三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2021年1月24日

十数年間携わってきた福祉関係の仕事を辞め、『杉焼き料理 体験工房 シダーワークス』を地元・一志町にOPENさせた後藤卓也さん。
木の板の上に肉や野菜など食材をのせて焼き上げるプランクバーベキューはその香や味を楽しむ、海外で人気のバーベキュースタイルで、シダーワークスでは津市美杉産の杉板を使用!
商品にならなかった建築材の端材を有効活用。
生まれた地域で地域に寄り添う仕事がしたいと店舗を構えました!
コロナ禍で苦難を強いられたが、テイクアウトを中心に奮闘中!
杉焼きチキンや杉焼きポーク、またそれらを使ったサンドなどが人気を呼んでいます!

津市一志町で、地元の『ある物』を使った『地域密着型』のお店があると聞き、やってきました。
それがこちら『杉焼き料理 体験工房 シダーワークス』です!

 

店内、とっても良い香りがします。
美味しい香りです!

「こちらは『杉板』を使って焼いていく、『杉板料理』というのを提供するお店です」

と、店主の後藤卓也さん。
『シダーワークス』は、木の板の上に肉や野菜等の食材をのせて焼く『プランクバーベキュー』の専門店。
自然乾燥された美杉産の杉板を用いて焼いた鶏や豚の肉料理を提供しています。

 

水に浸けた杉板をコンロに乗せ、生の食材を置いていき、そのまま下から炭火で板ごと焼き上げていくという調理方法。

杉板はあらかじめ水の中に漬けこむことで、木が水を吸って生木に近づきます。
そのため、火の上に置いても燃えにくい、かつ、木が火を遮って、遮った火を木の中を通した間接熱に変えてくれるということ。

煙が出てきたら、一旦、蓋を閉めていきます。
これで中の温度がぐっと上がりつつ、煙もずっとあがりながら、焼いていきます。
蓋の中ではこの杉板から出た煙と熱が滞留しながらサンドするような形で焼きあげていきます。
この焼き方の場合、直火が当たらないため水分が逃げにくく、柔らかいままの燻製に仕上がります。

 

焼き上がりがこちら!
脂がジュワジュワしていて美味しそうです!
味付けは塩のみ。
杉や風味と照りを付けてくれます。

 

塩加減がちょうどよく、本当に美味しいです!
燻製の香りはしますが、柔らかくてふんわりしているんです。
これは驚きですね!

 

後藤さんに『シダーワークス』を始めた経緯をお聞きしました。

「前職は福祉施設で12年間勤務していて、ケアマネージャーとして地元エリアを中心に担当していました。
福祉の仕事を始めたのも、自分の生まれた地域に関わりのある仕事をずっとやっていきたいという思いからでした。
ある程度の年齢になった時に、違う角度から地域に関わる仕事がしたいと考えていたところ、小さい頃から自然に親しんできたことを思い出し、アウトドア的なことを仕事をしたいと思いました。
さらに、妻の出身が美杉町ということもあり、地元のを使いたいと考えていたところ、三浦林商さんを紹介していただきました。
木を切ったときの香りがとても素晴らしく、これは良いと思いました」

 

後藤さんが起業したのは今から4年前。
資金が少なく、当初はイベント会場にテントを建てての出店でした。
手応えを感じた2年目。
移動販売車を導入して販路を拡大。
そしてもっとプランクバーベキューを気軽に体験してもらおうと、オリジナルのシダープランクの販売も始めました。

 

後藤さんの相棒である移動販売車。
BBQに特化した既存のキッチンカーがなかった為、オーダーメイドで製作し、試行錯誤を重ねて完成させました。

津市を中心に県内・外のイベントに出店していましたが、元々店舗を構えようと準備中であった所、新型コロナの流行が始まり、予定を早めて工事に着手。
2020年4月にオープンにこぎつけました

 

さらに昨年11月には、外構リフォーム業を営む東出朋紀さんが、シダーワークスの店舗工事に携わったことで知り合い、隣接する養鶏場跡地に多『多肉植物専門店TOMOZOUEN』をオープン!

 

「アンティークなものと多肉植物って結構マッチしまして、この場所がいいなと、志願しました。
こちらに来ていたいたお客さんは、良い匂いにつられてシダーワークスさんへ、シダーワークスさんのお客さんはTOMOZOUENに、みたいな感じでお互いのお店をうまく繋ぎ合わせるというか、シェアが出来ますよね。
ご縁があって2人でこういった形で始めましたが、これからさきもナジ思いを持つ方や地域で活躍している方にいろいろなことをしてもらい、地域の方に楽しんでもらえる場所を目指したいです」

と、東出さん。

 

午前11時、シダーワークスさんの営業が始まりました。
月火はお休み。
水木はテイクアウトのみ。
金土日はランチ営業もしています。
この日はテイクアウトの営業です。

 

「今日は子どもたちと食べやすい、もも肉のチキンの方を3つ買いました。 
オンリーワンの味で大好きです」

「最初キッチンカーの時に知って、それから店舗ができて…。
他にはない味なので、良く使っています」

すでにたくさんのリピーターさんがいるようですね。

 

そしてこちらは金土 日曜日限定のランチメニュー!
『杉焼きランチ ポーク』1000円。
+500円で飲み物とスープを付けることができます。
お肉はとってもジューシーで、口に入れると杉の香りと肉汁が広がります。
ご飯はチキンを杉焼きしたときに出る肉汁で炊き込んであるため、こちらも杉の香りがします。

「ランチメニューは妻が、介護施設の管理栄養士をしていた経歴があるため、いろいろな色合いのものを使いながら、見た目も良く作ってくれています」

と、後藤さん。

 

営業を終えたところで、杉材を提供してくれている美杉の三浦さんがやってきました。
林業家の三浦さんは、森林と林業の再生のための活動もしています。
提供を受けているのは商品にならなかった建築材の端材。
自然乾燥された杉材で杉本来の香りを強く感じることができます。

「目の付け所がものすごく斬新ですね。
今までにそういうことは誰も考えてなかったと思うので、きっとうまいこといくだろうと信じていました」

と、三浦林商の三浦さん。

 

最後に案内してもらったのは、お店の裏手にある雲出川につながる敷地。
ここは後藤さんが幼い頃、学校から帰ってきてから遊びに来ていた場所。
1日1組でキャンプや杉焼きBBQや自然体験が楽しめる場所を作るために、現在整備中です!

「僕自身この地域で長年生きてきて、で、小さい頃から拠り所みたいな場所があったんです。
今は残念ながらなくなってしまいましたが、自分がここで店をやることで、そういう場所になっていけたらいいなっていうのはすごく感じています」

と、後藤さん。

美杉の杉材で焼きあげた、プランクバーベキュー。
食べてみたいなぁ!と思ったかたはウェブサイトをごらんください!

多肉植物専門店 TOMOZOUEN
【営業日】 土・日・祝日
Instagram : info.tomozouen