三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2020年7月12日放送

伊勢市の就労継続支援B型事業所『あらいぐま』の利用者と職員が、伊勢市で親しまれている『山村牛乳』のパッケージを再利用した手作りポーチの製作に取り組み!
かたい牛乳パックを柔らかくする技法には、かつて伊勢土産として人気を集めた『擬革紙』の技法をヒントにして応用。
ペンケースやカバンなど新しい商品開発にも力を注いでいます!

今回は、伊勢を代表する牛乳屋さん『山村乳業』の牛乳パックを使ったポーチを作っているみなさんを紹介します。
牛乳パックでポーチ…不思議な商品ですね。
どこで作っているのでしょう。

 

こちらがポーチを作っている施設です。
かなり広いですね。
あれ、メダカを飼育しているようです。
うまく育ったら販売することも考えているそうです。

 

こちらの部屋では野菜の水耕栽培。
ほうれん草やハーブを育てています。

 

こちらの部屋では、職員さんがマスク作り。
完全手作業です。

 

いろいろと作っているこちらは『就労継続支援B型事業所あらいぐま』。
障がい者の就労継続支援の為の施設で、現在7名の通所者が職員と共に水耕栽培やマスク、破魔矢の製造等の作業に取り組んでいます。
代表の西井一浩さんにお話をうかがいました。

「こちらでは水耕栽培の野菜、マスク、牛乳パックを使ったポーチやバッグの製造、そして破魔矢を作っています」

 

「伊勢らしいものを作ろうと破魔矢を作っています。
伊勢の中で破魔矢が作ることができるというのは、利用者の方にとっても喜びかなと思いまして…」

 

牛乳パックを使ったポーチづくりは2019年から開始し、現在はバッグやペンケース、キーケースなど、数種類を製造しています。
山村牛乳の紙パックはバージンパルプを使用しているため、耐久性と強度にも優れているのが特徴。

「牛乳パックポーチを作り始めたきっかけは、リサイクルで社会貢献できないかと考えていたとき、沖縄県の福祉施設でリサイクルのバッグを作っていると知り、それを参考にしました」

 

「紙のように柔らかくなっているのは、伊勢の『擬革紙(ぎかくし)』という、表面に皺や凸凹、色を付けて革のような風合いに加工した和紙を作っている『参宮ブランド擬革紙の会』の技法を教えてもらい、参考にしました」

と、西井さん。

作る人の揉み方でシワの付き方が変わり、1個1個のオリジナリティが出るのも特徴です。

参宮ブランド擬革紙の会

 

牛乳パックを揉むのは一苦労。
柔らかく揉まないとミシンで縫えないので、通所者の浜口将吾さんが一生懸命揉みこんで柔らかくしています。
最初は大変だったそうですが、今は10分ほどで1枚揉み込むことができるそうです。

 

揉み込んだものを職員さんがミシンで縫います。
商品になる方に針目を落とすと不良になってしまうので、気を使うそうです。
ロゴの位置によって雰囲気が変わったり、500㎖と1ℓのパックではロゴの大きさが異なるので出来上がりの見た目も変わるとのこと。

 

「作っている時は硬い、硬いと言いますが、出来上がると見せに来てくれます。
沢山みんなに買ってもらって、みなさんに使ってもらうことが今の目標です」

と、管理者の天白千草さん。

 

山村乳業に紙パックを回収に行くのは、事業所の職員さんと通所者の浜口さん。
回収するのは、ヨーグルトやプリンに加工するために使用された牛乳パック。 無償で提供を受けています。

 

「日常に扱っている牛乳の紙パックがあんな気の利いたポーチや袋になるとは、とても魅力があると思いました。
本当に一生懸命作ってらっしゃるので、どんなふうに使われるのか非常に楽しみです。
山村乳業が障がい者さんと日本中の方々と繋がることができるので、応援していきたいと思います!」

と、山村乳業の社長、山村豊裕さん。

 

「お客さんが買いに来てくる姿を見ると、自分たちがしていることが役に立っていると思うことができます。
地元の方にも観光に来た人にも新しいお土産…伊勢のブランドだと知ってもらい、使ってもらいたいですね。

障害のある方のワンストップサービス・・・小さい頃から成長していく過程で仕事を覚えて、そして最終的には一般就労まで繋げられるような仕組みづくりしていきたいです。
自分の力でお給料をもらっていくという仕組みを実現できたらと思います」

と、代表の西井さん。

牛乳パックポーチは事業所、インターネットショップ『わくわくショップ』、山村乳業直売店『山村みるくがっこう』(0596-28-4563)でも購入可能です!
ぜひどうぞ!