よっかいちai『ナオちゃんのゲンキさん見つけた!』2012年7月号

「宗教は関係なく、純粋に音楽だけの文化団体です。同好会なので気楽に参加してください」柔らかい笑顔と雅楽への情熱が魅力的なゲンキさん!!多度雅楽会 館主 田中松緑(たなかしょうえん)さん(45)にお話を伺いました。

伝統文化である雅楽の練習があると聞き、多度大社から小道を抜けて神秘な森にある雅楽庵(ががくあん)へやってきました。こここは、若手が多く集う多度雅楽会の拠点。川のせせらぎが聞こえる神聖な場所。
雅楽とは、日本古来の音楽や舞が、古代アジアの伝来文化と融合した伝統芸術。現在、メンバーは、子供たちも参加して約40名。桑名六華苑での春・秋の舞楽会や東京公演、地域振興行事への出演など、年間を通じて活躍しています。


☆静寂の中に、日本伝統楽器の音が響きます。神域に足を踏み入れたような不思議な感覚。

■「こころの息抜き」

館主の田中さんは、これまで多度大社など、ご自身の経験は30年以上!普段は東京で仕事をしていて、夜や休日を利用し雅楽を教えています。かなり忙しくて大変だと思うけど、大丈夫なの?
「お金のためでなく、一日一日楽しく過ごしたい。綺麗な場所で練習し、いい音を聴きたいだけです。自分が好きでやっているのだから楽しいですよ」と田中さん。


☆みなさん、真剣!そして楽しそう!

■「参加しているのはなぜ?」

参加者の募集はインターネット。仲間が集まりやすいかなと思ったからなんだって。
初心者が多いのも特徴。個人指導もしっかりしています。なんと取材日にも見学の方が!
メンバーは地元桑名・多度や四日市はもちろん、遠くは岐阜・名古屋の方も。職業は主婦や会社員など様々。参加の理由はそれぞれだけど、共通しているのは文化を残したい・・・というより「楽しい!」「ストレス発散!」「家庭や仕事から離れた趣味」として楽しんでいるということ。楽しいから続けられるんだね。


☆美しい自然の中で練習することがとても大切と田中さん。

■「伝承していくため大切なこと」

演奏は喜び。反復・継続しているうちに自然と体に身に付くもの、なんだって。
上達、継続に大切なのは能力のあるないではなく、場があることが大切。雅楽庵という練習する場の維持、本番の場を増やす努力をしているそう。
「演奏は一人ではできない。みんなが揃わないとできない。そのために演出できる体制をつくる人間関係が大切!!」と田中さん。
地域に由来ある文化として、桑名市や地元の皆さんの舞台づくりへの協力体制も励みとなっているそう。
楽しいから続けたい・・・。そんな気持ちを大切にすることが、文化の継承につながっているんだね。



☆桑名六華苑での定期舞学会。地域の子供たちに伝える舞楽「胡蝶」歴史ある洋館と庭園の美を活かした最高の舞台芸術