FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年5月1日放送

今回のお客様は津市にある『旅するアトリエmojimoji』のやまぎわさゆりさんです。
イラストレーターの山際さんが今年3月にオープンしたアトリエではシルクスクリーンという製法でオリジナルグッズを作ることもできます。

分の描いたイラストでオリジナルグッズを作ることができる

こちらではシルクスクリーンを使ったオリジナルグッズを作ることができるワークショップを行っています。
印刷方法の一つで、自分で描いたイラストなどを1枚『版』にして、その版の上からインクを落として刷ればTシャツなど、いろいろなものに印刷ができるという方法です。
機械に印刷する部分だけ穴を開けて、その部分にインクを通しているので、細かい鉛筆などの線も上手に印刷できます。
手刷りなので、色の濃淡はかすれたりすることもあります。
同じものが2つとはできない工法ですね。
一枚一枚、力の加減で雰囲気が変わってきますので、それが面白みかなと思います。
私は普段、イラストを描く仕事をしています。
袖の部分に自分のイラストが描かれたTシャツを作りたいと思い、いろいろ調べたのですが、印刷してくれる会社がなかなか見つからず。
作ろうとしても1枚の単価がとても高くなってしまうということで、他になにか方法がないかと探しているときに、大阪の『ジャム』という会社が販売している『SURIMACCA+』というシルクスクリーンのキットに出会いました。

 

どもたちに似顔絵などを描いてもらいシルクスクリーンで印刷する

これまでさまざまな場所でワークショップを行ってきました。
そこで作り出される作品に心が躍ります。
子どもたち一人ひとりに似顔絵を描いてもらって、作品にするワークショップを開催しています。
想像していたのと違って、自分の手を使って作ったもの、それをTシャツやカバンにして持ち歩けるという体験が、子どもたちにとても良いのではと思います。
こちらにはスリマッカというインクがたくさんあるので、自分の好きな色で作ることができます。
素材の色に、どのインクを合わせるのか。
そういったことも頭を使って考えないといけません。
子どもたちには素材選びから、色も選んでもらいますが、私たちが想像しない色の組み合わせを印刷してくれて、楽しませてくれます。
緑のTシャツに蛍光のピンクを印刷したことがあって、でも意外に合っているという…。
刷り上がりがとても面白かったです。
やるごとに、もっとこういったことができるんじゃないかと、想像が膨らんでいく作業です。

刷った後に版を上げる瞬間は、子どもたちだけでなく大人からも歓声が上がるのが、見ていて面白いです。

 

ojimojiのキャラクターは山際さんのお嬢さんがイメージ

私の描くイラストは、子育ての最中なこともあり、子どもをモチーフにしたものが多いです。
子どもを描くとなると動物に変えて描いたりしています。
今は水彩の筆ペンで描いているイラストがほとんどですね。
どのオーダーでも私に注文くださる方は、水彩の雰囲気がすきなのかなあと思いますので、その雰囲気を大切に書かせていただきたいです。
『旅するアトリエmojimoji』のイラストは『mojimojiネズミちゃん』というネズミの女の子をモチーフにしています。
幼稚園に入りたての娘が、登園するときにモジモジモジモジとしていまして、先生に「おはよう」も言えないときが続く時期がありました。
その娘がちょっとでも元気になってくれるよう、娘をネズミにしてイラストを描いてプレゼントしたのが『mojimojiネズミ』のはじまりですね。
娘が虫を捕まえたときは、虫とネズミの絵を描いたり、水遊びをした日は水遊びをしたネズミを描いて、「今日はこんな楽しいことがあったね」と話しながら、毎日描いていました。
細々とは描いていたのですが、なかなか作品を発表していく場がなかったので、mojimojiネズミの誕生をきっかけに、Instagramなどで毎日作品を発表するようになりました。
毎日ネズミの絵を描いたり、お花のイラストを描いて発表していきました。

 

どもたちが頭を使い自分の手で作り上げる楽しさを感じてほしい

我が子もなんですが、子どもたちは今、パソコンなどの画面に夢中で、それが気になっていることですね。
もっと自分の頭や手を動かして、自分の手で物を作るという体験をしてほしいという気持ちがあるので、子ども向けのワークショップやシルクスクリーンの体験をしていただく場を見つけていきたいです。
やはり、シルクスクリーンでこんな事ができるんだよと、とても興味を持ってもらうことがあるので、子どもたちだけではなく老人ホームなどの施設にも足を運んで体験していただきたいと思います。
実はシルクスクリーンはイラストだけではなく写真も印刷できるんです。
ペットの写真を印刷したいとか、そういった形でも製版することができます。
本当にオリジナル、一点物。
自分が想像したものが形になるという感じですね。
一回刷り終わると、次はこうしようというのが頭の中に浮かんで、次から次にやりたくなるコンテンツだと思います。
『旅するアトリエ』という名の通り、『アトリエカー』を買って、三重県内のいろいろなイベントに出張してワークショップをする、旅するアトリエにふさわしい活動をしていくつもりです。

最近では絵本の読み聞かせと音楽、そしてライブペイントをコラボレーションしたイベントも行っています
いろいろな人とかかわりあい、その大切さを感じています。