三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポートト』2021年2月21日

自宅で子ども料理教室『リトルシェフ』を運営する名張市の菅井美幸さん。
東京で飲食店を経営してきたが、体調面や子育てなど様々な理由で2014年に家族で移住を決意!
移住後、自宅で子供向けの料理教室を開き、子どもたちに料理の基本、料理を作る喜びや、食の大切さを伝えてきました。
そんな中、子どもたちがシェフとなってお客さん(家族)をおもてなしする『小学生レストラン』の取り組みをスタート!
地元名張の古民家コミュニティースぺース『やなせ宿』を使って開催された催しの様子を紹介します!

慣れない手つきで、人参の皮むき…子どもたちがエプロンとコック帽をつけて調理をしています。
どうやらこちら、調理をしているのは小学生ばかりのようです。

 

「今行っているのは、『子ども料理教室 リトルシェフ』が開催する、子どもが大人をもてなす小学生レストランです。
間に合わない所は大人が手伝いますが、なるべく子どもが自分の力で最初から最後までできるのが理想です」

と、主宰者の菅井美幸さん。

子どもたちのやってみたいを実現!
『子ども料理教室 リトルシェフ』が呼びかけ、集まった子ども達が一日シェフに挑戦する『小学生レストラン』。
対象は小学2年から6年生まで。
包丁の持ち方から、切り方、盛り付けや注文、配膳まで、本格的なおもてなし体験を楽しむことが出来ます。

 

開催場所は名張市の『やなせ宿』。
2013年には、このやなせ宿での取り組み、地域の方々が日替わりでランチを作り、お客さんに提供する『ワンデイシェフ』という、コミュニティ・レストランを番組で紹介させていただきました。
こちらは現在も、継続中です。

 

そのやなせ宿で、新たな名物になりそうな企画が、昨年から始まった、この『小学生レストラン』。
子どもたちの体験をサポートするのは、名張市で料理教室を開いている菅井美幸さん。
そしてその教室の生徒さんたちが、お手伝いとして入っています。

 

代表の菅井さんは、プロの料理人。
東京・世田谷でご主人と飲食店を経営し、シェフとして店を切り盛りしてきましたが、2009年に41歳で長女を出産、2014年に家族で名張市に移住。
第二の人生を歩み始めました。

「思いがけず、41歳で娘を授かることができました。
しかしその後で経営が難しくなってきまして。
シッター代が年間200万弱ぐらいかかり、働いても働いてもその経費に圧迫されて、自分が何してるかわからなくなってきました。
そんな折に東日本大震災があり、さらに無理がたたって大きな病気を患ってしまいました。
そこで、療養&子育てをもう一回やり直すという気持ちで家族で名張市に移住。
そして4年目を迎え、世の中に自分がいただいたものを戻していかなければと思うようになりました。
何が出来るかなと考えた時に、やはり自分ができるのは料理なので、料理教室をはじめました。
誰でも参加できるような形でと思い、最初はママ友と料理をして、子どもに手伝いをさせようというプランだったのですが、やなせ宿の方から『子どもがシェフでもいいのでは』とアドバイスを受けて、『子ども料理教室リトルシェフ』となりました」

と、菅井さん。

 

協力してくれるのは、地元のお母さんや、やなせ宿だけではありません。
地域の農家の方も規格外の野菜などを提供してくれています。

「規格外の形でも、刻んで調理するには充分使えますから」

「嬉しいです!
人参はサラダに使いますね!」

 

できることは自分たちで、出来ない部分は大人たちの力を借りて。
こちらの小学生レストランは、料理をつくるだけでなく、実際にお客さんに食べていただくのが最大のポイント。
みんなで力を合わせて、レストランをオープンします。

 

「包丁の置く場所は、まな板の奥だと教えてもらいました。
美味しいって言ってもらえたら嬉しいです」

「私は、玉ねぎを切ったり、人参の皮むきをしたりしました。
心を込めて作りました」

「包丁を持つのがちょっと怖かったけど、慣れたから良かったです。
お母さんがいつもこういう風にご飯を作ってくれていることがわかりました」

と、子どもたち。

 

菅井さんの取り組みについて、料理教室に通っている古川寛子さんにお聞きしました。

「小さい頃からこうやって習慣づけることによって、食に対する興味も広がると思うし、人にもてなすことの楽しさも身についてとてもいい機会だと思います」

 

ランチタイムが迫ってきました。
メインのチキンカツを揚げ始めます。
揚げ物などは、希望する子どもたちのみ。
でもほとんどの子どもは、やってみたいと手をあげるそうです。

 

もちろん、調理だけではありません。
食器の用意もテーブルメイキングも、すべて子どもたちがやります。
こちらは手づくりメニュー。
とてもわかりやすいですね!

 

お客さんがやってきました。
実は皆さん、参加している子どもたちの保護者の方々です。

「子どもが食べることが好きなので、作ることにも興味を持ってもらえるかなと思って、子どもに声かけたら参加したいって言って嬉しそうな顔をしてくれたので参加しました」

と、お母さん。

「あまりしない体験なので、いろんな勉強も兼ねて…。
出来上がりが怖いなという気持ちもありますけど、楽しみです」

と、お父さん。

 

さてさて、厨房も、大忙し!
家族の顔を一人一人思い浮かべながら、心を込めて盛り付けます。

 

本日のメニュー。
メインはチキンカツ。
そして人参のサラダをはじめ、ポテトサラダにキャベツ。
ボルシチスープもセットにしました。

 

「とっても美味しいです!
家でも手伝ってくれたりはしますけども、なかなか自分に余裕がないので、プロの方に教えてもらって、接客とか体験もできて、とてもいい経験が出来てるんじゃないかなと思います」

「娘がしたいと言いまして。
包丁とかちょっと心配だったんですけど、美味しくてびっくりしました」

食事した保護者たちも大絶賛の出来栄えだったようです。

「包丁は怖いけど危なくはないと教えます。
包丁をどういう風に扱ったら自分がケガをしないのかをお母さんたちがわかってくれたら、お家で料理をさせることも多くなると思うので、定期的にずっと続けていきたいと思います。
今日、お兄ちゃんが参加して弟ちゃんが来てくれたりしたら、弟ちゃんが大きくなった時に、俺もやってみたい!みたいになったらいいなと思ってまいます」

と、菅井さん。

リトルシェフの教室、今後の小学生レストランの予定は、ウェブサイトでご確認ください!