名張市の紅葉の名所として名高い赤目四十八滝にて、現在ライトアップイベント「幽玄の竹灯」が行われています。
これは、竹筒で作る竹灯を赤目渓谷内に配し、暖かみのあるその灯りと渓谷の自然を一緒に楽しんでもらおうというもの。
ライトアップは毎日 16 時 30 分~20 時までの時間に行われているので、私は16:00前には到着できるよう出発したのですが、駐車場の手前で渋滞につかまってしまい、最後の2kmに1時間もかかってし まうという事態が発生。特に今の時期は紅葉とライトアップが一緒に楽しめるとあって、観客も多い ようです。訪れる際は時間に余裕をもって行動してください。

渋滞を乗り越え、何とか駐車場に車を停めたら、徒歩で渓谷へ向かいます。

延長営業しているお土産屋さんや、フードトラックの出店なども見られ、付近はいつもよりにぎやかな雰囲気、ウキウキと足取りも軽く渓谷を目指します。

ライトアップを見るには、入場料として大人600円、子供300円を支払います(入山料を含む)。
もし16:30より早く入場する場合は、差額の大人100円、子供50円を支払ってください。
入場してまず最初に通過するのが「日本サンショウウオセンター」。

ここは、赤目渓谷で生まれたものを含む、様々なサンショウウオ9種類50匹余りを飼育・展示しています。

オオサンショウウオは特別天然記念物にも指定される珍しい生き物。それとガラス一枚で対峙できるのは、なかなか貴重な体験です。
日本サンショウウオセンターを通り抜けたら、いよいよ赤目渓谷へ。
渓谷のため日が落ちて暗くなるのが早いのですが、遊歩道がしっかり整備されているので不安なく歩けます。

竹を組み合わせて作られたボール状の竹灯のトンネルが出迎えてくれます。
しばらく歩くとライトアップされた行者滝があらわれ、その先には異世界のような幻想的な霊蛇滝、そしておよそ 1,000 本もの竹灯が灯された場所にたどり着きます。

さらに階段を昇ったさきにある橋からは、落差15mもある名瀑、不動滝の姿が。

どの滝もライトアップされ、日中に見たときよりも異世界的な雰囲気がより強く感じられます。
ライトアップはこの不動滝までとなっており、日本サンショウウオセンターから歩いて10分もかからないので、体力的にも疲れることはありません。

橋から下を見ると、竹灯が配された渓谷の様子がよく分かります。
ここからは印象的な竹灯をいくつかご紹介しましょう。
霊蛇滝広場の入り口から向かって右奥にある竹灯は、渓谷の斜面を利用した奥行きのあるレイアウトになっています。
ここを見た人の多くが「『もののけ姫』のこだまが出てきそう…」と話すほどの、物語を感じさせる不思議な美しさ。

さらに、渓谷の石の上に大小さまざまな竹灯が設置されていて、静かな川の流れが幻想的な雰囲気に。

遊歩道には大小さまざまな竹灯が建てられ、この前で写真を撮る人がいっぱい。

竹灯をひとつひとつ見てみると、それぞれデザインが異なっているのも面白いです。

しばらくこの場所で撮影をしていましたが、ライトアップ開始直後は大賑わいだったものの、2時間を過ぎるころには人手がまばらになり、ゆったりと撮影することができました。
人込みを避けたい方は18:00以降に訪れると余裕をもって見られますよ。
良く冷える場所なので寒さ対策をお忘れなく。

このライトアップイベントは、室生赤目青山国定公園指定50周年記念事業「自然と共存プロジェクト2020」の中のひとつ、『なばり竹あかり SDGs プロジェクト』として、地域との共同循環型社会を目指して行われているものです。
これは名張市内で長年放置された竹林を整備し、その間伐材を利用して竹灯を作り、観光誘致に役立ようというもの。
地元の竹灯作家、竹雀さんの作品を中心に、名張市の小学生や高校生が作った竹灯が展示されています。

また、今年3月にオープンした「赤目自然歴史博物館」では、さまざまな竹灯の展示などが行われています(期間中は 20:00 まで開館)ので、是非とも見学してほしいところ。

入口のそばにある上田屋さんもこの期間中は20:00まで営業しているので、名物の瀧草餅(1個13 円)を帰り道のおともにどうぞ。
粒あんを包んだ薫り高い草餅を香ばしく焼いた、素朴な餅菓子です。

●インフォメーション
「赤目渓谷 幽玄の竹灯~赤目四十八滝渓谷ライトアップ~」
日程/10月24日(土)~2021年1月31日(日)
時間/16:30~20:00(期間中の昼営業は8:30~16:00)
入場料/大人600円、子供300 円(赤目四十八滝渓谷入山料を含む)
問い合わせ/NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会 エコツアーデスク TEL0595-64-2695
http://www.akame48taki.com/