三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2021年6月6日

斎宮のあった町として知られる歴史と文化の町・明和町を通る伊勢海道沿いに昨年、琥珀糖の専門店『菓子工房 すみ野』がオープン!
琥珀糖とは寒天にお砂糖と色素を溶かし固めたお菓子で近年はSNSなどで「食べる宝石」とも呼ばれ人気を呼んでいます!
そんな琥珀糖を明和町の新たな名物にしようと、大場正朗さん・浩子さん夫婦が立ち上がり試行錯誤を重ねた末に『いつきこはく』が誕生しました!
さらに住まいの一部を改装し、昨年お店をオープン。
また、改装時に出てきた古い道具やコレクションなどを集めて「まちかど博物館」としても公開!
地域の集いの場になればと、今後は展示場としての貸し出しや、イベント開催なども企画しています!

明和町といえばその昔、天皇に代わって伊勢神宮の神様に仕えた皇女『斎王(さいおう)』が暮らしていた、『斎宮(さいくう)』があった町です。
そしてその斎王制度が続いた660年の間で一番華やかだったとされる平安時代にスポットを当て、当時の文化や遊びを体験することができるのが、『いつきのみや歴史体験館』。

 

今回はその目の前にある『いつき茶屋』にやってきました。
明和町にちなんだお菓子や明和町産のコシヒカリ、さらに手作りのお土産なども販売していて、盛りだくさんです!

 

そんな中、明和町に新しい名物ができたとのこと。
それがこの『いつきこはく』!
寒天とお砂糖でできているそうなんですが、宝石のように綺麗です!

 

その『琥珀糖』を作っているのが、伊勢街道、現在の県道428号線、伊勢小俣松阪線沿いの『菓子工房 すみ野』。
素敵な建物に、可愛いイラストです!

 

『菓子工房 すみ野』の大場正朗さんと浩子さんご夫妻。
テーブルにはたくさんの『琥珀糖』が並んでいます!

 

フルーツの味のフレーバー、抹茶やコーヒー豆など、お茶の種類の琥珀糖。
リキュール味の琥珀糖は、炊き込んでいる間にアルコールが飛んでいるので安心して風味と味、そして色を楽しむことができます。

 

パッケージデザインは、正明さんが担当。
さまざまな味が楽しめる詰め合わせ『いつきこはく(大・小)』のパッケージには夢を食べると言われる伝説の生き物『獏(バク)』がデザインされています。

「悪い夢を食べて、で、琥珀糖を食べていい夢を見て下さい、そうしたらまた、夢が始まりますよ…という意味を込めています」

 

「すごい!
外がサックサクで、中がトロンとしてる感じがします!」

琥珀糖は、溶かした寒天に砂糖を混ぜ、煮詰めて冷やし固めたもの。
日本の伝統的なお菓子で、江戸時代に誕生したと言われています。
もともとは、奥さまが趣味の一つとしてつくり始めましたが、この華やかさ、そして文化・歴史の背景…これぞ斎宮のお土産としてぴったりではと、夫婦で商品化に踏み切りました。

「伊勢街道にこうして居を構えていることから、一つの使命感のようなものもあって、何かしなければとずっと前から考えておりました。
町の活性化に役に立てればと開業しました」

と、正明さん。

 

インスタ映えするお菓子としても注目され、去年12月のオープン以来、多くの人がお店を訪れます。
すでにリピーターの方もいらっしゃるそうです。

 

琥珀糖づくりははまず、寒天を溶かしてお砂糖を入れて炊き込みます。
今回は抹茶を入れて抹茶味に。

「乾かすのに5日以上かかるので、全部の工程を合わせるとそれ以上かかります。
綺麗に乾いてしまわないと、柔らかいとすぐに潰れてしまうので、商品としては出せません。
気長に待たないと」

と、浩子さん。

 

とろみがついて糸を引くくらいになったら、クッキングシートを引いた所に泡立たないようにそっと流し込みます。
そして固まるまで置いておきます。

 

こちらは六角形の『リッカコハク』

「2cm角にカットしたのを六角形に手作業でコツコツ切ってるんです。
けっこう時間もかかりますし、手間暇もかかります。
神経もけっこう使いますね。
砂糖が少ないと綺麗にに乾かないことがあるので、これからの課題ですけれども、綺麗で美味しいお菓子を作るように頑張りたいとです」

と、浩子さん。

 

こちらは琥珀糖を販売している隣のスペース。
素敵なものがたくさん並べられています。

「自宅を『いつきのみや音と暮らしの博物館 澪標(みおつくし)』とし、『まちかど博物館』として開放しています」

 

竿秤や蓄音機、おじいさんが学校の先生だったための鉱物標本など、古くて興味深いものがたくさんあります。

今後はお琴の演奏会などの他、手作り作家の作品展等、幅広い分野での利用を予定しているそうです。

 

お二人に今後の展望をお聞きしました。

「私一人で作っていますので、そんなにたくさんは作れません。
完成するまでに一週間近くかかりますので、完売してる時もあります。
けれども喜んでもらえると嬉しいですし、美味しかったと言ってもらえると励みになります。
街道沿いに人が流れて下さるような、手助けができるといいなと思います」

と、浩子さん。

「『全国展開に!』と、よく言われますが、まだまだできそうにありません。
しかし一人でも多くの方にこの土地を訪れてもらえるようにという思いを込めてやっていきたいなと考えています」

と、正明さん。

『いつきこはく』を見て味わって、斎宮の歴史を感じてみませんか。
詳しくはウェブサイトをご覧ください!