FM三重『ウィークエンドカフェ』2020年11月7日放送

今回は度会町にある金物加工専門店『有限会社大河内』の山本真太朗さんがお客様です。
山本さんはネジで作ったロボット、『変形合体ネジー』の生みの親。
ネジーの開発ももちろんですが、アイディアあふれる商品を作っています。

代目でステンレス加工の商品を作ることが本業

ネジ屋さんとして来られる方もいますが、ウチの会社は昔ながらのステンレスの加工を中心にしています。
主に建築金物のオーダーや、食品関係の備品…タンクやパッドなどを製作しています。
僕は三代目なんですが、初代がお風呂やシンクなどを横浜の方で修行をしてきて、ステンレスのキッチンやお風呂を作っています。
2代目は建設金物を中心にしています。
僕の代になって、食品関係の業務用の桶や一斗缶を反転させるための省力機械だったりとか。
そういうふうなものを自分で考えて製造している会社となっています。
ですがやっぱり、お客さんからの「こういうものがほしい」「ああいうものがほしい」という要望をお客さんの「好き」を形にしていくような感じです。
だから、僕がアイディアマンなのではなく、お客さんのアイディアを僕が形にしている感じですかね。

 

物大のステンレスの松の木を制作中

僕が就職した当時、19年ほど前でしたが、父がステンレスの小さな盆栽みたいのを作っていまして。
これが大層けっこう素晴らしい出来で、株式会社アマダさんというところの『第25回優秀板金技能フェア』で金賞をいただきました。
その松が、子どもたちにどう「凄いな」と思ってもらえるかなということで、今、父が指揮を取り、原寸大の松の木、高さ3m、横幅5mくらいの大きなオブジェを工場内で作成しています。
一つ一つ手で捻って、葉先にしていきます。
本数だけで10万本以上針金を手で捻って葉にしているので、けっこう手間がかかっています。
緻密に作らないと再現不可能なものになるので、ウチの親父は根っからの職人で、人に真似されるようなものを作りたくないと。
けっこうしんどい作業なんですが、縁起物の松を作ることによって、これからの商売繁盛につながるオブジェになると思いますし、みなさんに見てもらっても、日本の三大の松が、ステンレスで作られたものが度会町にあるということで、見に来てもらったりすると、とても嬉しいですね。

 

えることの楽しさと頼ってもらえることのうれしさ

南伊勢高校度会校舎の生徒たちから僕に、依頼が来ました。
内容は、文化祭の出し物である、メリーゴーランド作りのお手伝い。
簡単な単管を組んだものですが、高校生で作るにあたっては難しいかもしれません。
人力で回してギッタンバッタンするような、シーソーの回るバージョンみたいなものです。
高校の先生が僕を頼ってきてくれたので、真ん中の中心軸になる回転する部分などの構造のあたりを他の物件を見ながら、自分なりに作図をして、「これだったら持つんじゃない?」というふうな格好で、先生や子どもたちと打ち合わせをさせてもらって、今現在やらせてもらっています。
クラスで何か出し物を…ということだったらしく、隣のクラスはジェットコースターをやるのかな?
最初は一緒にやることになっていたそうですが、やはりクラスで独自の出し物をしたいと、メリーゴーランドを作ることになりました。
先生もなかなか真ん中の構造がわからなかったらしく、それで僕を頼ってきてくれんたんですね。
先日、高校に行ったところ何人かがいて、機械でビスを止めたりしていました。
高校生ではやったことがない子が多いですが、一回教えるとけっこう飲み込みの早い子もいたり。
高校生は教えたらできますね。
一緒にやれるというのは自分が教えることで相手も楽しんでやってくれるので、とても良いことだと思います。

 

ンダム世代にとってロボットは夢の乗り物

僕もそうなんですが、ガンダム世代ど真ん中の方。
ものすごく興味津々で、合体ロボ大好きだというお父さんがいます。
やっぱりロボットというのは昔から男のロマンというか、それに乗りたいと、僕は今でも思います。
ロボット自体がこれからどんどんもっともっと、小さな子どもたちが興味を持ってくれるといいかなと思います。
『変形合体ネジー』は、最初は5種類でしたが、今では20種類近くになりました。
頭を取ったら蝶ネジなんですが、蝶ネジは蝶々のような羽が生えているネジなんですね。
その羽根の部分が角に見えたりします。
特に女性は1号が好みのようで、端午の節句の兜みたいだからと買ってもらうことがあります。
2号は顔があったりと可愛いロボットになります。
ネジだけだと真っ直ぐにしか繋がりませんが、溶接することで多方向に広がります。
どんどん組み合わせることができて、ブロックのような間隔で遊ぶことができるおもちゃになっています。
自分の最終的に作りたいものを作ってもらうと。
ホームセンターで色々な穴の空いたタイヤの部品みたいな感じのものも販売しているので、そういうのを組み合わせることで、車ができたりバイクができたり。
いろいろな感じでこれからキットにしていきたいなと思っています。

ステンレス自体は無機質なものなんですが、温かみを持たせたりして、これからもどんどん新しいものを開発していきたいと思います。