそう!!

一番多いのは秋。いったいどのくらいあるのか、全く想像がつきません。

・・・こんなに美しい海なのに。

1時間ほどの海岸清掃をした後は地元の桃取コミュニティセンターをお借りして、お昼。そして、交流会です。
スゴイ人数です。部屋に入り切れず、廊下にも人があふれています。

地元のお弁当。サザエやエビ、お魚の煮つけと海の幸いっぱい。美味しくて幸せ。なんと、エビ入りのお味噌汁を地元のお母さんたちが作ってくれました。めちゃめちゃ出汁がでていて美味しい!! 本当にありがとうございます。

委員長の鳥羽磯部漁協桃取町支所の小浦嘉門さんが、流木や漂着ごみが漁師や漁場に与える影響や台風が襲来する前にオイルフェンスなどを張って対策する現状を報告してくれました。

昔から漂着ゴミはあったそう。だけど、突然、港を埋め尽くすぐらい大量に。
答志島の水揚げの半分が「のり」。のり網に流木が付くとのりがダメになるそう。・・・なので、漂着ゴミは死活問題!
島の皆さんや漁業関係者はなんとかのり網を守りたいとゴミを集めるけど、次から次へ大量のゴミがやってくる。

ゴミからのりを守るだけでも大変なのに、島の人たちは漂着したゴミが再び漂着ゴミとなって他の地域に害を及ぼさないようにしています。しかし、島の人たちの力だけで、これを解決するにはすでに限界を超えています。

「子どもたちにきれいな海を残したい。いつまでも続くように協力をお願いします」

「まだ、始まったばかりです。このプロジェクトが永く続き、100年後には奈佐の浜のゴミがゼロになるよう、奈佐の浜に、伊勢湾に豊かな海を取り戻せるよう、伊勢湾流域に暮らすみんなで協力し、取り組んでいきましょう。
今後もよろしくお願いいたします。 本当にありがとうございました。答志島の皆さん、鳥羽市をはじめとする行政機関のご協力にも感謝、感謝です」

帰りの海は穏やか。
まるで、ありがとうと言われているみたい。

9月8日(土)に愛知・岐阜・三重の各県からバス2台100名、3県合計300名を募集して、答志島奈佐の浜大掃除を開催します。
親子参加も呼びかけます。ぜひ、ご参加ください。

☆ユーチューブ
http://youtu.be/2he4HjlhEJA