『ミエてくる』2021年2月17日

伊勢神宮では、年間約1500回のお祭りが行われます。
今回は、1月1日の「歳旦祭」、1月3日の「元始祭」、1月11日の「一月十一日御饌」の3つの祭典のレポートです。

伊勢神宮では、毎日朝と夕方に、神さま方へお食事をお供えする「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」や、毎年決められた日時に行われる【恒例祭】、式年遷宮に関するお祭りの【遷宮祭】、臨時に行われる【臨時祭】などがあり、年間で約1500回のお祭りが行われます。

その月に行われる祭典に関しては、皇大神宮(内宮)・豊受大神宮(外宮)共に、日時が入り口に掲示されますので、ご参拝の際は是非チェックをしてみてください♪

 

◇1月1日 「歳旦(さいたん)祭」◇

豊受大神宮 午前4:00~/皇大神宮 午前7:00〜
「歳旦祭」は新年最初のお祭りで、新しい年の初めを祝います。また、皇室の弥栄(いやさか)、五穀豊穣、国家の隆昌(りゅうしょう)、国民の平安をお祈りするお祭りです。

午前6:00ごろに内宮へ行くと、どんど火が焚かれていました。

 

とっても寒かったので、火の暖かさが身に沁みます。

そして、ご正宮の方へ歩いて行くと…
神さま方へのお食事を作る場所である忌火屋殿(いみびやでん)の前には、お供えをする食べ物である、「御饌(みけ)」が用意されており…(箱の中に入っています)

 

午前7:00ごろになると、神職の方々がこれらのお供え物や、奉仕される神職の方々をお祓いし、神さま方の元へ御饌を持っていかれました。(下の写真は、ご正宮へ運んでいる時のもの)

 

この後、ご正宮内では歳旦祭の祭典が行われ、豊受大神宮でも同じ祭典が同日午前4:00から行われました。

◇1月3日 「元始(げんし)祭」◇

豊受大神宮 午前4:00~/皇大神宮 午前7:00~
年のはじめ、皇居にある宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)で、天皇陛下が皇位の元始(はじめ)を祝い奉るお祭りを執り行われます。これに合わせて、伊勢神宮でも皇位の永遠をお祈りするのが「元始祭」です。

まずは午前3:30ごろに豊受大神宮に行くと、辺りは真っ暗。
でも神宮内に入ると…暖かな光を灯す常夜灯の光に癒されます。冬の早朝にしか味わえない一時です。
午前4:00ごろになると、神職の方々の参進が始まりました。

 

松明(一般的に「たいまつ」と読みますが、神宮では「しょうみょう」と読みます)の炎で足元を照らしながらの参進です。何とも言えない幻想的な雰囲気です。
なんだか息を吸うのも忘れてしまいます。

この後、豊受大神宮のご正宮に入られ、御饌をお供えし、元始祭の祭典が行われました。
皇大神宮でも、同日午前7:00より同じ祭典が行われました。

 

この日は薄曇りで、皇大神宮の宇治橋鳥居からの朝日はボンヤリとしか見られなかったのですが…2羽のカラスが絶妙な場所におり、多くの人の目を引き寄せていました。
最近、この2羽のカラスがよく鳥居に来ますので、こちらも是非是非チェックしてみてください♪

◇1月11日「一月十一日御饌(いちがつじゅういちにちみけ)」◇

皇大神宮  午前10:00~   東遊(あずまあそび):皇大神宮の五丈殿にて午後1:00~
「一月十一日御饌」は、その名の通り1月11日に行われ、皇大神宮でのみ行われる祭典です。
皇大神宮の天照大御神、豊受大神宮の豊受大御神をはじめ、125社すべての神さま方に御饌をお供えし、1年に1度、神さま方が天照大御神と御饌を共にされます。いわゆる、神さまの『新年会』ですね。

 

10:00ごろ、皇大神宮の斎館より神職の方々が忌火屋殿に向かって参進。

 

忌火屋殿では、お供えをする御饌や、奉仕をする神職の方々のお祓いをし、お祓いが終わった御饌をご正宮へ運び入れ、一月十一日御饌の祭典が行われました。

その後、午後1:00ごろより、皇大神宮内の五丈殿(神楽殿の横にある建物)にて「東遊(あずまあそび)」と言われる日本古来の歌舞が奏行されました。

 

写真右側は「楽師」の方々。写真左側は「舞人」の方々です。

6人の舞人が、楽師の方々が奏でる笛や篳篥(ひちりき)、琴の調べに合わせて舞を踊ります。
東遊は、雅楽の生演奏が聴けるのでオススメです!

 

東遊は、平安時代より伝わる舞で、駿河の国の海辺に舞い降り、水浴をする天女の姿をイメージして振り付けられたと言われています。
6人の舞人たちは、昔から伝わる平安時代の衣装『小忌衣(おみごろも)』で登場し、頭には、『老懸(おいかけ)』といわれる冠の左右に馬の尾の毛を束ね半月形に開いた独特の飾りをつけています。お雛様の右大臣、左大臣にもついている、両耳あたりにある黒いフサフサしたアレです。

東遊を見ていると、なんだか平安時代にタイムトリップしたような、雅な時間が流れていましたよ。

伊勢神宮の祭典を見ていただくと、ご参拝の時に見たり感じたりする伊勢神宮だけでなく、また違った視線で伊勢神宮を見ていただけるかと思いますので、是非、機会がありましたら祭典も見てみてくださいね!
その際は、密を避け、マスクや手指消毒などの感染予防もした上で、万全の体調で行ってみてくださいね。