三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート!」2012年7月8日放送

外国人向けの日本語教室や介護ヘルパーの人材育成講座の開催など、在住外国人が自立して暮らすことができ、『多文化共生社会』を築いていけるよう、手助けをします!
鈴木英敬三重県知事も視察に訪れました!

今回ご紹介するのは、鈴鹿市内にある『NPO法人 愛伝舎』です。
『愛伝舎』の設立は2005年。
鈴鹿市内に、事務所と教室を構え、外国人向けの日本語教室や介護ヘルパーの人材育成講座の開催、地元小学生との交流イベントの企画など外国人の自立支援のために、様々な活動を行っています。


理事長 坂本久海子さん

坂本「外国人が増え、働く人も増えている中、その人たちの生活全体を受け入れる仕組みが、日本の社会にはまだないと気づいたのです。
それは日本の社会の将来にとっても、リスキーなことなので、学校以外にも、教育以外にも、外国人の人を受け入れる仕組みを作ろうと思いました」


こちらは介護ヘルパー育成のための日本語教室。
現在、15名の外国人の方が、介護ヘルパーの資格取得を目指して勉強しています。

みなさんの国籍はブラジル、ペルー、ボリビアと様々。
そして、暮らしている場所も、それぞれ違い、鈴鹿市内だけでなく、四日市市や津市から通ってくる人もいます。

ここでは日本語を勉強することで、漢字を使って履歴書を書く、面接に合格する…など、「正しい日本語でやりとりできるように」を心がけています。


鈴鹿市内のデイサービスセンター『大家族』で勤務している、修了生のクラウディアさん。

クラウディア「賑やかでとても楽しいです!利用者さんが一番大切ということも覚えたので気持ちが入ります。利用者さんと一緒に歩いたり話もしたり。日本語もスムーズにいってる、と思います(笑)」

坂本「こうやって、『嬉しい』と言って働いてくれるのを見ると、研修をしていて良かったなと思います」

外国人のみなさんを支援し、そして、外国人のみなさんに地域を支える力になってもらう。
その相互の関係が、『多文化共生社会』。
この多文化共生社会こそが、愛伝舎の取り組みの大きな目的です。


その取り組みの現場を、鈴木英敬三重県知事が、視察と応援。
通されたのは、授業中の日本語教室。
生徒のみなさんといきなりの対面で、知事も緊張気味です。

知事「研修を始めて1ヶ月ほど。日本の文化や日本語、介護のこと等、だいぶ勉強して頂いたと思います。研修期間は4ヶ月あるので、是非、元気いっぱい頑張って頂きたいですね」


視察を終えた知事。

知事「これから高齢者が増えていくので、そのために、自分も役に立ちたいという思いが聞けて非常に嬉しかったです。
三重県は外国人登録者の方が、今、46000人ほど。40人に1人ぐらいは、外国人の方というような状況です。
そうなると、日本人や行政が、外国人の方を一方的にサポート・支援するのではなく、一緒に地域を作る仲間として、地域づくりをしてほしい。それが『多文化共生社会』だと思っています」


『愛伝舎』では、地元の外国人小中学生の学習支援も行なっています。
共に支え合い、共に地域を作る『多文化共生社会』。
そんな社会を目指して『愛伝舎』では、次の世代で多様な文化を担う子どもたちの語学支援に力を入れています。

学ぶこと。互いを、知ること。
そして、理解を深め合うこと。
そこから『多文化共生』の未来は、始まるのです。


一方的なサポートではなく、共に支え合い、共に生きる。
共に重荷を背負い、共に笑い合う。
そんな国境と人種を越えたつながりが、鈴鹿から育ちつつあります。