『ミエてくる』2020年10月30日

令和2年9月11日 伊勢神宮 外宮末社 伊我理(いがり)神社が修繕の後、還座されました

伊勢神宮には、『式年遷宮』という大祭があります。

『式年(しきねん)』とは、「決まった年」という意味合いがあり、『式年遷宮』は20年に1度、古例のままにご社殿やご神宝などをはじめ、全てを新しくして大御神に新しいお宮へお遷りいただく神宮最大のお祭りで、今から約1300年前より行われています。

今回の第62回式年遷宮は平成25年(2013年)に行われ、10月2日に内宮、10月5日に外宮の遷御がされました。
続いて、その後1年ほどかけて14宮社の別宮が遷宮され、今は別宮の遷宮に続き約10年かけて109宮社の摂社・末社・所管社の遷座、還座が行われているところです。

今年の9月11日には伊勢神宮 外宮の宮域にある『伊我理神社』が修繕され還座されました!

 

新しい檜の香りが漂い、周辺はとても良い香りでいっぱいです。

神宮の摂社・末社・所管社は、20年ごとに『修繕(しゅうぜん)』と『造替(ぞうたい)』を交互にしています。
『修繕』 → 新しい御殿になってから、20年目に朽ちた部分を直すこと
『造替』 → 修繕からさらに20年後に新しい御殿を造ること

という意味なので、修繕後に神さまが元のお宮に戻られるので『還座(かんざ)』と言い、造替後は新しいお宮に神さまがお遷りされるので『遷座(せんざ)』と言います。

 

雨上がりだったので、太陽がキラキラ光っていました。

伊勢神宮の式年遷宮で建て替えをした際の、古い古材はリサイクルをされて日本全国の神社で使われています。
今回は、伊勢神宮古材の下附を受けられた2社をご紹介します!

まずは奈良県桜井市にある『等彌(とみ)神社』です。
等彌神社  所在地:奈良県桜井市大字桜井1176
      ご祭神:大日孁貴神(天照大神)など

こちらには、第62回式年遷宮古材、内宮の中重鳥居が撤下されました。

 

鳥居の右横には…

 

ちゃんと、どこからの鳥居かが書かれている札がありました!

 

平成27年にはこの鳥居の建立式も行われたそうです。

等彌神社は第60回式年遷宮外宮古材も撤下されておられ、その古材は儀式殿の一部に使われているようです。

 

等彌神社は、神武天皇ゆかりの場所で、5月6月は苔が美しく、秋になると紅葉がとてもキレイな神社です。今は木々の緑がとってもキレイでした!

そして2社目は三重郡朝日町にある『小向(おぶけ)神社』です。
小向神社 所在地:三重県三重郡朝日町大字小向1573-3
     ご祭神:大日孁貴尊(天照大神)、波迩夜須毘売神,五男三女神,建速須佐之男命,橘守部

こちらには旧 風日祈宮橋にある鳥居が撤下されています。
正面より入って2つ目にある鳥居が旧 風日祈宮橋の鳥居です。

 

こちらも右側に、どこからのものかが書かれていました!

 

奥には大きく立派な拝殿があり、その昔、水害で壊れた際に伊勢神宮の古材を一部使って建て替えたそうです。

 

上記の2つの神社以外にも、たくさんの神社で伊勢神宮の古材が使われています。
伊勢神宮とのご縁を探しに、いろいろな神社に行って散策してみるもの面白いかもしれませんね!

今年は11月に度会郡度会町にある『久具都比売(くぐつひめ)神社』が修繕の後に還座予定です。

 

左側が修繕をする社殿で、右側が修繕中の神さまの仮の住まいにあたる仮殿です。
左側を修繕している間は、神さまに仮殿で完成を待っていただきます。

 

今は白いテントのようなものがかけられているので、中を見ることはできませんが、修繕が終わり、檜の素木造りが美しい社殿を見るのが楽しみです!

みなさんも、もしよかったら見に行ってみてくださいね!