FM三重『ウィークエンドカフェ』2020年12月19日放送

倉庫をリノベーションしたキッチンスタジオ。
アンティークの食器棚、一枚板の大きなテーブルにやさしい光が差し込みます。
ここは今回のお客様、料理研究家の長谷川希さんの大切な場所。
まずは料理との出会いからお話していただきましょう。

持ちが沈んでいたときフィンガーフードと出会い、心が躍った

10年ほど前に心が落ち込んだことがあり、一切食事を取れなくなった経験があります。
そこから食や食べることの大切さを感じ、発酵食や健康食を勉強するようになりました。
その時に、目で見て食べてもワクワクするようなフィンガーフードという料理を知りました。
小さなご馳走であるフィンガーフードを見た時に、とても心が踊ったんです。
見るだけで気分がとても晴れやかになったことにビビッと来まして、この料理を学びたいと思い東京で勉強してきました。
私がそういう気持ちになったように、心が落ち込んだときとか、時にお料理で人を元気にしたいという思いで、そちらの道に進むことになりました。

 

康免疫力を高める料理を若い世代にも伝えていく

腸内環境が最近とても注目されていますが、発酵食もみなさん昔から日本の食文化で続いてきたものです。
それを再発見というか、改めて今の若い世代の方たちにも、日本の食文化の素晴らしさを伝えていきたいと思います。
どうしてお味噌汁が身体に染み渡るのかを、漠然と感じるよりも、どういう作用があるのかをちゃんと知って食べてもらうと、それぞれの食生活や身体を大切にすることにもつながってくると思います。
大切に生きるというか、自分の身体を大切に思う気持ちも、食として伝えていきたいです。

 

自然薯の料理開発

明和町では、紫色をした『紫自然薯』が穫れます。
全国でも珍しい自然薯で、それを使った料理をみなさんでも作りやすいレシピを開発してほしいとのことで、何品か作り、HPでも紹介させてもらっています。
紫の自然薯はポリフェノールなどの栄養価がとても高いのですが、生のままで擂ると色が変わってしまうのでどうしたらいいかなとか、このきれいな色を食べる方にどうやったら喜んでもらえるかを研究しました。
一旦お芋を蒸して潰してまとめてコロッケにしたり、蒸して使うこといつまでもきれいな色をキープできてポタージュにしたり…そういうことを提案しています。
初めて見たときはとても驚きました。
自然薯という固定観念があったので、紫となると、お料理の幅がどう広がるかなと、ワクワクしながらメニュー開発しました。
おかげさまで、このことに携わらせてもらったことで、自分の経験や知識も広がりました。
明和町で採れる作物や、がんばっている農家さんを応援していくために、いろいろ考えていた時に、そういう話をいただけてうれしかったです。
他にも、新しくオープンするお店のメニュープロデュースや地元の食材を使った料理開発の依頼などをいただきます。
大変だけど楽しさが勝りますね。

 

ルーツカクテルをご紹介

シャンメリーを使ったフルーツカクテル。
どんなものでも良く、家にあるフルーツで構いません。
今日私が用意したのは、葡萄と自家製のキウイフルーツ、今の時期のリンゴ…それからブルーベリーなど黒いものが入ると色が締まります。
今回はクリスマス用にゴールドのピックを用意いたしました。
これに赤っぽい葡萄やキウイフルーツ、リンゴ。
リンゴはカットしてからレモン汁に漬けると色が変わりにくくなります。
順番にピックに刺していきます。
これもお子様と一緒にすると良いですね。
刺したものを、みなさんのご自宅にあるグラスに挿していただいて、そこにシャンメリーを注いで出来上がりです。
おうちでシャンメリーをポンと!開けるだけでも気分が盛り上がりますね。

食は生きる根っこということをみなさんにお伝えできればと思います。
食を大切にすることで、生きることも大切に思ったり。
目で見て、香りを楽しんで食事を味わうということを伝えていきたいです。