三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2021年4月18日

伊賀市でオープンから14年親しまれてきた温浴施設『伊賀の湯』が昨年10月に閉館。
併設されていた産地直売店『農の匠』は地元産の野菜や果物、特産品などが人気の店でしたが、こちらも合わせて閉店となりました。
近くで買い物ができる場所が減り、利用者から復活の声が上がる中、『農の匠』のオープン時からスタッフとして働いていた森中明由美さんが一念発起!
伊賀の市街地にある天神横丁に場所を移し、昨年12月、屋号をそのまま受け継いで再オープンにこぎつけました!
近隣にはお年寄りも多く、車で買い物に行けない人たちなどが集い憩いの場ともなっています!

今回ご紹介するのは伊賀市、『天神さん』の愛称で親しまれている菅原神社近く。
『天神商店街』が昨年10月に『天神横丁』として新たに生まれ変わったその一角。

 

『野菜直売所 農の匠』です!
こちらでは伊賀市内で採れた旬の野菜やお花、果物、加工品などを販売しています。
『農の匠』は、もともとはここではなく、温浴施設『伊賀の湯』に併設されていました。

 

伊賀市で14年間営業してきた『伊賀の湯』は、昨年10月に閉館。
併設されていた産地直売所『農の匠』も同時に閉店となってしまいました。

 

『農の匠』で14年間パート従業員として働いてきた森中明由美さんが、『お店をなくさないでほしい』という生産者、お客さんの声に応え、昨年12月、市街地に場所を移し、屋号をそのままに新店舗をオープンさせたのです!

「自分はもう定年までこの仕事ずっとできると思っていたのと、まわりの『どうしたらいいの?』『困るやんか』という声を聞いているうちに、なんとかしなければと思ったのが発端です。
不安はありましたが農家さんたちが付いてきてくれて、物は絶対入るという確証があったので、ちょっと強気でいくことができました。
町の中にお買い物をする場所がないという人がいっぱいいる、との声を聞いて、是非盛り上げたいという気持ちでお店を開店しました」

と、森中さん。

 

朝9時、まだ営業前の『農の匠』に、生産者の方々が訪れ、納品作業が始まります。

「退職してから始めたんで、あんまり多くは収穫できないけど、お客さんが買ってくれたら嬉しいというか、残ったらちょっとがっかりします。
他に出すところはそんなにないので、『伊賀の湯』の閉店のときは寂しい気持ちはありました。
こちらでオープンすると聞いて、嬉しかったです」

 

葛原ひとみさんは、伊賀の湯時代からのお付き合い。
森中さんとの信頼関係はばっちりです。
この日はブロッコリーとセロリとワケギを納品に来ました。

「この6月で満80歳になります。
体力限界も来てるし、と思ったんやけど、又ここで開いてくれるというので、またちょっと頑張ってみようと思って。
いろいろ野菜のことも勉強してくれてるし、森中さんと会うのが楽しみです」

「葛原さんには感謝しかないです。
あんたがやるんやったら野菜を持ってく…その言葉がとても嬉しかったです」

 

生産者もお客さんも惚れ込む森中さんの人柄。
人気の秘密には、実は、影の努力がありました。

「聞いて下さった時にやっぱりすぐにおススメが出来るので、必ず(店頭に)出たものは食べます。
お花はちょっとムリですけれども…食べ物はだいたい食べております」

『農の匠』で扱う野菜や食品は、すべて口にし、自分でそのおいしさと安全を確かめる。
その森中さんの姿勢が、お客さんからの信頼を集めています。

 

「私も野菜を作っているんですけど、そんなにたくさんではないので、こんな立派な野菜とれたらいいなと思いつつ、美味しくいただいています」

 

「一週間に一回か二週間に一回くらい来ています。
お目当ては大好物のイチゴですが、お野菜もちょくちょく買わせてもらっています。
新鮮だし調理法もいろいろ教えてもらえるんで、買わせてもらっています」

 

お店が落ち着いた頃に現れたのは、裏のアーケードで『Cafe&Bar‘39』を経営する阿嘉恵美さん。

「今日買ったのは、アイスプラントとセロリと人参です。
本当にもう的確なおススメがあるので、その日にチョイスして使わせてもらったりすることが多いです」

 

「よくするのがサラダやスープ。
そのままでも美味しいので、あまり手を加えなくても作ることができる美味しい料理を出しています」

 

「私は11月からオープンしたのですが、それからすぐ『農の匠』がオープンして、それからホントに来るのが楽しくて、前通ったら入らずにはいられないんです。
地域の方々もそう思っていると思います」

と、恵美さん。

 

「恵美さんところで食べたお客様が、美味しかったからってうちに買いに来て下さるんですよ。 
ありがたいです、ホントに。
とにかくみなさんあったかいんです。
周りのお店屋さんも買って行って下さいますし、注文も下さいますし、ホントにありがたいです。
この狭さではありますけども、もっといろいろ伊賀の物を揃えて、この場所を守っていきたいと思います。
あとは、『伊賀の湯』の場所に来てくれたお客さんにはちょっと遠くなってしまったので、場所を借りて一日でも野外で売ってみるなど、お客さんに提案していきたいです。
もっと広げていき、みなさんにもっともっと喜んでもらえるお店にしたいですね」

みなさんも『農の匠』で、伊賀の野菜と森中さんの笑顔をいかがですか。
詳しくはウェブサイト、インスタグラムからどうぞ。