三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポートト』2021年4月4日

昭和11年に一志郡倭(現在の津市白山町)の村役場として建設された木造二階建てのレトロな建物が、人が集い地域の伝統や文化、健康、衣食住、そして農業や環境を学べるシェアスペースへと生まれ変わります!
代表はゲンキみえでも取り上げた、白山町で『ゲストハウス・イロンゴ』を営む倉田麻里さん。
昨年11月からプレオープン中で、4月11日にグランドオープンを迎える。
グランドオープン前の最後のプレイベントとして3月末、子ども服の交換会と木のジャングルジムづくりが開催されました!

近鉄・榊原温泉口駅のすぐ近く、津市白山町中ノ村。
こちらに、文化的価値がある建物を利用して、出会いと学びの場がオープンするということなんです。
それがこちら『ハッレ倭』!
昭和11年に「倭村役場」として建てられた築85年の木造建築で、市町村合併を経て、役場としての機能は失い津市の所有となっていました。

 

この建物を買い取ったのは、以前番組でも紹介した、同じ白山町で、国際交流ができる『ゲストハウス・イロンゴ』を経営している倉田麻里さん。
多文化共生をテーマに、様々なプログラムを実施しています。
老朽化により売却が決まり、倉田さんが出資者から協力を得て購入。
出会いと学びのシェアスペース『ハッレ倭』として生まれ変わることになりました。

 

「子どもの頃から、倭小学校に通う途中にこの建物を見てて、その建物が売りに出されるって知って、居ても立ってもいられなくなって。
歴史的にも価値がある建物だし、何とか地域の活性化に活かしたいなと思ったのがきっかけです」

 

「いろんな方に相談させて頂いて、耐震補強工事が終わった11月8日に健康・文化・衣食住、そして環境、農業、地域の歴史をテーマに『倭の学びフェア』を開催して、プレオープンのイベントをしました」

 

「これまでに開催されたイベントは『和の市みえ』という和雑貨のマルシェ、それから映画観賞会、あと尺八などの和楽器の演奏会など14回、全てのイベントを合わせると約500人の方に足を運んで頂いています」

この日もイベントが行われるということで、中を案内していただきました。

 

村長室だった部屋を『コワーキングスペース』に。
そしてみんなが自分の家のように仕えるような、『交流スペース』。

 

ミニキッチンを作り、『セルフカフェ』
こちらは『貸し教室』として使用する予定。

「ネイルサロンやマッサージサロン、週に一回ここでお琴の講座などに使えると思います。
また、起業家の方で、スタートアップになかなか資金がない方もいると思うので、気軽に始められる場所として使ってもらえたらと」

他にも、1階にはシェアオフィスやテナントも入る予定で、シェアオフィスはもうすでに入居者が決まっているそうです。

 

こちらが2階のホール!
広いです!

「奥の部屋も合わせると100平米ぐらいあります。
ひらけていて、明かりが入っていいですね。
倭小学校も見えるし、榊原温泉口駅も見渡せます」

と、倉田さん。

 

「今回、クラウドファンディングで耐震補強工事の費用を募った所、108万円のご支援をいただきました。
主に東側の外壁と小屋組み、そして屋根の瓦の修理をさせていただきました。
中が埃だらけだったので、掃除をするのにボランティアの方を募ったりしました」

 

東面の壁は、プロの方に来てもらい、土壁塗りのワークショップを開催。
この後3年ほどしっかり乾いてから漆喰を塗るワークショップを開催するという計画だそうです。

「漆喰塗りも難しいらしいんですけど、私はできればみんなの手で建物を直していきたいのです。
地域の人たちで守っていけるような仕組みを作っていきたいな思っています」

 

グランドオープンを前に、プレオープンとしてさまざまなイベントを開催してきた『ハッレ倭』。
この日は2つのイベントが開催されるようで、たくさんのお客さんで賑わっています!

 

『ふくのわ会つ』の山中梓さん。

「今日は、子ども服の交換会です。
来て下さった方に服を持って来てもらって、良いのがあれば無料で持って帰っていただきます」

『ふくのわ会つ』では、不要になった子供服を持ち寄って互いに交換する催しを開催。
服の交換にとどまらず、親同士の相談や子どもの友達づくりの場ともなっています。

 

2Fのイベントスペースでは、子どもたちが楽しそうに何か作ってます!
ジャングルジムでしょうか?

 

「これは『くむんだー』という、国産材で出来た柱や横材を組んで楽しむ木材玩具です。
子どもたちが、遊ぶのではなくて組み立てているところです」

と、丹建築の丹羽怜之さん。
丹羽さんは『ハッレ倭』の改修工事にも関っています。

「主に耐震の補強と、外壁の補修をやらせてもらいました。
やはり、築85年なので木もそれなりに少し弱くなってきていて。
素材の組み合わせとか、柔らかく強くしていくっていうやり方で補強してます。
歴史ある見た目はそのままに、改修しながら長く使えるっていうのは良いことだと思います。
建物も喜んでくれてるといいなぁと思いながらやってます。
築85年というと、人間で言ったらまぁおじいちゃん・おばあちゃんですが、そういう建物と一緒に小さい子どもも子育て世代も一緒に成長していって、見守ってもらうという場所にしてもらいたいですね!」

ハッレ倭のグランドオープンは4月11日。
地域に暮らすみなさん、そしてこの場所を活用したい方の期待は高まりつつあります。

 

こちらは、4月以降、コワーキングスペースを利用予定の保田勝平さん。

「去年の12月から白山町に住んでます。
会社がリモートワーク推奨になったので、それを期にUターンで。
地方にはコワーキングスペース多くないと思っていましたが、こういった施設があると、いろんな人とも関われますし、家以外でも仕事が出来るっていうのはとても良い環境だといます」

 

そしてもうひとり、地域の応援者がいました。
『WILD ART YESE!』のYUKOさん。
『ハッレ倭』の名付け親でもあります。

「ドイツ語の『Halle(ホールという意味)』と日本語の『晴れ(ハレ)』をかけて命名しました。
小さい子をやっぱり育てないとなと。
身体と心があれば色々いろいろできるので、ダンスではなくても、身体づくり、心づくりを応援したいなと思っています」

YUKOさんは白山町倭地区で活躍しているダンサー。
療法士の資格も持っており、4月から小学生の為の運動基礎と身体表現のワークショップを開講する予定です。

「グランドオープンイベントにはなるべく地域の方に来ていただきたいですね。
田舎にいると外の人との触れ合いが少ないので、地域のお年寄りと、地域外の若い方が交流することで、田舎の歴史や文化を学んでもらえる場所になったらいいなと思ってます。
インバウンドの方が来れるようになったら、海外からも観光客や移住者がどんどん集まってきて、白山町が世界と繋がる町になったらいいなと思っています」

と、倉田さん。

ハッレ倭のグランドオープンは4月11日。
グランドオープンイベントや、その後のご利用方法についてはウェブサイトをご覧ください!!