FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年6月5日放送
今回は桑名市にある『ギャラリー寺町』の山口惠子さんがお客様です。
画廊を開いたのは今から11年前。
四日市でスタートしました。
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さな頃から物怖じしない性格。それを活かした仕事

小さな頃から人と会ったりお話をしたり、絵を習ったり音楽を聴いたりということがとても好きでした。
物怖じしない子どもでしたね。
母は私を女優にするか宝塚に入れたかったらしく、6歳の日本舞踊から、習い事をいろいろなことをしました。
それで何になったかというと、何にもならなかったんですけど(笑)
で、あるとき、テレビの『タレントセンター募集』を見たときにちょっと行ってみたいと思い、そういう世界に入りました。
ちょっとだけ齧って、でもそれもやめて。
その後、普通に、自営業の時計宝石眼鏡屋さんに嫁ぎました。
けれど、おじいちゃま、おばあちゃまが亡くなった段階で、主人が店を辞めたいと。
自分にこれからなにをしたいのかを考えたときに、今まで母から教えられたこと、自分で学んだことを出せるものは何かなと。
ひょっとしたら画廊ができるのではないかしらと、できるかどうかよりも、まず「やろう」って思っちゃったんです。
ここが良いかなと思ったのが四日市の『新道』という、昔の町並みでは一番にぎやかだったところ。
そこでビルを見つけて、2階だったのですが対応しました。
ド素人でなにもできないと思っていましたが、中学の時の絵の恩師である八島正明先生、それからサロンに通っていた四日市の名士であられる、一水会の重鎮である田島健次先生に後押ししていただき、2010年9月に開業することができました。
5周年を迎える頃、なんとか頑張れるかなと思ったときに、主人が病気になりました。
療養と介護が必要になったため、2016年12月にやむを得ず画廊を閉じました。
しかしなにかやりたいと沸々思っていてたところ、桑名にある実家が、料理店だったところがそのまま空き家になっていたので、改装して2019年3月に開廊して、今に至っています。

 

名は1階なので通りすがりの人に声をかけている

ギャラリー・画廊はやはり敷居が高いようで、四日市のときは通りすがりに入ってくる人はほぼほぼいませんでした。
桑名の地は通りすがりの人が見えるので、ちょっとでも覗いている姿が見えたら、「どうぞ!」と呼び込みをしています。
「気になるけど、入るのがちょっとね…」という方も確かにいます。
寺町というのは、お寺がたくさんあり、買い物をする人もけっこういるんです。
「ギャラリーや画廊に来るとなにか買わされるんじゃあ…」という人はいますが、絵を見ることが好きな自分があるので、それをグッと掴んで。
別に買ってもらおうとかではなく、そういう時間を楽しんでもらえれば。
「あそこ行ってきたのよ、ちょっと良かったわ」という人がいたら、じゃあ私も…という人が出てくるんです。
食べ物と一緒です。
私も行っていようかしら、という人が一人二人と、だんだん増えていったらいいかなと思っています。
とにかく、画廊やギャラリーの敷居を低く低くして、でも展示してある絵画は質の高い、とてもいい絵を目指しています。
お客様一人ひとりの心を打つような…1枚の絵を見て涙を流す方も見えました。そういうギャラリーにしていったらいいかなと思います。

 

きな色、好きな絵を楽しめばよい

自分が好きな絵、自分が好きな色、自分が好きな生き物、チョイスして観たほうが、私は良いと思います。
日展など、団体の展覧会に行くと、2段掛けになっているところがありますよね。
そういうのをいちいち観ていたら疲れます。
だから私は、自分が好きだと思う絵があったら、この色がすき・この形が好きというのを選んで観たらいいと思います。
でもまあ、好きな作家っていますからね、その作家さんの絵が好きなら一日のその絵の前にいてもらっても、ウチは構いません。
特に心象画というのは、作家さんの心の胸の内だから、質問したら作家さんからその時の心を聞くことができるかもしれません。
が、抽象画は説明ができない絵がありますよね。
それは私、スルーします。
でも、好き嫌いで観てもらえれば。
この辺のこの色が好きとか、この形が好きとか。
だって抽象画なんですもんね。
型にはめなくても良いと思います。
雰囲気で、自分の思うように解釈して、それでいいと思います。
もし作家さんがいたら、自分に見えたものを告げてみてください。
作家さんから、実はこういうつもりで描きましたと教えてもらったら、それを普通に受け止めて、でも先入観なく、自分はこういうふうに受け止めた、でいいと思います。
それが芸術なんですから。

 

名を描いた絵画を公募

お教室はあるので描いている人はいるのですが、ギャラリーがとにかく少ないんです。
描いたものを発表することによって、次のステップに進めるんじゃないかなと思います。
人の絵を見ることで、自分を高めることもできますし。
都会に行ったら大きな美術館はたくさんありますが、もう少し自分の近くで、自分の間近なものを楽しみながら、心が豊かになるって素敵ですよね。
まだまだ『ギャラリー寺町』は知名度が低いので、この7月に『桑名百景』という、桑名を描いてもらいます。
また9月には歴史ある桑名の街を背景に、桑名をイメージできる作品を公募することにしました。
作品の画材はなんでも良いです。
サイズはF6で、高校生以上の方なら出品料無しでギャラリー寺町に展示します。
ぜひ参加してください。
賞品も出します。
桑名を再発見、桑名を愛してくださいという思いを込めて開催します。

心が柔らかくなって、頭も柔らかくなって、ホッとできるような一枚の絵を見つけてほしいですね。