FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年4月17日放送

今回のお客様は大台町にある『OKUISEWORK』の谷藤重美さんです。
秋田出身の谷藤さんは学校を卒業後、名古屋の会社に勤め、20年前、大台町に移住しました。
現在は素敵な古民家をギャラリーとして開放しています。

ャラリーの古民家は幕末期の頃のもの

この家が経った時代を教えてもらったところ、幕末のものだということでした。
ただ、部屋は後から継ぎ足したり、屋根も吹き替えたりして、最初の姿とはだいぶ変わっていますが。
私が見つける半年ほど前まで、おじいさんが生活していたようで、そんなに荒れた感じではなく、すぐに住めそうでした。
しかし、トイレや台所やお風呂など、水回りなどが昔の様式を残していました。
お風呂が五右衛門風呂だったり。
トイレも今風のではないので、私が入ってから改造して、今の生活になっています。
僕は若い時、設計事務所で仕事をしていたことがあり、建物に対しての知識がある程度ありました。
秋田にいる兄が半農で大工さんをしていたので、2ヶ月くらい手伝いに来てもらい、二人でコツコツ改装して、ギャラリーにこぎつけました。

 

板は味があってよい

20代の頃に銅版を使って作品を作ったことがあり、以来、銅板から離れられない…味があっていいんですよ。
熱とか硫黄の成分がある溶液…昔で言ったら『ムトウハップ』というお風呂に入れる硫黄の液体があったんですけど、それに近い溶液に銅板を浸すと、銅板の表面が変化していくんですよ。
赤いような黒いような色になるので、その変化の具合を自分である程度コントロールして。
なかなか自分が思い描いたようにはならないのですが、向こうが変化する自然現象と、こちらがイメージしたもののせめぎ合いがあります。
これはいいな!と思う瞬間があって、楽しいですね。
2年前に県立美術館に展示した作品は、銅板に溶液をペンキのローラーを使ってなぞっていきました。
それがなんとなく、木目のような層になって、独特な雰囲気が出ました。

 

政ではアドバイスが出来ないところまで詳しくサポートする

『AWAプロジェクト』。
空き家の利活用や住宅診断、家財道具の整理代行、そして移住者と空き家のマッチングなど、私を含む5人のメンバーが取り組んでいるプロジェクトです。
活動としては、空き家になった家の中を頼まれたら片付けて、『大台町空き家バンク』に登録したら、そこを使ってくれる人に紹介します。
なので、持ち主が変わっているとかもあります。
そういうことがボツボツあり、活動を初めてまだそんなに経っていませんが、問い合わせもあります。
近いうちに大台町に移住したいんだけど、物件を探してほしいとか。
そういう問い合わせがあって、全部対応できるように早くなりたいと思っています。
空き家バンクが充実したら移住者がもっと増えるのではと、そこを狙ってこれからやっていこうと思っています。
役場の方は、紹介はするけど、どこを優先するとかはできないと思うんですよね。
私たちだったら、「ここの家をリフォームしたいんだけど、やってくれそうな大工さん紹介してよ」って言われたら、知り合いの大工さんを紹介したりとか、枠にはまらずいろいろなことを進められるので、外郭でやっている私たちのほうが、相談はしやすいと思います。
役場の方に聞いても、物件のデータは出してくれますが、実際に声をかけて合わせてくれたりとかは難しいんですよ。
そういう意味では、私たちのほうが事は進めやすいと思います。
建築や設計、デザインをやっているスタッフもいますし、私みたいに木工をしている者、それから宅建で住宅の取引。
インスペクションといって、家の状態を診断する資格を持っている者もいるので、空き家のことに関してはたいがいできると思います。

 

ても住みやすい大台町。人口減少や過疎化が気になる

環境的には、交通の便もそんなに都会から離れているわけではないし、高速道路も通っているし、名古屋・大阪から程よい時間で来られます。
場所的には良いところです。
ちょっと奥に入ると深い山があるし、魚釣りもできるし。
海はないけど、それ以外はここで楽しむことができます。
が、人口が減って過疎化が進むということがありますよね。
そういうことになっていく要因を洗い出して、原因を究明して…これから増えていくことはないとしても、ある程度減少しないようにするとか。
空いている家をもっと使うようにするとか。
お墓の問題とか。
いろいろ老後の問題が重なってくるんですけど、高齢者問題と空き家の問題。
その2つを視野に入れて行政にも提案していくし、行政からも頼られるような活動をしていきたいと思っています。

将来に対して、こんなふうにして自分が終わりを迎えようというのを、描けるようなことをもっとはっきりさせて。
そういうモデルになるようなことがあれば、これからの高齢者は安心して生活できるようになっていくと思うので、これをテーマに具体的なことを考えながらやっています。